夏季休暇その2!娘さんをください!
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「あ、そういえばだが、夏休みの最後の三日間、この惑星の住人の親をこの惑星に招待したぞ」
>へぇー
>え?トリカ様の親も呼ぶの?大丈夫?
>トリカ様は怒るだろうから、「マザアwwww」って煽って欲しいwww
>皆の親が見られるのか!
>なんでそんなことしたの?
「招待した理由は単純だ。俺がみんなの親に挨拶したかったんだ。もう自立しているとはいえ、大事な娘だろうからな。何かあった時には責任だけは取る意思がある、ということくらいは表明しておきたい」
>偉い
>やるじゃん
>「息子さんを私にください」みたいなやつかwww
>相変わらず、普通なら女が男をもらうときにすることをやりたがるな
>お母様!ウツギさんをなんとかしてください!って言ってほしいwww
ウツギに関してはもちろん、育ての親を呼んでいる。産みの親とは縁が切れているし、ウツギを育児放棄するような人と関わりたくないしな。
ウツギの育て親には俺は会ったことがないので、連絡先を知らない。ただ、俺の母とセリの母は、ウツギの母の連絡先を知っていたので、代わりに頼んでもらった。
どうも、俺たちの惑星に住む母親同士のコミュニティがあるらしい。たまーにお茶する仲なのだそうだ。
ウツギの育ての親は、聞くところによると、真面目でお堅い人なのだそうだ。
会うのを楽しみにしていよう。
「ちなみに、親を呼んだ理由はそれだけじゃない。みんなで集まるのがなんか面白そうだからって理由もあるぞ!」
それに、夏休みといえば家族や親族で集まるっていうのが定番だろ?
>草
>絶対この理由のほうが大きいだろwww
>なんか面白そうだからで勝手に行動するな
>絶対こいつ後先考えずに行動したんだろうなぁ…
相変わらず、俺のことをよく分かっている視聴者だな。
挨拶したいとか、集まると面白そうとか、そんな理由も確かにある。
でも、ぶっちゃけノリと勢いで招待したという理由が大半だ。
「ちなみにだが、ヨヒラには親とかの存在がいるのか分からなかったから、ヨヒラに直接聞いてみた。結果、どうやらひとまず秘密にしたいらしい」
>アンドロイドにも親代わりの存在がいるんじゃなかったっけ?
>あんまり詳しく知らないけど、スペック以外だいたい人間と変わらないし、いるんじゃね?
>いやぁ…アンドロイドって一応ロボットみたいなものだから、親イコール制作者なんじゃね?
>そういやアンドロイドは、アンドロイドが作ってるって聞いたことあるな
ヨヒラ>人間と同じように親はいますよ。あくまで擬似的なものですが…あなたに秘密にしたのは、ただ私の母と合わせたくなかったからです。身内の恥を見せるようで、恥ずかしいので
おっ!ヨヒラじゃん!コメントありがとう!でも…
「ん?身内の恥?どういうことだ?」
ヨヒラ>具体的なことはこの場では伝えられませんが、私の母は「男性との過度な接触禁止令」を出されているということだけは伝えておきますね
>接触禁止令www
>ヨヒラ様の母は何をやったんだ…
>悪いことをめっ!ってしてくれるアンドロイド自体が、なにか悪いことをしてる?
>ほんと、一口にアンドロイドと言っても、いろんな人がいるよなぁ…
ホントだよ…男性との過度な接触禁止令を出されるって、一体何をしたんだよ。
まあでも、悪事を働いたとかの、「犯罪系」の悪いことをしたわけじゃないとは確信しているがな。
根拠は、アンドロイドたちへの圧倒的信頼。それだけだ。俺は心の底からアンドロイドのことを信用しきっているし、感謝もしている。ただ「接触禁止令」を出されたと聞いた程度で揺らぐような、安い信頼ではないのだ。
俺はそう思っているし、俺以外の人も俺と似たような考えの人が多いだろう。
だって、長い間宇宙がこれだけ平和なのは、アンドロイドが働いてくれているからだと皆分かっているしね。
「まあいいや。ヨヒラの母についてはまたおいおい決めるとして、このくらいで夏休みの話は終了!次の話題!スポンサー様から新しい衣装が届きました!拍手!」
>おお!嬉しい!
>スポンサー様には期待してるぞ!
>露出の多い服カモン!
>作務衣ともお別れか…
「今回の衣装はたまたまだが、俺の夏休み計画にもふさわしい衣装になってるぞ!じゃあ引っ張りすぎてもあれだし、さっさと発表してしまうか!」
俺は脳内のチップを使い、今の作務衣から新衣装へと設定を変更する。
すると、一瞬で今まで着ていた作務衣が俺の近くに小さく折りたたまれ、俺の体に新しい衣装がスッと装着された。
「はい!今回の衣装はダサTシャツと半パン、寝癖付き!」
>ダサティーwww
>Tシャツの文字wwwなんで“ほっとけーき”なんだよwww
>なんか、文字が独特のフォントで可愛い
>でも正直結構好き。ゆるい雰囲気の男子なんて、フィクションでしか見ないからね
>分かる。ダサTコーデ男子、漫画とかでしか見ないけど割と好き
「ちなみにこのTシャツの文字は、自由に変更できるぞ!今は見て分かる通り、”ほっとけーき”って設定した!変更もすぐにできるぞ?」
試しにTシャツの文字を、【もっと俺をチヤホヤしろ】【祝!衣装変更!】【クスネが可愛い】などと変えているところを見せ、最後にはほっとけーきという文字に戻す。
これからは、毎朝思いついた言葉を設定して、その日一日を過ごすつもりだ。
>絶対何も考えずに文字を設定しただろwww
>チヤホヤされたかったらもっと行動に気を使え
>お前が脱ぐようならいくらでもチヤホヤしてやるよ
>クスネが可愛い!!!
>…ホットケーキ食べたかったのか?
「…」
黙ったまま、スッとダサTの文字を変える。
>正解!じゃねえよwwwわざわざ文字で表示させずに口で言えwww
>うんうん。よく分かってるじゃんみたいなヒノキの顔がくっそ腹立つ!
>喋っていてもうるさいけど、黙っていてもお前は顔がうるさいな
>あー無理やり組み伏せてわからせてやりてぇ!なんか無性に顔がムカつく!
いいな。これ、楽しいわ。なんとなく視聴者とじゃれあいたくなったら、こうやって遊んでみるのも面白いかもな。
俺はダサTの文字をほっとけーきに戻し、次の話題へ。
「ちなみに明日の予定だが、早速宿題から始めようと思う!」
>あなたって宿題を最後にまとめてやるタイプじゃないのか…
>最初の方はやる気もあって宿題も進むけど、それも最初だけなんだよな
>最初にちょっと宿題をやって、そこから一切やらなくなって、最終日付近に大急ぎで宿題を終わらせるのが夏の風物詩
まあ宿題と言っても、俺のやることは楽しいものだしな。
だから、そんなふうに最後の日に一気にやったりはしないだろう。
「明日は公園づくりをする予定だ!ということで、今日は軽く探索して、いい立地を見つける配信にするからな!」
>おお~
>作るものが思ったより大規模だった件
>公園の立地ねぇ…どんなところが良いのかあんまり検討がつかんな
>スローライフ弱者のあなたが公園なんて作れるのか?
誰がスローライフ弱者だ!視聴者の中で比較対象がヨヒラとかウツギだから、相対的に俺が駄目に感じてるだけだぞ!それに、俺だって日々成長してるんだからな!公園作りくらい、できらあ!
「じゃ、早速探索していくぞ!つっても、公園を作りたい場所の目星はもうつけてあるんだけどな。だから、探索と言うより再確認って言ったほうが正しいかもしれないな」
ということを視聴者に伝えたのち、俺はリミッター解除し、東の方へ猛スピードで走り出す。
鍛え上げられた筋肉を存分に使うことで、目的地にはすぐたどり着いた。目をつけていた場所は、そんなに拠点から離れているわけじゃないからな。
ちなみに、視聴者が俺の吐息を聞き、はぁはぁ興奮しだすお約束の流れがあったが、全て無視した。
「ということで、俺が公園を作りたいのはこの森の中にある小さな池の周りです!」
>おお~!
>なんかちょっと神秘的な場所だな
>この惑星生物が多様な事に隠れて、地味に水資源も豊富だよね
>水と緑の相性は良い
個人的にだが、俺はこの場所を「池森」と呼んでいる。
なんとなく「金の斧銀の斧」の童話に出てくる、女神がいそうな池だと感じたのが理由だ。
「よし!ここで色々構想を練るから、今日の配信は終了!また明日楽しみにしてろよ!じゃ、おつ~」
次回予告:黙って見てろって言ったけど、黙れとは言ってないだろ!




