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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
3章 他惑星とのつながり!

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閑話休題 毒花女達!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



 セリ視点



「目の前の敵は囮。気を取られないようにね。上空に一、地面下に一、背後に一、本命は右高台からの遠距離。常に射線が通らないように気を付けて」


「了解っす!それにしても、いつにもまして凄い索敵能力っすね!」


 最近ゲームの調子が明らかにいい。確実にゲームスキルが上がっている。


 なんだか、今まで越えられなかった壁が、いつの間にかするりと登れるようになった感じ?


 ヒノキから再告白をされてから、明らかにコンディションが良いのだ。


 ふふ、そんなことでゲームまでうまくなっちゃうなんて、女って単純だなぁ…


 でも実際、男から熱烈に愛されると、すごく活力が湧くからね。


──今の僕は、無敵だ。


 WIN!


 よし!なんとか僕たちより高レートの相手に競り勝つ事ができた。今までなら勝てなかった相手だ。ふふ、嬉しいな。


「じゃあハニーさん!明日仕事があるので、お先に失礼します!」


「了解~また遊ぼうね」


 りんごがゲームからログアウトして、通話が切れる。


 

 …うん。僕はもうちょっとだけ、試し打ちをしていようかな。こういう地道な練習が、とっさの場面で生きるんだよね。


 今僕がやっていたのは五対五の対戦ゲーム。数々の魔法を使い、敵をたくさん倒したほうが勝ちという、シンプルなゲームだ。


 通話を繋いでいたのは、最近ゲーム上で仲良くなったハンドルネーム「りんご」という人。


 ノリとフットワークが軽く、底抜けに明るい人物だ。


 ちなみに僕のハンドルネームは「ハニー」。はちみつが大好きだった子供の頃の思いつきで、この名前をつけたんだよね。それからずっと、今現在に至るまで一度も変更することなく使い続けている。


 わざわざハンドルネームを新たに考えるのが面倒だという理由だけで、このハンドルネームを使い続けてきた。けど、長い間つかっているからか、最近では愛着も湧いてきている。


 そんな僕ことハニーは、今までずっとソロでゲームを遊んでいた。


 その理由は、ただただゲーム上での対人トラブルが、心底めんどくさいと思っていたからだ。


 そんな人とつるまない僕が、りんごとつるみだした理由。それも、ヒノキに再告白されたことが間接的なきっかけだ。


 再告白され、僕の心に余裕ができた。そして、なんだか無性にいつもと違うことに挑戦したくなった。


 そんな風に考えていた時、りんごとの出会いがあったのだ。


(りんごとは仲良くなっても、トラブルがおこらなさそう)


 直感的にそう感じたので、最近僕から声をかけて仲良くなった。


 なんというか彼女は、とってもピュアなんだよね。


 普通の女性の中でもピュアな人なんてそうそういないのに、まさかゲーム界隈でそんな出会いがあるとは思わなかった。


 しかも、僕がいるのは”ガチゲーム界隈”。ゲームを本気でやっているガチ勢ばかりが集う、殺伐とした戦場だ。


 そんな場所に、純粋な人なんていない。


 戦場で生き残るためには、相手の嫌がることを積極的にしなきゃいけない。だから、ピュアのままじゃいられないのだ。


──でも、りんごはというと。


 人生でこのゲームしかやったことがないというゲーム歴の浅さ。何をやらせてもソツがない、天性のゲームセンス。隙間時間にしかやらないプレイ時間の少なさ。


 このゲームを始めたきっかけですら、「職場の先輩に誘われて始めた」という、ゲーマーとは思えない理由。


 これらの要因が集まった結果、この界隈でりんごだけがまだピュアのままでいられているんだと思う。


「りんごとは、長い付き合いになりそうだなあ」


 そうしみじみつぶやきながら、僕は試し打ち場で五つの魔法を同時詠唱して、動く的の中心に全てヒットさせた。


 うん。やっぱり最近調子がいい。


──でも、僕は強欲だから、完璧に満たされるまで走り続けるよ。架空の世界の娯楽ゲームでも、現実の世界のヒノキ争奪ゲームでもね。


 

 再告白があってから変わったのは、僕のゲームの腕前だけじゃない。なんと、ヒノキが僕の好意を今までより素直に受け取ってくれるようになったのだ。


 僕は以前から、毎日ヒノキに「好き」「遊ぼう」「アレ買って~お願い」というメールなどを送り、僕という存在を印象付けていた。


 もちろん、それは今でも続けている。でも、今までとは返ってくるヒノキの反応が変わってきているのだ。


 今までは「はいはいわかった」「しょうがないなぁ…」みたいな、流すような返事が多かった。


 でも今では、「俺も好き」とか「ほんとにセリはしょうがないなぁ…」みたいな、愛のある反応に変わったのだ。


 ちょっとした変化かもしれないが、僕にとってこれは大きな変化だ。


 ヒノキが発する言葉の節々、態度、表情など、ヒノキの構成する全てから、僕への愛情が感じられて、幸せで仕方がない。「ヒノキはどれだけ僕のことが好きなんだよ」とかまで思ってしまうくらい、僕には愛されている実感があるのだ。


 僕からすれば改めて恋人になったというだけなのに、すごい変わりようだ。ヒノキにとって、それだけしっかりとした関係性というものが大事なのだろう。


 ヒノキから愛されると、莫大な安心感に包まれる。世界が綺麗に色づく。身体が熱くなる。僕の重くて暗いと思っていたヒノキへの愛が、全て肯定されている気がする。


 愛されることで、少しだけ僕の心は安定した。


 でも、それでもまだ僕は満足していない。


 やっぱり僕は、どこまでも強欲みたいだ。


 この幸せを独占したい。誰にも分け与えたくない。もっともっと、深く強く大きく激しく、溶けるくらい熱く愛して欲しい。


 ドロドロの欲望が、とめどなく溢れてくる。理性では抑えきれないほどの衝動が、僕を突き動かす。感情が制御できない。なにか行動せずにはいられない。


 …いけないいけない。もっとしっかり感情をコントロールしないと。


 もっとゲームに夢中のときは、こんなに感情が乱れることはない。ということは、この試し打ち練習の本気度が足りないということだ。


(よし!じゃあ、気合をいれるために、おまじないでもしてみようかな。……この前代未聞の技が成功したら…僕の願いは叶う!)


 僕は試し打ち場で、十の魔法を同時詠唱で展開した。


 この場所は五感全てが同期するフルダイブ空間だ。現実とそこまで変わらない分、むちゃをするとちゃんと反動がある。


 案の定、脳に過剰な負荷がかかり、頭がズキズキと痛む。


 それでも必死に歯を食いしばりながら、全ての魔法を動く的に発射!



 ……結果は。


 よし!全ての的に当たった!


 うーん、でも、完璧とは言えない。ひとつだけ的の中心に当たらなかった。


 おまじないでいうと、願いは九割叶うってところかな?


 それじゃあ、僕は満足しない。何度でも、何回でもやってやろう。


 徹底的に、完璧に。それが僕のスタイルだからね。


──さて、もう一度だ。



「たとえ、ウツギが浮気相手になってやると心に決めようが、何もやることは変わらない。最後に勝つのは、僕。だって、僕は最強で最愛で唯一の幼馴染なんだから」


 何度もおまじないに挑戦し、ようやく完璧に一度成功したところで、肩で息を整えながら、僕はにやりと笑った。そして、静かにこう呟いていた。


 もとより僕は抜け駆けする気満々。ゲームでも恋愛でも、誰にも負けるつもりはない。


 それに、そもそも僕はウツギのことを、いずれ強力なライバルになると予想していた。


 全ては、収まるところにことが治まっただけだ。


 だって、ヒノキの魅力に女が抗うなんて無理だもん。ヒノキの魅力を誰よりも知っている僕は、こうなる未来が容易に想像できた。


 今ウツギは、「恋心はなく、浮気相手がちょうどいい」などとほざいているが、どうせそのうち、ヒノキのことを本気で好きになる。


 これはウツギが悪いんじゃない。メスに生まれたのなら、仕方のないことだ。あんな強烈なオス、求めないほうがおかしいもの。


 だから、僕はウツギのことをトリカと同様「敵」と考えて、これからも動いていくつもりだ。


 セリもウツギも強力な敵だ。

 

 どんどんヒノキのことを引っ張って、お互いに高め合うような関係のトリカ。

 メスとしての高いポテンシャルを自然と活かし、お互いにちょっかいを出し合う、思春期の男女のような関係のウツギ。


 そんなの、僕にはできない。だから、二人のことが無性に羨ましくなることだってある。


──けれど…


「僕にしかできないことだって、たくさんある」


 ヒノキが、誰よりも一緒にいて落ち着ける存在、それが僕だ。


 僕たちは、幼い頃から一緒にいることが当たり前だったからね。僕は、ヒノキと落ち着いた楽しい日常を過ごすことが、他の誰よりも得意なのだ。


 これは、あの二人には決して真似できないだろう。

 

 それに、僕にはもう一つ大きな利点がある。


 女という生き物は、男にどれだけスキンシップをしたいと思っていても、実際に行動に移すことに、少しのためらいが出てきてしまう。


 女性は、性犯罪・セクハラ防止のために軽々しく男性に触れてはならないと、今までしっかり教育されてきたからね。


 でも僕は、ヒノキとスキンシップを取ることに一切の抵抗がない。


 ヒノキの膝の上や背中や腕の中は、現状ではほぼ僕のものと言ってもいいほど、僕は誰よりも多くヒノキとスキンシップを取っているだろう。これはかなりのアドバンテージだ。


 ヒノキって、ああ見えてスキンシップが大好きだからね。僕に遠慮なく触れられて、すごく嬉しそうにしているのを何度も見たことがある。


 だから、ヒノキを僕の身体でマーキングしてやるくらい、これからもスキンシップを取りまくってやるのだ!

 

 ヒノキ。これからもずっと、僕を甘えさせてね?そして、もっと僕を愛してね?


 僕は僕のやり方で、いつものように、毒のようにじわじわと、毎日攻めさせてもらうから。


 絶対に手に入れる。絶対に逃さない。


「ヒノキも、もう僕なしじゃ生きられないでしょ?僕がそういう身体にしたもの──もう、戻れないから」


次回予告:トリカの悩みのタネ

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