表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
3章 他惑星とのつながり!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

123/256

爆弾発言!3章最終話!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



 遊びすぎた俺は、視聴者と共に急いでカマクラホテルに戻り、なんとかダンスイベントに間に合わせた。


「遅いわよ!」


「ごめんごめん!」


 俺はトリカから叱責を受けたので、手を合わせて軽く謝る。


「…じゃ、ようやくヒノキも来たことだし──早速、ダンスイベントを始めるわ!」


 トリカの宣言とともに、キャンプファイアーの炎がボッと大きく燃えあがる。


 同時に、歓声が湧き上がった。


 しばらくすると炎が安定して、ゆらゆらとオレンジの大きな炎が揺らめく。


 ゆらゆら。ゆらゆら。


 少しの間、自然と俺はこの大きな炎に見入っていた。



 沸き起こったファンたちの歓声が一度収まると、トリカがキャンプファイヤーのルールを説明し始めた。


「ルールは簡単!その場のノリに合わせて踊るだけよ!各々、全力で楽しみなさい!」


 うむ。分かりやすくてよろしい!


 ダンスといっても簡単なもので、トリカの演奏する音楽に合わせ、ペアで軽いスキンシップを交えたダンスをするだけだ。


 チップ経由で、どうやって踊ればいいか、どう動けばいいかをリアルタイムで伝えているので、何をすれば良いのか迷うことはない。


 火を囲みながら踊るだけというシンプルな娯楽でも、本気でやるとかなり楽しいものだ。



 早速トリカが空高くへ飛んでいき、ピアノを演奏し始めた。


 会場に宇宙で一番有名なフォークダンス曲が響く。


 さあ、皆で踊って楽しもう!


 そして、俺も仕事を果たさないとな。


 俺は扇動役としてこのダンスイベントに抜擢されている。


 その扇動役というのは、


「お前ら!どんどんペアを作れ!一節踊ったら他の人と交代!ほら!恥ずかしがるな!もっとはっちゃけろ!あ、でも、はっちゃけすぎて脱ぐのは禁止な!」


 こんなふうに、空中からどんどん口出しする役目だ。


 俺の仕事は、皆をとにかく楽しませること。そのためなら何でもして良いと伝えられている。


 コイツらは案外ノリがいいので、どんどん俺の扇動に乗ってくれる。


 でも、まだ足りない。もっと、もっと盛り上がれ!

 

「ほら?お前ら、そんなもんか?もっと楽しめ!騒げ!俺が仕事をする必要がなくなるくらい盛り上げろ!扇動の必要がなくなったら、俺も参加するからな!というか、俺も参加させろ!俺だってセリやトリカとダンスしたいんだからな!」


 俺がそう伝えると、会場から温かな笑いが溢れた。


 その後も、突然ファンたちの中に乱入したり、ペットたちを投入して、この場をめちゃくちゃにしたりして、俺はこの場を精一杯盛り上げた。


 トリカのいたずら心で、曲のスピードが突然めちゃくちゃ速くなったこともあれば、逆にとても遅く演奏されて、ダンスが大きく変化する場面もあった。


 この場はハチャメチャになったが、それでもみんな、笑顔だった。


 大盛り上がりの末、このダンスイベントは終了!



「さあ、後は酒を飲んで騒ぐだけよ!酒場でアンケートを提出してくれた人には、ヒノキが作った足踏みワインが試飲できるからね!」


 ドドドドドッ……


 トリカのその言葉を聞くと、ファンの群れが我先にと、一直線で酒場へと走っていった。


 急がなくても、トリカなら約束を反故にしたりしないぞ?先着順とかでもないんだけどなあ…


 ふぅ…でも、やっとこれで少しゆっくりできるな。


 今までの大収穫祭は、来てくれるファンのためのものだった。


 だが、ここからは俺たちが楽しむ番だ。


 今日は俺もいっぱい酒を飲んで、みんなと大騒ぎして、騒ぎまくるぞ!


 あ、でも、一応チップに頼んで、アルコールを自動的に分解する設定にはするけどな。


 俺は失敗から学ぶ男。以前のように、酒での失敗はもうしないのだ。



「宴の前に、今から俺とツーショットで写真を撮る時間にしようと思ってたんだが、みんな行っちゃったな…」


 俺は視聴者に向けて、ぼそっとそう呟いた。


>あっ

>そんなこと言うと…

>ほら?聞こえてこないか?猛獣(メス)たちの足音が…


 ドドドドドッ!


 聞こえてきたのは、さっき走っていったファンの集団たちの足音。


 さっきの集団の半分くらいが、Uターンして戻ってきたのだ。


「あのー?写真良いですか?」

「私も写真!」

「ワイも!」


 どうやら、現地にいても、コイツらはしっかり俺の配信を確認していたようだ。


 視聴者によると、俺がサプライズでラフティング場へと遊びに行ったことも、現地にいるのに配信を確認する一端となったらしい。


 真っ先にワインを試飲するか、俺とツーショットを撮るか。


 ここに来た人は、悩んだ末、ツーショットを選んだようだ。


 俺の不用意な発言によって、この場に無用な混乱を招いてしまった。


 やっちゃったなあ…


「…仕方ない!早いもの勝ちな!さっさと終わらせるぞ!」


 俺が酒場で楽しめるのは、もうちょっと後になりそうだ。



 爆速でファンと写真を撮り終え、俺は酒場へ向かう。


 酒場の雰囲気をみるに、もう出来上がっている人も結構いるな。


 流れるようにツーショットを撮ったとはいえ、一時間くらいはかかったからなあ…


「あっ、やっと来た!もう、遅いよ〜。こっちこっち!」


 セリがほんのりと頬を赤らめたまま、誰よりも早く俺を見つけ、手招いてきた。


 あの様子だと、おそらくセリはほろ酔いだな。


 そんな風に思いながら、誘われるままに俺は席に座る。


 この席の周りには、この惑星の皆と、ペットたちが勢揃いだ。

 

「先にお酒はいただいてるよ~」


 セリが俺に、今飲んでいる酒の瓶をゆらゆらと揺らし、見せつけてくる。


「おっ!これがウツギが作った酒か!評判はどんな感じ?」


 この酒場の酒は、この惑星で採れた果物や作物を原料に作った酒しか置いていない。


 そんな地元産にこだわった酒を、俺たちは「辺境の全力酒」と名付けた。


 この辺境の全力というのはシリーズ化予定で、今後何か観光客向けに売るときは、全てにこの文言を付ける予定らしい。


「ウチが作ったんだから~、ヒック!良いに決まってるでしょ?」


 りんごのように真っ赤な顔のウツギが、ふらふらしながら答える。


「え?なんでウツギだけこんなに出来上がっちゃってるの?」


 疑問に思った俺がそう聞くと、代表してヨヒラが俺の問いに答えてくれた。


「ウツギ様はここにきた千人のファンたちに、『もっと飲め』と煽られまくり、そのたびに律儀に酒を飲んでいらしていたのです。まあ、ある種ウツギ様なりのファンサービスですね」


 なるほど…


 愛されているのか、いじられているのか…


「そうだ!あにゃたがきた所で、ヒック!あにゃたに言いたいことがあるにょよ!聞きにゃさい!」


「えー…酔っぱらいの相手、面倒なんだけど…」


「酔っ払ってないわよ!ヒック!」


 助けを求めるように周囲をみるが、みんな俺に目を合わせてくれない。


 だれも俺を助ける気はなさそうだ。


 ま、この手の相手って、面倒だもんな。


「うーん…ウツギにはちょっと休んでもらうか。俺の宇宙船に連れていって、休ませてくるわ」


「さっさと戻ってきてね」


「了解」


 ということで、来たばかりだが、すぐに離脱することに。


 俺はウツギを背負い、店を出ようとする。


「やだ~。うちはまだ飲みゅの!飲み足りない!じぇんじぇん酔っ払ってない!やだやだやだ~」


 駄々っ子のように俺の背中で暴れるウツギ。

 

「あ、そうだ!ヒック!うち、あにゃたに宣言したいことがあったんだ!自分探しの氷上へいってから、ヒック!やっと心が決みゃったのよ」


 そう言うと、ウツギは俺の背中からふっと姿を消し、次の瞬間空中に現れた。


 うげ、ウツギってテレポートつかえるもんな。捕まえるの面倒だな。


 そんなウツギは、空中から俺に指を指し、大きな声で宣言した。



「うち、ヒック!これから、あなたの”浮気相手”になることを目指すから!覚悟しておいてね!」



「は?」


 思わず、間抜けな声が漏れた。


──衝撃の一言。


 酔った勢いで発言したのは間違いない。


 ただ、その言葉には妙に本気っぽいニュアンスがあった。


 宴会場の空気が、一瞬ピタリと静まり返る。


 だが、少しすると、


「「「いいぞー!」」」

「「「お前なんかがそんな良い立場になれるわけないだろ!」」」

「「「なんか面白そうだから私は応援するぞ!」」」

「「「浮気相手wwwなんでそうなったwww」」」


 このような、大量のやじが飛んできた。


 みんな、酔っ払っているからな。他人事かと思って、好きに騒いでいるのだろう。


 で、だ。そんな衝撃の宣言をしたウツギはというと、


「ありゃ?ヒック!むにゅ…えっと…応援ありがとう!あ、もう無理…」


 そういい残すと、電池が切れたように力が抜け、そのまま空中から落下した。


 危ない!


 なんとかギリギリでキャッチする俺。


 図らずも、お姫さまだっこすることになってしまった。


「「「ヒューヒュー!」」」


 途端に飛んでくる野次。


 うるせえな!


 仕方ないだろ!危なかったんだから!


 というかウツギ、色々説明してく……寝てるし!


「ちょっと!?ウツギさーん?一人満足そうな顔して寝ないで!色々どういうこと!?浮気相手って何?ねえ、起きてよ!ねえ!?」


 俺はウツギの肩を揺すって起こそうとするが、全く起きる気配がない。


 なあ?頼むから説明してくれ!浮気相手を目指すってなに!?


 ふと、さっきまでいた席から鋭い視線を感じ、振り返る。


 そこから、俺の恋人であるセリとトリカが、厳しい目で俺を見ていた。

 

 その目は、こう語っている。


「浮気なんてしたら、どうなるか分かってるの?」


 ……俺の背中に冷たい汗が流れる。


 もちろん!浮気なんてしません!


 たとえウツギが本気で言っていたとしても、誘惑になんて負けない!


 俺を信じてくれ!


 そういうメッセージを伝えるように、俺も目線で返事をしてみた。


 だが、全く俺のことを信用している様子はない。


 …まあ、わかるよ。たしかに俺はちょろいもんな。


 特に二人は俺のそういうところを山ほど見てきたから、信用できないのも仕方ないか。


 でも、今回は絶対大丈夫!なにせ、今は恋人がいるんだからな!


 あ、あと!そこで机をバンバン叩いて爆笑しているヨヒラ!


 いつも言っているが、人の修羅場を笑うな!


 あーもう、めちゃくちゃだよ!


 俺はウツギを背負い直し、大量の野次と笑い声に背中を押されながら、この酒場を後にする。


 宇宙船に運ぶ道中。


 強烈な風が吹き、俺たちの髪をめちゃくちゃにした。


「くすぐったいな…」


 ウツギの髪が、俺の顔にふわっと触れる。


 同時に、酒の匂いと、ウツギのココナッツのような甘い体臭が、俺の鼻腔をくすぐった。


 ドキンッ……じゃねえよ、俺の心臓。バカ。


──なんだか、これからの生活が、もっと波乱万丈になる予感がした。



三章終了



次回予告:閑話休題を四話はさみ、四章の始まり。四章:夏休み編


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ