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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
3章 他惑星とのつながり!

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惑星点灯!幼い頃の記憶!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「さあ、それじゃあそろそろ、点灯式を始めましょうか!」


 点灯式についておさらいしよう。


 今から行うのは、高次元バーチャルトリップを可能にするデバイス、通称「ジュニア」の活性化イベントだ。


 結論から話すと、このジュニアが活性化すると、ついに俺達の惑星にバーチャル旅行者を受け入れる準備が整うことになる。


 次にジュニアの見た目について。見た目は地球儀、いや「フルール儀」にそっくりだ。


 そして、そのフルール儀の周囲には、不活性状態の惑星の環がいくつも存在している。


 この惑星の環が点灯し、動き出すことで、活性状態へと変わるのだ!


 赤子の頃に俺はこの点灯式を見たことがあり、その時の記憶をうっすらとだけ覚えている。


 その当時の点灯式の景色は、それはまあ綺麗だった──気がする。


 だから、俺は今日これが楽しみで仕方なかったのだ!


 きっと、大人になった今見れば、あの頃より感動するに違いない!


 ワクワク!


「さて、せっかくジュニアが点灯するのだから、よく見えるように、あの空に輝く恒星には一時的に消えてもらいましょうか」


 トリカが指をぱちんと鳴らす。


 すると、俺達を照らしてくれていた太陽に、どんどん丸い影ができ始めた。


「あれって…日食だ。初めて見た…」


 もちろんこれは本物の自然現象ではない。トリカが高度な技術を駆使して、人工的に再現しただけだ。


 でも、日食なんて珍しい現象、前世でも今世でも見たことがない。


 いつも俺達を当たり前に照らしてくれている太陽に丸い影ができていき、光が遮られ、段々と暗くなっていく。


 その様子を見ていると、ソワソワしたり、ワクワクしたり、不安感に襲われたり…


 自分の身体が、自分のものではないかのようだ。


 日食なんて明らかな非日常だ。こんなふうに感覚が少しおかしくなるのも、無理はないか。


「…真っ暗だ」


 太陽が完全に見えなくなり、周囲が暗闇に包まれる。


 今の俺の視界に映るのは、薄っすらと衣装が光っていることで見えるトリカの姿と、トリカの持っているジュニアだけだ。


「さあ!準備は整ったわ!行くわよ!みんな!大きな声でカウントダウンをしなさい!」


 トリカの合図とともに大画面モニターが現れ、壮大な音楽も同時に流れ始める。


「「「10!9!8!」」」


 ファンたちと一体となって、俺は大きな声で叫ぶ。


「「「7!6!5!」」」


 周りを見ると、ウツギは俺に負けないほど全力で大きな声を出していた。


 ヨヒラやセリも、楽しそうにカウントしている。


 ペットたちもご主人様たちと一緒に、この事態を見守っている。


 クスネはその小さい体で、地面で必死に遠吠えをしている。


「「「4!3!2!1!」」」

 

 隣にいるセリの手をつなぎ、もう片方の手でテンションの高いクスネを胸に抱き、最後のカウントを待つ。


「「「ゼロ!」」」


 カウントがゼロになった、その瞬間──


 ジュニアの周囲に浮かぶ不活性だった小さな星々が、次々と光を放ち始めた!


 そして同時に、光の粒たちは環を描くように、ゆっくりと動き出した!


 その動きは、まるで何かに導かれているように、美しく調和の取れた円運動だった。


 ──その瞬間。


 ブワッと弾けるように、俺の頭の奥深くにしまわれていた、幼い日の記憶が蘇った。


 言葉もまだまともに話せなかったが、前世の記憶があったため、脳内ではおしゃべりだった幼い頃の俺。


 そして、ブラック企業に片足を突っ込んでいた所で働いていた前世があったせいか、赤子にしては目の輝きが悪く、大人びていた俺。


 そんな俺が、母の腕の中、ただただ夢中でこの光を見上げ続けていたのだそうだ。


 母によると、この時俺は、年相応に目をキラキラと輝かせていたらしい。


 だってさあ。この光景はまるで「天の川で星が泳いでいる」みたいだろ?そう考えると、凄くワクワクしてこないか?


 まるで、宇宙の動きを、外から眺めているかのような。星たちが紡ぐ光の帯が、天の川のように美しく、ぐるぐると静かに巡っていくかのような。


 あの時と同じ胸の高鳴りが、今、また俺の全身を震わせる。


 きっと、この宇宙にはもっとすごい光景や、広大で雄大な景色なども沢山あるだろう。


 それでも、俺にとってこの光景は特別なものであることに変わりない。


(この光景を見て、俺は生まれ変わったことに、初めてワクワクしたんだよなあ…)


 この光景をもう一度見られて、本当に良かった。


「今、この場所にいることが、奇跡みたいだ」


 自然と、俺はそう呟いていた。


 自分で言っていてなんだが、ちょっとキザかな?


 でも、確かに俺は、この光景を見てそう感じたのだ。


 高鳴る気持ちが少し落ち着いてきた頃。


 ようやく、ファンたちの祝福の声や、歓声のざわざわとした声が耳に入ってきた。


 その歓声をBGM代わりにしながら、横に立つセリの手を握りしめ、俺はただ黙って、夢中でその光景を見つめ続けたのだった。


 どれくらいの時間そうしていただろうか。


 ふと、会場からトリカの動き出す気配がした。


「さあ!そろそろ明るくするわよ!恒星に注目!」


 トリカの合図とともに、俺は上空を見る。


 そこには、俺達を照らす太陽が、少しずつその姿を現そうとしていた。


 少しずつ、ほんの少しずつ、空が明るくなっていく。


 そして、太陽が現れるその瞬間。一か所から光が漏れるように強く輝いた。


「ダイヤモンドリングだ!」


 思わず俺は叫んだ。


 真っ黒な円の縁に、ひときわまばゆい一筋の光。


 一点だけから光が漏れ、それがぎらりと瞬き、金属の指輪のように輝く。


 これが、あのダイヤモンドリングか!本当にダイヤモンドの指輪みたいだった!凄い!凄い!


 やはり、実際に見るのと、知っているのとでは全然違う。


 じわじわと腹の底から、珍しい光景を見られたという嬉しさが、俺の身体を満たす。


 この感覚は、きっと実際に見たことのある人しかわからないだろうな。


 特性上、ダイヤモンドリングが見えたのは一瞬だけ。体感では瞬きするくらいの時間しか見ることができなかった。


 でも、そんな貴重な光景だからこそ、これだけ強烈に嬉しいのだろう。


 それ以降は、太陽がどんどん姿を現し始める。


 ゆっくりと光が戻り、周囲の景色が色を取り戻していく。


 空が明るくなっていくにつれて、ファンたちからも、小さなどよめきと歓声が上がっていく。


 ほどなくして、いつもどおりの太陽が姿を見せた。


 日食もめちゃくちゃ良かったが、やっぱり普段通りの太陽もいいな。なんだかホッとするわ。


 さっき胸の中で大はしゃぎしていたクスネも、今は落ち着いている気がする。


 きっと太陽には、俺達生物を安心させる力があるのだろう。


 当たり前だと思っていた太陽の存在が、これだけありがたいものだったなんてな。


 トリカのおかげで、そんなことを再認識できた。


「これで点灯式は終わりよ!わたくしたちは、あなたたちがこの惑星に来るのを、待ってるわよ!」


「「「うおおおおお!!!」」」


 ファンたちが野太い歓声を上げる。


 そうだ!あの見事な光景で忘れていたが、ジュニアが活性化したということは、俺達の惑星に旅行者の受け入れ体制が整ったということなのだ!


 あの光は、始まりに過ぎない。俺達が宇宙とつながるための、第一歩。


 ようやく、俺達もここまで来たんだなあ…長かったような、あっという間だったような…


 まだこの惑星の真裏しか高次元バーチャル再現出来ていないので、受け入れ体制が整っているのはカマクラホテル周辺だけ。


 クオリティーでも、まだまだ有名な観光地には足元にも及ばないだろう。


 それでも、俺達の記念すべき第一歩をみんなが祝福してくれていることには変わりない。


 その期待を裏切らないように、これからも頑張らなきゃな!


「さあ、これで今日のメインイベントは終了!でも、まだ終わりじゃないのよ」


 あれ?


 予定では、これで今日のライブは完全終了って言ってなかったっけ?


 そんなトリカの言葉に、会場がピンと張り詰める。


「最後にもう一曲新曲を披露して、このライブを完全終了とするわ!」


 えっ!?


 今しれっと言ったけど、まだ新曲があるの!?


 一回のライブで二曲も新曲があるなんて、トリカのライブでは前代未聞だ!


 これは…


 楽しみすぎる!!



次回予告:どこまでも欲張りな恋人たち

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