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貞操逆転スペースファンタジースローライフ!?~男女比が1:10の宇宙で男に生まれた俺が、辺境の無人惑星でスローライフする姿を配信する  作者: ながつき おつ
3章 他惑星とのつながり!

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部屋案内!その3!無理はする必要はない!

読んでいて少しでも感情が動いたら、評価・リアクション・ブックマークをお願いします。



「ねぇねぇ!鍛冶やってるところを見せて!お願い!いつか俺も鍛冶をやりたいから、参考にしたいんだ!」


 俺は駄々っ子のようにウツギにお願いする。


「あなた、うちにお願いすれば、なんだかんだ最後はやってくれるって思ってるでしょ?…まあ良いけどね」


>いいんかい!

>うーん…ちょろい!

>こんななんのひねりもないおねだりに負けるウツギwww


 わーい!嬉しい!


 ウツギのそういうチョロい所、結構気に入ってるぞ!


 ウツギが軽く頭をポリポリとかいた後、実際に目の前で鍛冶を始めた。どうやら、作業を見せながら、その工程を説明してくれるようだ。


「とりあえず、高温に燃える素材と炉さえあれば鍛冶なんて簡単なのよ。まずは炉に燃料を入れる。次にサイキックを使って粒子加速器の再現をして、プラズマ化処置を行うでしょ?この状態は原子であり、プラズマでもある両義性(りょうぎせい)があって安定しないから、サイキックを使って安定化処置を行うわ。次に………」


 んん?


 何を言ってるのか全くわからんぞ!


 ドカン!バキバキ!キュイイイイイン!ガシャン!


 炉の中から変な音が聞こえてくる。


 何をしているのかも全くわからんぞ!

 

 おいおい…現代の鍛冶って、こんなに訳がわからないのか?


 ウツギの説明が頭に入らず、ただ右から左へと通り過ぎていく。


「で、あとはサイキックを使って成形して、これを冷やせば完成よ!どう?参考になった?」


「おう!参考になったぞ!」


 参考にならないということがな!


>明らかに分かってないポカン顔してて草

>顔でバレバレwww

>そんな自信満々に嘘をつくなwww


「…わからないならわからないって言えばいいじゃない」


 視聴者だけでなく、ウツギにも俺が虚勢を張った発言ということがバレた。


 うん。一応弁明させてくれ。


「いやぁ…長々と楽しそうに説明してもらったからさ。なんか悪いなぁって思ってね」


「…いや、まあ、よく考えればうちの説明の仕方が悪かったわ。そもそも、サイキックをうちくらい使いこなせる人じゃないと、この鍛冶の方法はできないから、あなたにする説明ではなかったわね」


>ちなみにワイもウツギが何を言っているのか分からなかった

>えっ?そんなに難しいこと言ってなかったと思うけど…

>分かる人が理解力あるだけで、わからないのが普通だぞ?


 やっぱりそうだよな!?俺の理解力が雑魚だったわけじゃないよな!?


「というか、ウツギは鍛冶にそんな高度な技術を用いていたんだなあ…」


 正直、鉄などを熱し、ハンマーとかでカンカン叩く鍛冶をやっていると思っていた。


「ウチの場合、鍛冶は修行も兼ねているから、ちょっと特殊なのかもね。でも、これでも鍛冶を極めるにはまだまだなのよ?うちがこれ以上いい作品を作るには、何よりもまず、全てのサイキックの基礎である、サイコキネシスを今以上に鍛えないといけないのよ」


「あれ?俺の鍛冶のイメージでは、炎を操るパイロキネシスの修行のためにやっているのかと思っていたけど、違うんだ」


 ほら?なんか高火力の炎さえあれば、鍛冶でいい作品が出来そうじゃん?


「実はパイロキネシスやテレポートって、全てサイコキネシスがあってこその力なのよ」


 そこらへんについて、改めてウツギに詳しく聞いてみた。


 サイコキネシスとは一般的に、「遠隔でものを自在に操る能力」であると知られている。


 ただ、この説明はウツギによると少し大雑把らしい。


 正しくは、サイコキネシスとは、「遠隔で原子を操る力」とのことらしい。


 たとえば、パイロキネシスのように「炎を操る能力」も、実は原子を操作して火を発生させ、それを制御・拡大しているにすぎない。


 つまり、パイロキネシスもサイコキネシスの応用の一種なのだ。


 テレポートについてはもっと話が難しくなるらしいが、結論だけ聞くと、テレポートですらサイコキネシスの一部らしい。


 へぇ…知らなかった。


「だから、この鍛冶場はサイキッカー専用になってるの。あなたも鍛冶をやりたいみたいだけど、ここではできないわ」


「マジか…ちょっとだけこの場所を借りて鍛冶をすることを期待してたんだが…俺の拠点で俺専用の鍛冶場を作るしかないか。…といっても、俺は鍛冶場の作り方なんて知らないんだけどな。さて、どうするかねぇ…」


「うーん…じゃあ、簡単な炉くらいならあなたでも作れるだろうから、その作り方を教えてあげるわ」


「え!?ありがとう!さすがは親友だ!」


 親友という言葉を聞き、少し複雑そうな表情を浮かべるウツギ。


 あれ?今の発言、なにか良くなかったかな?


 俺の喜びから出た何気ない一言のつもりだったのに、まるで俺が知らず知らずのうちに失礼なことを言ってしまったかのような、少し不穏な空気が流れる。


「ねぇ…少し思ってることがあるのだけど…」


 そう言うと、突然ウツギが俺へ急接近してきた。


 ドキン!


 心臓が大きく喜ぶ。


「うん。やっぱりそうね。…ねえ、うち達が友達や親友って関係は無理があるわよ。あなたも少し無理してるように見えるしね」


「無理なんて…」


「ホントにしてないって言える?うちには、あなたが無理やりうちの存在を友達とか、親友に当てはめているように見えるわ」


>たしかに

>ウツギにしては良いこと言うな

>わかりみが深い

>関係性を名付けるのが大好きなヒノキ


 コメントでもウツギの言うことに賛同する人が多い。


 実は、俺自身でもちょっと思い当たるフシはある。


 恋人ができたのだから、しっかり線引きしないとと思いこの様にしていたが、少し無理があったようだ。


 ここから、ウツギが俺を説得するかのように、一気に言葉を畳み掛けてきた。


「男女の友情が成立しないなんて野暮なことは言わないけど、どうしたってうちにもあなたにも性欲があるの。今だって、あなたは接近されて胸が高まったでしょ?うちも同じよ。男女間の距離が近くなれば、どうしたってドキドキしてしまうのよ。まあ、普通の男ならそこまでドキッとはしないだろうけどね」


 どうやらドキドキしているのは俺だけではなく、ウツギもだったようだ。


 確かに、明らかにウツギの顔が赤くなっている。


 俺に余裕がないので、そんなわかりやすいウツギの変化すら認識できなかったようだ。


「きっと、うちが並の女性なら、あなたのことを襲っているはずよ?だって、近づいた時のあなたの表情、明らかにうちのことが好きなオスの表情だったもの。うちはあなたの特殊性をわかっているから勘違いはしないけど、客観視したら普通はそう見えるはずよ」


 特殊性って…ちょっと女に弱いだけじゃん!


「うちは、訳あって性欲とか本能に負けて動く女には決してならないと、強く思っているの。だから、絶対にあなたのことは襲わないけど、そんなうちでもギリギリよ?気をつけなさい」


 強い決意に満ちた目で、俺にそのように語りかける。


 …そんなふうに、強い覚悟を決めて過ごしていたのか。


 その考えを持った訳が知りたいが、今はそんなこと聞ける雰囲気ではない。


 ウツギにも人生があり、様々な経験をした結果、そう考えるのに至ったのだろう。


 だが、ウツギはあまり過去を話さないので、どんなことがあってそんな考えを持つことになったのか、予想すらできない。


 続けてウツギは俺の反論や疑問などを一切許さず、次々と言葉を重ねる。


「あなたは、関係性をハッキリさせたいタイプの人間だから、うち達の関係にも名前をつけたいのだろうけど、友達とか、親友とかの関係は、うち達には自然じゃないわ」


 そうかなぁ…まあ、この考えは前世の影響が大きいんだろうな。


 そろそろ切り替えて新しい人生を生きなければと思っているのだが、染み付いた考えはなかなか消えない。


「あなたって極端なのよ。好意や関係性にはゼロと百しかないわけじゃないわ。曖昧な部分がいくらでもある。例えば、うちはあなたのことが好きだけど、恋愛感情みたいなのはもってないわ。けれど、寂しいときはあなたにめちゃくちゃに愛されたい日だってあるし、ムカついている時はあなたをS◯Xで黙らせたくなるときだってあるわ!」


 ちょっと!?なにをぶっちゃけてるの!?


 少し時間を置いて、自分が何を言ってしまったのかを冷静に把握したウツギが、恥ずかしそうにしながら、誤魔化すように勢いよく結論を告げる。


「とにかく!うちが言いたいのは、急いで友達とか親友とか関係性に無理やり当てはめなくてもいいってことよ!とりあえずしばらくはこの距離感で続けていきましょう?」


 確かに全部ウツギの言うとおりだ。俺は強引に関係性を当てはめることで、不必要な無理をしていたのかもしれない。


 そのせいで、ウツギにも少し無理を強いてしまった。反省しないとな。


「よく分かったよ。要するに俺たちは、”友達以上、恋人未満”ってことだろ?」


 この少し重くなった空気を軽くするために、わざと少しおちゃらけて俺は答える。


「全然分かってないじゃない!関係性を当てはめるなって言ってるのよ!」


「分かった分かった!冗談だよ!」


 少し間をおいて、俺はぼそっと独り言を言うように呟く。


「ウツギが優しくてよかったよ」


 こういう言いにくいことを、しっかり声に出して伝えてくれるのは、とてもありがたいことだ。


「あら?優しくなんて無いわよ。あなたがフリーなら、いくらでもアタックしてたかもね」


 今度はウツギが少しおちゃらけて答える。


 うん。いまの俺達はこれくらいがちょうどいい。


次回予告:破産の心配をされるヒノキ

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