51.アンズの告白
50話のすぐ後、捕まったアンズさんです。
短めで、ずっとアンズさんのセリフのみです。
ただひたすら、団長が楽しんでるだけの話で、生産性も進展も何も無いです。すみません。
だから、お顔と声は最初からとても好みだったんです。私は優男系よりも、ワイルド系が好きなので。
え?
まあ、、、、はい。
カッコいいなー、って思ったんですよ。アンダーソン家に来られた時に。
違います、一目惚れじゃないです。
その時は、見た目がタイプだな、声もいいな、くらいです。
それでですね、その後、司書のお仕事を紹介していただいて。その時に、私が好きそうな仕事をわざわざ探してくれたんだなあ、と思って、いい人なんだな、と、まあ、好感ですね。好感を持ったんです。
それで、その後は時々、図書室に様子を見に来てくれてたから、よく顔を見てたじゃないですか。
よく顔を見てたら、慣れて親近感が湧くでしょう。笑ってくれたりとか、したし、、、、。
あれ?侍女長さんの所からの帰りの“爬虫類の食べ方について”の本の事でしゃべってた時にです。
ふふふ、何、照れてるんですか。
まあ、そんな感じで、自然にです。
、、、、、、う。
ですから、、、
自然に、すきになったんですぅ。
さあ、これで、私の話もしましたよ!
おしまいです。
えっ、自然にの部分ですか!?
自然は自然ですよ。
よく分からないもの、それが、自然、です。
あの、グレイ?
そろそろ、この体勢を解きませんか?
この体勢ですよ!
椅子に座って、後ろから抱き締められている、この体勢です。
ええ、そうですよ、確かに私は、対面で好きになった過程を話すのは恥ずかしいと言いましたよ。言いましたけどね、だからってこれは違うと、、、
いえ、嫌とかじゃなくてですね。
ここ、朝食時のダイニングなんですよ?
執事も侍女の皆さんも、さっきから遠慮して入って来れないじゃないですか。
このままじゃ、食後のコーヒーも出てきませんよ?
わあっ、ダメです、呼ばないで!
呼んじゃダメ!
いいです!食後のコーヒーは、もう、いいですから。
ひゃあっ
、、そんなとこにキスしないで。
ち、違います、首が弱いとかじゃないです。
くすぐったいんです、ひゃっ。
ちょっと、首もとで笑わないで、こしょばい!こしょばいから!
ぐう、、、、、、。
分かりました、自然に、の部分ですね。
えーと、しばらく後に、ナリード伯爵の屋敷で、久しぶりに会って、あんなに優しく頬に触れられて、ドキドキしたんです。
ドキドキ?しましたよ。
するでしょうよ、あんな風に頬を撫でられたら、誰だってですねえ!
ひゃっ、ちょっと!
、、、グレイに触れられたのは、あれが最初ですよね。あんな風に触るのは反則だったんじゃないんですかね。私、人妻でしたよね。
あ、、、、へえ、そうですか。
気持ちが溢れた、、、、へえぇ、そうですか。ふーん。
何?
別に、、、嬉しいとかじゃないですよ。ちょっと恥ずかしくなっただけです。
え?その後?
その後は、、、、うーん、お昼休みに、時々おしゃべりして。たまに、キュンキュンするなあってなって、、、、
それで、ローズにも、いろいろ指摘されてですね。自覚したというか、何というか、、、、
そういえば、どうしてローズを、騎士団付きにしたんですか。
うん?将を射んとする者はまず馬?
あ、なるほど。
その後?
その後は、、、、、えーと、ほら、ねえ?
あれですよ、あのう
建国祭のさ、、、、
んぅ、、、、、
、、、、、、、。
、、、、、、、。
ふっ、はあっ、
ふふ、えへへ。
さて、
納得しました?
何か、私の馴れ初めの話の方が、大分長い上に細かくなかったですか?
、、、、あ、はい、わたしもですよ。
わたしも、
あいしてます。
あっ、ちょっと、執事さんを呼ぶなら離して!
嫌とかじゃなくて、こういうのは2人きりの時だけがいいです!
いやらしい、とかじゃなくてですね!
見せるもんじゃないでしょ!
こら!はなせ!
ひゃあっ、また!
怒りますよ!
***
ありがとう、セバスチャン(執事の名前)。
美味しいコーヒーだわ。
うん?こら、私、まだ奥様じゃないわよ。
誤差の範囲?
いやいや、誤差とかないでしょ。
もちろん、結婚するつもりだけど。
へ?
さっき?
いちゃついてません。
はっ!
えっ、聞いてたの!?
えっ、嘘?
嘘な訳ないでしょ、聞いてたの?
オーマイガッッ、
何て事だ。
あー、ははは、そうですか、聞いてたのはセバスチャンだけですか。
ふふふ、ええ、少し元気付けられたわ。
ありがとう、セバスチャン。
ええ、本当に、このコーヒー、美味しいわ。
お読みいただきありがとうございます。我慢出来ずに書いてしまった。
お楽しみいただけてたら、嬉しいのですが。




