幕間
文字から滲み出る世界があって
リアルを縁取るように反射して
なんだか眩しい 理想の世界だからか
指先から暖かく痺れる瞬間があって
ただの文字や文章ではなくなって
美しさを音で飲み込む
作りものの入れものに
好き勝手自分を押し込めている と思う
たとえ三人称で共感が少しもなくても
カメラマンみたいな位置で
世界の一部になって笑っている
今ちょうど私の人生に必要だった言葉を
登場人物が叫んでいる
活用できるかは別としてメモをとる
セリフとタイトルとその感想
仕草なんかも残るもので
何度も思い出せるように繰り返し見る
オリジナルの 癖のある技法で
リアルが儘ならないくらい歪んで 酔う 体験は
進んで稀に したい
テーブルに材料を全てぶち撒けたようなのでなく
手のひらに乗るブラックホールみたいな
次のお話を待っています
次のお話を待っています……




