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スノードロップ  作者: 白崎なな
第4章、瞳と血
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24。ジルの上司

「これは…」



国長の机の下から出てきたという紙とすいの持っていた記号の紙と照らし合わせながら3人が見つめていた。


「スノードロップの権限を水本とルーク前皇帝から水本商会とエイダンに変更する…」




「はい。そのようですね。それに、この文書にある”エイダン”は…」



「ーージルの上司に当たる人物、ですね。ということは、スノードロップとジルとの関係があることを証明できます。


私たちスノードロップが人権を守るとして、動くには十分な書類になり得ます。」



「それに、エイダンは前皇帝ルークの弟。

ということはアルタイアの国との繋がりがまだあることを示すことになります。


……それだけでなく、水本商会の名前がここに出てくるということは…」



「ええ、おそらく水本前国長と酒井元国長の国で新しい事業になる、"薬の輸入輸出を担う会社"なことですね。」




「…もうこれは、水本商会が水銀をアルタイアから輸入をして龍元りゅうげんに輸出しているようにしか思えません。」




「おそらく、そうだと思います。

ただ、それに関して証明できるものはありません。」





「……難しいですね、これ以上おそらく探しても書類は出てこないでしょうね。」



「ああ、それと…。鑑定部で王城の手記に記載されていた商人と医者に関してを探してもらいました。ですが、全く存在しない人物だということがわかりました。


以前に仮免許になったことがある人の中にもいませんし、存在しない。と言っても過言ではないのです。」




「そうですか……。

アイランに関しても、ゆえが尋問してくれても何も答えてくれないので…聞いてもこれ以上は無駄でしょう。


それに、ここまで性別までも偽ってこれたのに牢獄の中で大人しくしているとも思えないのです。

この情報は、私たちでとどめておく方がいいでしょう。」





「はい。アルタイアに明日から向かいますし、そこで別の情報も仕入れる方ができるでしょう。


もし戦争になったとしても、向こうの状況を知っておけるのはまたとないチャンスです!」




「えぇ、3人には無茶をさせてすみません。

くれぐれも気をつけてください。

私も遅れてですが、向かいます。


もし、必要なら必要に応じてトリガーを引いても問題ありません。

あなた方は、信用に足る人たちですから。任せます。」


「御意。」



アルタイアは龍元りゅうげんよりも遠く、船で5日かかるところに位置する。



華楽からくは、もともと龍元りゅうげんの大陸の一部だったとされている。


大昔に大きな地震と共に島が動き、華楽からくは小さな島国となった。



そのため、華楽からくの言語と龍元りゅうげんの言語は全く同じ。


ぎょく達スノードロップは、アルタイアでの訓練を受けた当初からいる子達はアルタイアの言語も習っている。

その為、アルタイアの言葉を扱うことができた。



思想も似たところがあったりする。

たとえば死者に対して。火葬をして天に魂を還すという習慣はこの二つの国特有の考え方だった。




アルタイアの大陸は、龍元りゅうげんよりもかなり広く大陸の3分の2はアルタイアの大陸になっている。



その大陸の半分がアルタイアという国なのだ。

それだけ大きな大陸ということもあり、常に紛争が絶えなかった。



それもあり、アルタイアの人々は気性の荒い人が多いのが特徴的だった。



"社会の差"というように共有する社会で考えが型取られるので、すいのように元々アルタイアの人間でも柔らかい性格の人もいる。



今回は、スノードロップ、第一部隊、第二部隊、第三部隊までアルタイアに向かった。




普段、第三部隊は国を巡回して不法侵入者を見つける。この期間は、特殊部隊が残って代わりを務めることになった。



それほど、はたが今回のアルタイアとの合同軍事練習に重きを置いていた。




それもあって、ぎょく達は"なんとしてでも情報を持ち帰らないと!"と思いながらアルタイアへ渡った。



「私は軍部のまわりへ出てアルタイアの詳しい情勢を見に街に降りる。

ぎょくは、軍の最近の動きについて調べて。

しんは、軍部の中にニーナがいないか探して。」



「わかった。街に行くと図書館があるはず。そこに瞳の色に関する書籍も見て来て欲しい。」



「うん、了解。」




「ニーナが、軍部にいなかったらどこにいることになるの〜?

それとニーナの名前は聞いたことあるけど、私たち会ったことないけど…どんな特徴がある〜?」



「ニーナは、黒の瞳で黒の短髪。短髪の女性は、アルタイアに彼女しかいないから見たら分かると思う。

それも調べてくる。」



「わかった〜!短髪の女性ね!」



「どうやって場所を調べるの?」



「……いいコマが見つかったの、2人は忘れたの?

アイランを名乗るんだよ。久しぶりに帰ってこれたから気になるって言って聞けばいい。」




「確かにそれは、名案だね〜さすがゆえだね〜!思いつかなかったなぁ」



「いやいや!名案だけど、アイランのあの低い男性の声……ゆえは、出さないでしょ?ばれちゃわないかなぁ?」



ぎょく…彼がどれだけ華楽からくにいたと思ってるの?声変わりする前に向こうを出てるはず。今の声は誰も知らない、そう思わない?

無線で聞いてても本当の声とはかけ離れるし、低めにして話してみるから。」




「バレたら大変だから、慎重にね!」



「わかってる。心配してくれてありがとう。」



スノードロップとは別の船に3人だけで乗り込んでいた。

書類仕事が残っているから、遅れて到着するよう伝えてもらうことになっていた。



その間に情報をかき集めることにした。



(長いこと調べることはできない。数日で調べあげないと。ゆえに瞳の書籍のことは任せて。私は私のやるべきことをやらないと。)






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