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84 会長(?)とホラー回3

幽霊巻き込まれ系ヒロインと化した子ウサギちゃん。

しかし僕らに出会えたのは幸運だろう。


「でだ。僕の経験からして、多分子ウサギちゃんは何かのキッカケで『強制的』に変なのが見えるようになる視覚のチャンネルに切り替わったんだろうね。要は『霊力』を持ってしまったと。で、今の状況を整理するけど……

『突然怪現象が身の回りで起き始めた』、『原因に心当たりはない』、

『頼りにしていたのはオカ研』

でいいかな?」


「概ね…………え? 箱庭さんはオカルト研と関係は……?」

「全く無いよ。会った事もね。でも僕は本物でそいつらは偽物だよ」

「貴方は何の根拠があって自信満々に言っているのですか」

「……一応、何件か神社等にも相談に行きましたが、『そういうのは創作だけだよお嬢さん』とどこからも半笑いであしらわれて……」

「まぁだろうさ、寺も神社もそーゆーとこじゃねぇから。でも君は運が良いよ子ウサギちゃん。普通、僕らみたいな『本物』が都合良く近くに居て助けてくれるなんて無いからね」

「恩着せがましい……彼女は一応先輩ですよ。まぁ、私にも同じ態度なのでその辺はもう諦めてますが」


ふと。


ズルズル ズルズル


……下から、何かが、這い上がって来るような音。

すぐそこの窓。

水っぽく、粘っこく、何かを引き摺りながら。


ズルズル ズルズル


次第に音は大きくなり、つまりはこちらに近付いている。


「ひぃ……」と震える子ウサギちゃん、その手を握ってあげてるカヌレ、二人の姿が微笑ましい。


ベチャ! 窓に何かが張り付く音。

そこには……こちらを恨めしげに見る血塗れの少年がいて。


ゴ ゴ ゴメ ゴメ オガ オガ オガアザザザザ ザ ザ


しゃがれた声で何かを呟き ふっ と、再び下に落ちていった。

……シュールな光景に、少し笑いそうになったのは秘密。


「……コホン。てかこれ、見えるどころか『引き寄せる体質』になってない? しかも低級のそれじゃなく、人の命すら奪いかねない上級の」

「……そうですね。普通に暮らしていたらここまで(引き寄せ体質)にはなりませんが……何か『外的要因』を疑わざるを得ません」

「ふぅむ。子ウサギちゃん、誰かに『恨まれる覚え』はある?」

「う、恨まれる、ですか? そんな、人を傷付けた事なんて…………(ハッ)」

「心当たりがありそうだね。教えてみ」

「……最近、告白されたのを断ってしまって……バスケ部のエースの方を……」

「ほぉん。でも根拠としては弱いな。一般ピーポーでしょ」

「……姉から聞いた話ですが、そのバスケ部のエースさんはこの辺りで有名な『神社の跡取り』らしいですね。同時に、その神社は夢先での『観察対象』でもあります」

「観察対象? 何か『しでかしそう』なとこって事??」

「疑い、ですね。周囲の信仰を集めたのも、儀式的な行いや呪具を用いたという疑惑もあります。つまり……」

「そこのバカ息子が儀式なり呪具なりを使って私怨で子ウサギちゃんを呪った、と。フラれた男の恨みは醜いね」

「そ、そんな……あの人が私を……」

「現状を見ての考察なので、飽くまで仮定、ですが」


しかしカヌレの表情は確信めいていた。

犯人はそのバスケ野郎で確定だろう。

僕らに目を付けられなきゃ嫌がらせも上手くいってたろうに……

野郎にはロクな結末は訪れない。


「にしても、よく今まで無事だったね子ウサギちゃん。さっきの自殺者? っぽい悪霊も、こっちまで近付けない感じだったし」

「確かに……何か対策を施していたのですか?」

「えっ? えっ? いえ、特に何も…………あっ。も、もしかして……(ゴソゴソ)コレ、ですかね?」

「なんだい、そのポケットから取り出した小さな布袋は。田舎のジジババんちみたいな匂いがするぜっ」

「どんな例えですか……」

「い、いえっ、それで合ってます。コレ、亡くなったお爺ちゃんから貰った御守りで……『護ってくれるから』と」

「ふむ。確かに、守護の力を感じますね……しかし、大分ボロボロでは?」

「ここ数日で一気にこうなりまして……す、凄く嫌な予感がします……」

「おいおい、変なフラグを立て」


るなと、止めようとしたが、時すでにお寿司。


プツン ポトリ。


御守りのヒモが切れ、地面に落ちる。

同時に


カタカタカタ!!!


ホルマリン漬けの生き物が入った棚、人体模型、謎の瓶など、周囲の備品が震え出した。

地震、ではない。

これは……ポルターガイスト……!


来たかっ。

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