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81 会長(?)と信玄餅

僕が呼んだ学園祭の守護者達……それは!


「触ってモフモフ! 撫でてゴロゴロ! 可愛らしいネコちゃん集団だよっ」

「ね、ネコって……」「トラとか黒豹ブラックパンサーとか最早肉食獣やんけ!」

「他にはミドルサイズだとサーバルとかカラカル、マヌルネコなんかも居るよ」

「けも◯れで見た」「確かにモフモフだけど威圧感が凄い……目が怖いって言うか。あ、そのネコちゃんは小ちゃくて抱きしめたいっ」

「フー!」

「うわメッチャ凶暴!」「狩人の目をしてるよ!」

「そりゃあスナネコは世界一凶暴な砂地の狩人だからね。好物は毒蛇ツノクサリヘビで頭からガブリよ」

「血生臭い学園祭は勘弁してよ……」「てか、この子ら大人しくして貰って触れ合いコーナーにした方が、ウカノ君簡単に人気投票一位になれるのでは……?」

「ああん? 僕は園芸部やぞ。動物園部ちゃうねん。さっ、みんなっ、今日は警備の方頑張ってくれよなっ。場所は各々指示した通り人通りの多い所からひと目の付かない場所だっ。報酬は僕の手作りつくね鍋っ。下心に満ちたナンパ野郎は見つけ次第息の根止めろ!」

「「「グオオンンッッ!!!」」」

「指示が物騒だよっ!」「ほ、本人らの意思もあるから、ホントに嫌がってる子限定でね? 噛みつかないで威嚇する程度にしてよっ」

「生温いなぁ……まぁいい。というわけだよ皆。では! さん!」


ババッ! ネコちゃん集団は素早くその場を散った。


「忍者みてぇだな……現場ならぬ忍者ネコか」「果たしてこの学園祭は無事に終わるんだろうか……」


モブガールズへの業務連絡は終わった。

ようやく、今からわらびちゃん(カヌレ)とのデートである。


「いい思い出作ろうね? (はぁと)」

「もうお腹一杯なんだけど……」



パンフレットを眺めながら回る学園祭。

めぼしい所は……


大正浪漫喫茶、異世界カフェ、魔界カフェ、大食い早食い研究部のわんこそば大会、漫画アニメ研究部の自主制作アニメ、オカ研の公開降霊術、ゲーム同好会のeスポーツ大会……


「うーん迷うなぁ、食べ物系多いなぁ、どこから冷やかしに行こうかなぁ」

「嫌がらせはダメですからね……?」

「どこが一番君を羞恥で悶えさせられるか……それが重要だ」

「真剣な顔でなんて目的を明らかに……変な事はしませんからっ」

「やるとしても学園祭レベルだよ。ただ君がやれば『18禁レベル』になるだけで」

「何させるつもり!?」

「コラコラ、カヌレ成分が出てるからあまり声を荒げないで。君は今わらびちゃんなんだから。あ、でもそっち(快活な方の仮面の人格を真似てる)なんだね」

「……なんの話です」

「こっちの話。さぁて、どう料理してくれようか? (舌舐めずり)」

「ッ……何をさせるつもりですか……」

「くくっ、しおらしいね。まぁ、バレても『君が妹の格好でデートしてる』って周りに変な目で見られるだけで僕的には問題ないわけだが」

「お、鬼ィ……」

「ふむ。最初はご飯系より文化系かな。この自主制作アニメだかを見に行こうよ」

「ま、まぁ、それなら変な事もやらされませんよね……?」

「『次回作の参考にこのエッチなコスプレして下さい!』とか言われなきゃね」

「安心出来る場所が一つも無い気が……」


僕らがアニマン(アニメ漫画)研の部室に入った頃には丁度上映前。

中はカーテンは締め切られていて薄暗い。

壁際に垂れている白いスクリーンに、(手前の机に置いてある)家庭用プロジェクターで作品を映すのだろう。

客入りはそこそこ。

僕らは空いてるパイプ椅子に座る。

同時に、上映が始まった。


………………

…………

……


上映終了。

部屋が明るくなり、眩しさで目がチカッとなる。

「よろしければ感想などアンケートにご協力下さーい」



僕らはアニマン研の部室を出て、近くの大正浪漫喫茶に足を運んだ。

案内された席に座り、一息。


「ふぅぅ(伸びー)……はぁ。四五分の作品だったけど、パイプ椅子ってのは体がコるね」

「私は少し眠い……ですかね。ふぁあ……」

「保健室行く?」

「一緒のベッドで寝るとか言いそうだからやめときます」

「いらっしゃいませー。ご注文お決まりでしたかー?」

「んー、わらび餅と黒豆茶ー。カ……わらびちゃんは?」

「……コーヒーでお願い、します」

「かしこまりー」

「……(ジー)可愛い袴姿だね。信玄餅の袋みたい」

「あまりジロジロ見ないで……というかどういう例え? わらび餅繋がり?」

「そういや無意識にわらび餅頼んでたな、これが擦り込みか。てか今は周りにウチの学生少ないから口調戻して良いよ」

「……はぁ。なら、お言葉に甘えて」

「話戻すけど、あのくらいのコスなら出来そう?」

「出来るって言ったらこの場でさせられそうだから『学校じゃ』無理」

「家で二人きりならって事ね、ムッツリめ。でもこういう特別なイベント中だからこそ気兼ねなくコス出来るって空気無い?」

「分からないでもないけど……てか今の私もある意味『コス中』だろ」

「それもそうか。あー、この周りの目がある場で卑猥なコスをして顔を赤くする君が見たいなー」

「そんなオープンなコスプレを学園祭で認めるわけが無いだろ……来年開催出来なくなるよ」

「僕は今が楽しければ良いからなぁ」

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