【音声記録?年?月?日】
ジジジ…… プツッ
キャーキャー ワーワー
『おー、追いかけっこしてた。クソガキどもー、ここは危険なもん一杯あるから走んなー、って、聞いてないか。はぁ……三人、ホント仲良いねぇ』
『年も近いですしね。というか、ウチの姉妹、ウカノ君以外の子にはてんで心を開きませんよ』
『流石マイサン、女を虜にしちゃう天性の色男。将来、双子ちゃんがモテモテなウー君にやきもきする姿が目に浮かぶよ』
『将来、ですか。果たしてそれは〈何年後〉になるのでしょうね』
『やっぱり、不満?』
『勿論です。子が悲しむのが目に見えてますので。悲しむだけならまだいいですが、歪んで育つ、なんて事もあり得ます』
『でも、コレは〈必要な期間〉だよ。ウチの子にも、双子ちゃんにもね』
『……どうにかならないのですか。貴方は〈精霊王〉でしょう』
『だからこそだよー。セレちゃんはそこそこだけど、ウー君は私の力を多く〈受け継ぎ過ぎ〉てる。私を超える〈愛〉の総量だ。私ですら既に抑えられないほどのね。知っての通り、世界を活かすも殺すも自由な〈神の力〉。だから、今のままじゃ危険なんだよ、君のツインズは』
『だから、ウカノ君が落ち着くまで……と』
『そ。なぁに、あの子の事だ、すぐに力をモノにするだろう。本当に、短い、暫しの〈別れ〉さ』
『ケアをする身にもなって下さい』
『考えようによっちゃ、〈会えない時間の分だけ愛が深まる〉ってね。思えば、夜の女王たる君の娘だ、同じく〈愛を糧に生きる〉物同士、コレぐらいの試練には耐えて貰わないと』
『普通に平穏に育って欲しいんですがね』
『オスを求める本能がそれを許すかい? 寧ろ、ウチの子の側に立ちたいんなら生半可な愛じゃ思い出してすら貰えないよ。是非、ねっとり重い愛を育んで欲しいところだ』
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多くのPV、反応、ありがとうございます。
おかげさまで一部終了です。
今後は更新が少し遅れたりする事もあると思いますが、気長にお付き合いいただけたら幸いです。




