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「君は『一度キスしたらエッチなスイッチ入る』淫乱って覚えとくよ」
「ふ、普通だから! 大抵のカップルはそうだからっ」
「世の中はスケベで溢れてるんだなぁ。なのに昨今の出生率の低下……のっぴきならない話だ」
「そんな政治的な話はしてないのに……て、てか、冷静な君のその態度がなんかムカつくっ。慣れてる感じだけど、け、経験豊富だったり……?」
「キスが上手い感じなのは僕が天才だからだよ。ま、経験豊富なのも確かさ。なんてったってママンとセレスという二人の女としまくったからねっ」
「む、昔の話でしょっ、家族はノーカン!」
「嫉妬見苦しいぞ。ま、エッチなんてのは二人で上達していけばいい話だ。さ、お後がよろしいようで、改めて朝食を」
ギュッ
「ん?」
味噌汁を再加熱しようと伸ばした僕の手を掴むアンドナ。
……うーん。
「今日休みだよ? 『三連休』初日の朝だよ? 『する』時間なんていくらでもあるのに」
「……雰囲気とか、タイミングとか、勢いとか」
そう何度も都合良くこの『ピンクな空気』は訪れないと思ってるらしい。
ヘタレめ。
「仕方ないなぁ。でも立ったままは疲れるからこっちで」
「ん……」
僕は手を引き、布団まで誘導。
素直に彼女は付いてくる。
グデーと、仰向けに布団に倒れ込むと 「わわっ」「おうふっ」 ドテンッ 引っ張られた彼女が僕に覆い被さる。
「ふぅ……あー、なんか二度寝したくなってきた」
「だ、ダメっ、集中してっ」
「寝てても僕は天才だからオートで君を気持ちよく出来るよ」
「気持ちの問題なのっ」
面倒臭い彼女みたいな事言いやがって。
こんな事前にも思ったりしたけどいつの話だったか。
僕は両手を広げ、
「さ、どうぞ」
「んっ!」
アンドナはニコリと笑い、
「んまっ、んまっ、んーまっ」
キスの嵐を降らせる。
「やー、顔中にしないでくすぐったい。アメリカのドラマの家庭かよ」
「んーまっ」
変なテンションなアンドナ。
サキュバススイッチが入っちゃったようだ。
「んふ。こーしてると、君との昨晩の時間は夢じゃなかったんだなって安心するよ」
「淫夢を見せるのが本業の悪魔が何言ってだ。ホントはこれも夢なんじゃない?」
「や、そんなのやーだ」
忘れないで夢を、溢さないで涙。
「はぁ、あついあつい」
シュルル……
彼女がエプロンを外すと ブルン エプロン越しでもハッキリ存在感を示していたTシャツオッパイが軽快に揺れた。
……軽快過ぎるな?
「まさかのノーブラかい。期待しまくり(戦闘準備万端)だろ」
「ち、違うもん……着けるの忘れただけだもん……」
「よぉし、なら『乳首当てゲーム』しようか」
「なんで!? ……んっ!」
ピトリ 両手のひと差し指をアンドナの両耳に添える僕。
彼女はくすぐったそうにピクリとなって、
「な、なに?」
「有名な話だけど、耳から真っ直ぐ下に降りてった場所が、らしいよ」
ススス…… ピトリ
心臓付近で一時停止。
「な、なんで止めたの……?」
「ガッカリしたような目で見るなよ」
ドクンッ ドクンッ
彼女の鼓動が指越しに伝わる。
不安か、恐怖か、期待か……恐らく全部だ。
ススス…… 移動を再開。
前屈みな彼女のおっぱいは、重力に従って、まるで巨大な果実のようにぶら下がっていた。
「はぁっ、はぁっ……だ、ダメっ……当てられちゃうっ」
「ムッ」
ピトッ
「ま、また止めて……」
「君さぁ。そんな『バレバレ』だとゲームにならないだろぉ?」
「えっ……(チラッ)ッ! せ、生理現象だからっ」
「プクッと自己主張しちゃって。躰の熱さから血の巡りが良いのは分かるけど」
「ぅぅー……こーなりゃヤケじゃ!」
ガバッと躰を密着させてくるアンドナ。
焦らしプレイは好みではないらしい。
「はぁ……んっ……はぁ(スリスリ)」
彼女は僕に躰をこすり付けて艶かしい声を漏らす。
「こらっ、人の体使って気持ち良くなるなっ」
「だってっ……君に一杯触って欲しいのにっ……触ってくれないからっ……」
「ぶっちゃけたドスケベめ。普段もそうやってオープンに気持ちを漏らしてよ」
「今だけっなのっ……後で恥ずかしくて死にたくなるだろうけど今は躰が熱いから気にならないのっ……!」
「はぁ。そりゃあ僕も君の良く育った果実を鷲掴みして収穫したいとこだけど、そこは色々『センシティブ』なんだよ。……ま、でも、ここくらいならいいかな? (クリッ)」
「んあっ!?」
ビクンッ!
吊り上げられた魚のように跳ねるアンドナ。
「な、なにしたのぉ?」
「ほら、お腹に集中しろ」
クリクリッと、汗で湿った『おへそ』やその周りをカリカリと小指で弄る。
「そ、そこだめっ、せ、切なくなっちゃうっ……ンムッ!」
甘い声を誤魔化すように、僕の唇で口を塞ぐアンドナ。
「れるっ……んちゅ……ぷはっ……んっ……き、君に触れる度にっ……気持ち良いのっ……あとっ……君の唾液がっ……花の蜜みたいに美味しくってっ……クセに……なっちゃうっ……!」
「良いグルメレビューだ」
「好きっ……? ウカノ君私の事好きっ……? 愛してるっ……?」
「そうだなぁ。月が綺麗ですね」
「朝なのにっ……あっ……恥ずかしいんだねっ……可愛いっ……!」
チュッチュ チュッチュ
「はぁ……んふふっ……以前母さんに『夢魔の本質』を聞かされた事があったけどっ……今までピンと来なかったんだっ……寧ろ異性の前で乱れるだなんて嫌悪感しかなくってっ……ああでもっ……止め処なく溢れるこの『思い』こそっ……混じりっ気なしの『愛』なんだねっ……!」
「愛と呼ぶにはドロリと情欲にまみれてるけどね」
「ふふっ……君だけに向けるっ……ふしだらな愛だよっ……!」
彼女の愛はヒートアップするばかり。
「ね? ね? 『しよ』? このまましちゃお?」
「いいよ」
この先はセンシティブ不可避だけれど、過程を飛ばして朝チュン(二回目)で誤魔化せばいいかと、彼女が自らのパンツ(ピンク)に手を掛けたのを眺めて




