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225 サキュバスとコスプレイ ※R15?

のんびりする為、サキュバスのアンドナと一泊二日の旅行を計画し、船に乗った僕達。

しかしその船が嵐に遭い、僕らは謎の島に漂着、近くの洋館に保護して貰う。

なにわともあれ、ひと心地ついた僕達は、性欲に従って部屋でイチャつき始めて……



「巫女さんとメイド(コスの二人が)が絡んでる和洋な光景……是非とも旅の思い出に動画で残したいね」

「スマホへし折るよ……どうせすぐ脱がす癖に」

「そんな無粋な真似するかい。お互い『半脱ぎ』な」

「そんな拘り知らない……」


巫女装束の着物の合わせ目に、スルリと手を伸ばし、服の中……アンドナの素肌に触れると、ピクリ、くすぐったそうに身体を震わせる。

手の平に感じる、人肌より少し高めな彼女の体温。

コスプレイは初めてだが、きっと僕らなら上手くヤれるっ。

ヒト様から借りた服だけどなっ。



プルルルル!



と。

部屋備え付けの電話が鳴る。


「はぁ」 と諦めのため息を吐くアンドナ。


「モミモミっ」

「えっ!? んゃっ、で、電話に出ないとっ……!」

「スルーしとけ」

「し、失礼だからぁっ」


僕に攻められつつアンドナは電話に手を伸ばし、ガチャリと受話器を取る。


「は、はい……(ハァ、ハァ)」

『…………お寛ぎの所失礼します。夕食のご用意が出来ましたので、一階食堂の方へお越し下さい』

「わ、わかりま……んっ! し、した……(ガチャ)はぁ…………絶対、変な事してると思われた……もうっ!」

「実際してるしな」


電話終わりと同時に悪戯をやめる僕。


「どうせカップルってバレてるよ。にしても、『あんな事があった』のに、普通に食事出すんだね。まぁそんなもんか。君は食欲、ない?」

「別に……普通」

「だよねー。僕もー。じゃ、下行こっかっ」


ザッザッザッ(ドラ〇エの階段を降りるSE)



「どもー」

「こ、こんにちわ」


洋館にある広い食堂には、いかにもな長いダイニングテーブルがあって。

で、そこには既に、ポツポツと何名か席に座っていた。

えーっと……名前は忘れた。

昼食の時に顔合わせは済んでて自己紹介もしたんだけどね。


「お待ちしておりました」


そう言って、一人の少女が僕らの前に来て、ペコリと頭を下げた。

その姿はミニスカメイド。

屋敷で働くメイドのメイさんだ。

この人の名前は覚えやすい。

ビシッとしたその所作は、昨日会ったかねこりの館の女将、セポネさんを思い出させる。

昨日会ったから覚えてるけど、一昨日なら忘れてた。


僕とアンドナは、近くの空いてる席に腰を下ろす。


「和食と洋食、どちらがよろしいですか?」

「わー」

「洋食でお願いします」

「かしこまりました」


メイさんは再び頭を下げ、キッチンの方へ消えていった。


「いやー、漂流者ドリフターズにこれだけの高待遇。家主は出来た人だね」

「だね。後でまたお礼言わないと」


「礼には及ばんよ」


お?

噂をすれば、だ。


「やぁロリ巫女ちゃん」

「呼び方っ。ご、ごめんね豆ちゃんっ」

「ほっほっほっ、構わん構わん」


現れたのは、一人の幼女。

巫女装束の幼女。

土井 豆(どい まめ)ちゃん。

可愛い名前と女の子はすぐに覚えられるんだけどなぁ。


「主らの服はじきに乾く。それまでその服で我慢してくれ」

「別に僕はこのままでもいいけどねっ。ねぇアンドナ?」

「いや、悪いけど服乾いたんなら着替えるから。てかウカノ君も、メイドカチューシャまで付けてキメる必要あった?」

「あるでしょ。ねぇ豆ちゃん」

「うむ」

「同じ人種なんだなぁ」


船から海に投げ出された僕達。

当然、びしょ濡れになるわけで。

島に着いた僕達は、港からでも見えたこの洋館を目指した。

そうして、館に辿り着くと、対応してくれたのが彼女、豆ちゃん。

タオルを借り、「これしか無くて済まんの」と、替えの服で渡されたのが……このメイド服と巫女装束、というわけだ。


僕のメイド服はメイさんのスペアだろうからサイズ的にも着られたが、アンドナの巫女装束は豆ちゃんの、では無いだろう。

誰のか知らんが大人用のやつだ。


「豆様」

「おー、メイ。一人でやらせて済まなんだな」


偉そうな幼女だが、実際その通りらしく。

なんでも、豆ちゃんの家がこの島と屋敷の所有者で?

メイさんは昔から土井家に仕えている家系の子で?

そんなわけで、そういうわけらしい。


「お二人とも、お食事をお持ちしました。それでは、ごゆっくり」


ダンッ!


不意に、テーブルが揺れる。

他の客だ。

スーツの二十代くらいの男。

そいつが、テーブルに拳を振り下ろした音。


「何がごゆっくりだ! この状況を理解してるのか!」

「落ち着いて下さいませ野々宮様」

「落ち着いてられるか! 父が殺されたんだぞ!」


えーっと、誰だっけ?

今回は登場人物が多いから覚えてられないな……。

スッ

と、隣に座るアンドナがスマホの画面を見せて来る。

どうやら、登場人物のプロフをメモってくれていたよう。

出来る女だ、助かるなぁ。

えーっと、なになに? 資産家の息子さん? あー……確かそんな感じだったかも。


『父が殺された』


そう。

彼が言ったように、ここでは殺人事件が起きていた。

まだ自殺や事故の線も捨てきれないが……とりあえず殺人という前提で話が進んでいる。

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