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166 会長とロリ巨乳 ※R15


カヌレとの入浴タイム。


お風呂にまつわる怖い話をしようとしたら、やだやだと駄々をこねられた。

今日(の巨大モルモットことラクタ)みたいなUMA関係の仕事だけじゃなく、ホラー系の仕事をする事もあるだろうに。


昨日の、学園祭ホラー回の時の彼女は冷静だった。

ひゃあ! とか可愛い声も漏らさなかったし。

仕事モードになれば恐怖心も消えるのかな?

今日一緒にホラゲーした妹のわらびちゃんは、全然ビビってなかったけど。


「あ、姉妹といえばさぁ」

「姉妹の話題一切してなかったのに……」

「今日君の部屋に入ったんだけど、今の部屋同様、随分と質素だったね」

「姉妹関係無いし……まぁ、必要な物をこっちに持って来たとはいえ、元からあんなものだったから」

「寝て勉強するだけの部屋か。慎ましい実家暮らしをしてたんだね。お嬢様らしく、壁を金銀宝石まみれにして煌びやかにするとかさぁ」

「落ち着かないでしょそんな部屋。お金持ちに対する偏見が過ぎる……。第一、君もお坊ちゃんなのにこんな安アパートにいるだろ?」

「僕のフィールドは森だから住む場所なんて適当でいいんだよ。って、話が脱線したな、話を戻そう」

「結局姉妹の入りはなんだったの……?」

「君の部屋でアルバムを見つけたんよ」


チャプチャプ……


(座椅子にしてる)カヌレのリアクションは、特に無い。

予測はしていたのだろう。


「そうなんだ。もう。入っていいとは言ったけど、人のプライベートまで覗いて」

「そりゃあ当然見るでしょ。可愛い仲良し姉妹が写ってたよ。なんで今はギスってるのかねー」

「……別に、家に帰った時は話したし。学校も住む場所も違うから、会話が無いだけだよ」

「うちのセレスなんて呼ばなくてもこっちに来るのに。ああ、そうそう。僕らも写ってたね」


チャプンッ チャププ……


「まぁ、母親同士仲が良いから、そういう写真も必然的に出るもんだよ」

「ふぅん。僕ら、既に昔に会ってたんだね。どころか、仲良さそうに遊んでた」

「忘れてたんだ。私は覚えてたのに」


少し拗ねたように グイッ 僕のお腹に手を回して抱き寄せるカヌレ。

ぬいぐるみ扱いに近い。


「子供の頃の記憶なんて曖昧なもの……とはいうけど、そこなんだよねぇ。僕ともあろう者が、この背中に感じるおっぱいの感触を忘れるなんて(フヨフヨ)」

「当時は大きくないから……背中動かしてフヨフヨしない」

「不思議な事に、君ら姉妹の記憶だけがポッカリ抜けてるんだ。こんな事あるんかね?」

「まぁ……実際そうなってるんだから、あるんじゃない? ……因みに、セレスちゃんは私達の事、覚えてたよ」

「ふぅん。僕だけかぁ。腑に落ちないなぁ……でも、腑に落ちる部分もあるよ」

「なに?」

「君が最初から好感度MAXだったのは、当時から想い続けてくれてたからなんだねっ」

「……そうやって自惚られるのもムカっとするなぁ」


姉妹を忘れるとか、なんて無駄な時間を過ごしてたんだ僕は(三井寿)。

それに関しては僕の落ち度でいい。

しかし、だ。


「君からのコンタクト、少し遅いんじゃない?」

「っ……それは……」

「春に僕とセレスが高校に来た時点ですぐに接触出来たよね? なのに、いま夏よ?」

「それは……まぁ、遅かったのは自覚してるけど……」

「その所為で、僕が数ヶ月間、女っ気のない灰色の学生生活を送る羽目になったんだが?」

「のんびりと中庭の主してたように見えたけど……」

「女の子受けを意識して植物とかお花まみれにしたんだが?」

「意識してたんだ……。まぁ、君が意図せず神秘的な空気纏ってた所為で、余計近寄り難かったみたいだけどね」

「それもこれも全て、最終的に、君を釣る為だったんよ」

「……甘い罠で餌を誘う。食虫植物の異名は伊達じゃないね」


前にも誰かに言われた気がするな。

好きなあだ名だけど。


「ま、結局、中庭に来たのはセレスとモブガールズくらいか。セレスは兎も角、あの二人は僕にとっちゃ都合が良かった。カヌレと話してるのを何度か見てたから、カヌレとお近付きになるのに二人と懇意にしない手は無いってね」

「打算的な……まぁ、私も『人の事言えない』けど……」

「策士と言ってくれ。二人のファーストコンタクトは、『庭の野菜とか果物食べさせてー』だった。自分らのお弁当と交換だってんで応じたよ。意外だったのは、彼女らが野菜や果物の健康効能を既に知ってた事だけど」

「あー……」


カヌレが僕の後ろでポリポリとホッペをかいて、


「……その噂を流したの、私なんだ」

「噂?」

「君の育ててる作物の効能をだよ。流したのが私とバレないように、それとなく、ね」

「うーん、何目的で?」

「……噂を流せば、好き者なあの二人はすぐに君の所に行くだろうからね。そうすれば……」

「『私もウカノ君に絡みに行きやすい』、と」


返答が無いのは、つまりは肯定なのだろう。


「打算的だなぁ」

「き、君が言うなっ」

「もっと可愛らしいモーション掛けられないのかい? 偶然を装って校舎の曲がり角でぶつかったりとか、冤罪かけて理不尽な理由で生徒会室に呼び出したりとか、会長権限でイベントの時に同じチームにしたりとか」

「…………まぁ、似たような事を考え無かったわけじゃないけど」

「けど?」

「……常にセレスちゃんが目を光らせてるような気がして、実行は出来なかった」

「あー」


なんであの面倒くさがりが、忙しそうな生徒会に入ったか、理由が分かった気がする


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