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159 学園カースト最上位の美人生徒会長がボッチな僕に興味津々!?

カヌレは自身をサキュバスと打ち明けたが、友人であるモア(モブガールA)ちゃんは未だ懐疑的。

そんなカヌレは今はトイレ。



「でも考えたら、サキュバスっぽい子がサキュバスと判明しただけじゃない?」

「ポジティブ過ぎる考え方だけど……言われてみればそれもそうか」

「そんな皆に慕われるサキュバスに慕われて好き放題出来る僕……学園カースト最上位の美人生徒会長がボッチな僕に興味津々!?」

「なんだその有りそうなラノベタイトルは……主人公が地味だとは言ってないのが悪質だな……」

「周りに嫌われてもカースト上位陣には認められているダークナイト的な僕……」

「自称されるとウザいな……理解者なんて妹のカヌレちゃんだけでしょ」

「ああいうのって何が良いんだろうね? 普通カースト上位に興味持たれたら平和だった日常が崩れるだろうに」

「今の自分全否定か……知らんけど、主人公は退屈な日常を崩したかったんじゃないかな。それに、カースト上位に認められたら、自分も凄い奴と思えるようになるんじゃない? 知らんけど」

「読者はそんな主人公を見て楽しんだりするんだ?」

「知らんけど……まぁ、普通は主人公に感情移入するんじゃない? 知らんけど」

「僕はギャルゲーとかする時自己投影はしないからなぁ……でも、今の僕はそれこそラノベ主人公な境遇だ。文章にしてネットに上げたらみんなに感情移入して貰えるかな?」

「君の言動は理解不能過ぎてそれは難しいんじゃないかな……」

「少なくともカヌレとの営みを文章にしたら学園の男子は喜んでくれると思うぜ? あ、女子も欲しがるかな?」

「絶対にやめい」

「相手する男がイケメンとか美少年だと興奮しないってやつ?」

「女の子向けの漫画とか乙女ゲーだとそんな事も……と、兎に角やめい」


カヌレのエッチな写真とかイラストを付けるのは僕も嫌だけど、文章ぐらいなら男子におこぼれを恵んでやろうと思ったのに。

カヌレの友人がそう言うなら従おう。


「やっぱり、女の子は刺激的な男を求めてんだね」

「どういう会話の流れからそんな結論に……ブートジョロキア的な刺激を通り越して最早君は即死級の劇薬だよ」

「しかし今なら分かるだろう? 姉妹が選んだ僕の魅力が……!」

「……まぁ、普通の男相手じゃ釣り合わないってのは分かるけどさ……今度は君がカヌレの手には余るよ……」

「僕は縛られない存在だからね。でもメリットは多いぜ? 僕と付き合うと、特典でキラキラのどんぐりが貰えるんだ」

「トト◯とか伊◯助じゃねぇんだから……おままごとか」

「むっ、考えたら僕らの学園、サキュバスに支配されてんだな。僕らは奴のおままごとのキャラなのかもしれない」

「恋人を奴呼ばわりすな。今の所被害無いし……考えたらもっとやばいのが蔓延ってるし。そうだよ、君を見れば、サキュバスなんてファンタジーでも無い気がしてくるぜ」

「何で僕?」

「無自覚なんだろうなぁ……」


馬鹿にされてる気がするぞ?


「君こそファンタジーだよ? 従うアニマル達や不思議な植物、大暴れした学園祭……君の周りだけが非現実的だ」

「そうけ? ファンタジーってのはもっとこう、魔法みたいなもんだろ? 僕やセレスが動物に好かれるのは体質だし、不思議な植物なんてのも世界にはありふれてる」

「そうかなぁ……」

「科学で説明つけられるような現実的な範疇さ。僕らは生まれながらにして、他の人の可能性や努力の延長線上の先にいる天才ってだけよ。みんなも頑張れば僕らみたいになれる筈だ」

「それは最早『理論値』みたいなもんだよ……再現出来る人が他に生まれる確率なんて天文学的数字だろうさ」

「そうかなぁ。僕が生まれたとこには『僕みたいな』人で溢れてたぜ? 大体がママンのお仲間でね。兄妹共々可愛がって貰ったよ」

「やっぱりファンタジーの世界住人じゃないか……」

「あ、再現可能とは言ったけど、容姿は別よ? 他の人がこのイケメンさで生まれる確率は限りなくゼロに近いから。ごめんね」

「やかましいっ」


期待させて申し訳ない……。


「ま、まぁ君のファンタジーは今はいいや。カヌレの話だよカヌレの。再確認するけど、君は『この事』を知らなかったんだよね」

「サキュバスだったって事? うむ。それどころか、僕がカヌレと知り合ったのはこの学園で、だぜ?」

「え? でも……」

「ああ、分かってるよ。色々と矛盾するのはさ」


過去編カヌレの言動との矛盾。


「君の話だと、カヌレは『前から僕とは知り合い』と言っていたんだろう? いや、知り合い以上の感情を抱えていたんだったね」

「随分、他人事のように言うじゃん」

「記憶になけりゃあそれは他人と同じさ」

「無いんだ……もしカヌレの方が嘘ついてんなら、相当ヤベー女って事になるじゃん」

「ギャップ萌えってやつか」

「君と違って普通に笑えないやつだよ……」


重い女は好きだけどなぁ……体も愛も。

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