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150 会長とルイボスティー


「たーいまー」

「ふぅ……」


僕、いや、僕らの部屋に帰宅。

なんやかんやで、モーニングから忙しい一日だったな。


「ここに戻ると気が抜けて、一気に疲れが襲ってくるね……」

「僕の方が疲れたんだが?」

「別に競ってないよ……」


帰ったら、部屋は薄暗。

アンドナが部屋で寝てる可能性もあったが、靴が無いのでその可能性は消えた。

いや、土足とか裸足で部屋に上がってる可能性もある。

ワイルドだな?


アンドナが居たら居たで、カヌレへの説明楽だったが、今回はいいや。

リビングまで行き、テーブルの前で腰を下ろす僕達。


「全く、今日は明日の分の持ちターン使う程忙しかったぜ。だから明日はガッコー休もうそうしよう」

「そのいきなり湧いて出たターン制の概念は認めないよ、引っ張ってでも連れてくからね」

「君らは学園祭の片付けとかあるんでしょー? 大変だねー」

「他人事みたいに……君はどうせ、神楽で使ったあのグラウンドのステージとかノータッチなんだろ?」

「ママンが勝手に設置したヤツだからねぇ、なんなら既に片付けてると思うぜ? けど、屋上に作った恋愛神社は僕の意思だからなぁ……取り敢えず暫くは放置しとくぜ。僕らが居ない時は参拝してよし、って事で。石段もあのままかな」

「だから学校の設備を私物化し過ぎだって……せめてあの祠の中の呪物(髪の毛)は片付けなよ? 変なの引き寄せそうだから」

「来るのが妖精さんなら大歓迎だけどねー」


まぁホントに妖精さんが来るんだが、それはまだ先の話として、


「(キュルル……)あ、気が抜けたらお腹減ったー。ピザでも取るー?」

「……夕飯に食べる予定のものとかあったんじゃない?」

「朝食えば良いっしょ(またアンドナが怒りそうだけど)。なんならピザ食べた後でも腹に入るし」

「……じゃあ、好きなの頼めば?」

「うぃー。なんかCMでやってたメッチャ辛そうなヤツ気になってたんだよねー、青唐辛子まみれの。アレにしよーっと」

「せめて私が食べられるのも頼んでね?」


近くにあるピザ屋の公式アプリで注文。

アンドナと出会う前、セレスがウチに来た時によく注文してたから慣れたもの。

んー、パパついでに唐揚げとかポテトもポチっちゃうぞ。

ドリンクは……冷蔵庫にあるからいっか。


「ふぅ、注文終わりっと。てかこの、注文を終えた途端食べる気が失せる現象なんなんだろな?」

「いや、その概念知らない……楽しみにしてた旅行当日に行く気がなくなる的な? なら解らないでもないけど」

「かなぁ。で、いつ旅行行く? どこ行く?」

「この流れで計画決めようとするのか……」

「つまり、計画だけ話し合って旅行に行かなければいつまでもウキウキしていられるのでは?」

「ええ……そうやって行きたい場所の想像力を膨らませるのはありだと思うけど、全く行かないってのもね」

「あっ、君にはデート(相手と)先をアプリで決めるって話をまだしてなかったね。まぁ後でいいか」

「何か不穏だな……」


で、ピザか。

いつも通りなら、頼んだモノは早くて十五から二十分くらいで来るだろう。

配達員も、いつも通りならアンパ◯マンみたいな顔のおっちゃん。

いつも通り(ルーチン)、という安心感。

それを乱される事は、ストレスとなる。


「因みに、カヌレはフードデリバリー系サービス、使った事ある?」

「え、なに急に。ウー◯ーとか? や、無い、かな」

「僕も使った事は無いんだよね。今でこそ食べ物デリバリー系サービスが増えたけど、君が使わない理由は?」

「んー……そもそも出前を取る習慣自体が無いから使う発想が、ね。配達員の人と顔合わせたくもないし、家の場所も知られたくないし」

「まぁ女の子はそう感じるだろうね。特に、カヌレみたいな元芸能人の美少女なんかは。例え、返り討ちに出来ると分かってる相手でもね」

「……まぁ、女性の配達員も居るんだろうけどさ。というか、こういうサービスって配達料とか掛かって割高なんでしょ? 今頼んだビザだって、直接取りに行ったらどれだけ安くなったか」

「身も蓋もないけど、お嬢様がなにをケチくせー事を……割引クーポンとかよく配布されるから、そうでもないらしいぜ?」

「お金持ちほどケチくさいと言うじゃないか。私だったら同じ値段払うならお店で温かい出来立てを食べるよ。行くのが面倒くさくても」

「まぁ僕もカヌレと同じ理由で割高が嫌だから店の配達サービスしか利用しないけど」

「この会話なんだったの……」

「まぁ店の配達でも割高になる場合があるけどね。それでも、デリバリーサービスに割増な金払って寿司だのラーメンがぐちゃぐちゃなの持ってこられると目も当てられないだろ? その点、店の配達ならクレーム言えるしなんならプラスでサービスして貰えるかも」

「当然の権利ではあるけど、性格悪いなぁ……」


おもむろに僕は立ち上がり、一人冷蔵庫へ。

ガチャリと開けた後、


「なんか飲むー?」

「んー、お茶とかでいいよ」

「コーラしかないわ」

「ならなんで聞いたの……じゃあコーラでもいいよ」

「よく見たらコーラじゃなく醤油だったわ。ならこれは関西風の出汁じゃなくルイボスティーかな?」

「なんで自分の部屋なのに把握してないの……」

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