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148 会長とサキュバス

カヌレと動物園デート中な僕。

巨大モルモットことラクタも混じって園内をまわってる途中、映画撮影中のアマンちゃん一行と再会。

漫画原作実写化にありがちなオリジナル展開について熱く議論する。



基本、漫画の(小説は知らないが)実写映画化は原作を越えられない。


なんて、開幕に爆弾を落とすような発言だし、何をもって越えたか越えてないかの議論は置いておくとして……


客寄せなキャスティングありきなので演技力は無視、

原作に無い恋愛要素、

高校生設定なのに成人済みの役者などなど……


原作ファンほど忌避する存在が、実写映画化だ。(少女漫画実写系は良作多いらしいけど)


しかし中には、原作と違った展開になるオリジナルストーリーでも、面白い実写映画はあった。


『面白くなる条件』は分かっている。


役者と原作キャラの年齢差はこの際置いておくとして……


『実力派俳優』+『原作に忠実』+『世界観を壊さないオリジナルストーリー』


……という条件だ。


単純、だが、言うは易し。

原作者が書いたオリストでも駄作になりうるから、難しい問題。


が……こと今回の【ゴスロリ探偵ビッチ】に関しては、実写化失敗の心配はいらない。


「そこはまぁ、ビッチだからね。色んな要素チャンポンしても、どうとでも整合性が取れる。自由度の高い作品って事さ。その後の原作での調整はわらびちゃんの仕事だがなっ」

「ワザとあの子に嫌われようとしてるの……?」

「キャストも、原作ファン代表の僕のお墨付きだ」

「勝手にファン代表名乗るのはいいけど、そのファンが出演するのか……」

「では、今時間があるのであれば今後の撮影の打ち合わせをしましょうカヌレの恋人さん。いっそ、『こちらの世界』に飛び込んでみます?」


唐突な提案。


「スカウトかい?」

「ええ。貴方とはウマが合いそうですわ。容姿も良い、底知れぬモノもある。どうです?」

主役キミを食っちまうぜ?」

「どちらの意味でも構いませんよ。カヌレが辞めて競う相手が居なかったので、貴方は劇薬になります」

「依存性の強い猛毒だぜ?」

「毒の扱いは慣れたものですわよ」

「んーどしよっかなー」

「だ、ダメっ!」

「お?」


割り込んで来たのは、必死な、脳が痺れる声。


「ぬへへ、どしたんだいカヌレ、なにがダメって?」

「ぅぅ……やらかした……」

「なんだい、『僕が取られる』と思って咄嗟に声が出た感じかい? んだよー、そっけないと思ってたけど、本性あらわしたね」

「こうやって調子に乗るのが嫌だったから黙ってたのに……」

「したば、カヌレも恋人役で共演する? 世間には引退したと思わせて、話題作に出る君! そこには男とイチャつく役の君! 凡ゆるファンの脳を破壊……!」

「メインは最後のとこでしょ……出(演し)ないからね?」

「そんなわけでアマンちゃん、彼女が止めたから僕が出るのは今回のみっ。その後は未定だよっ」

「はぁ、振られてしまいましたわね」


唇を尖らせるアマンちゃん。

彼女も本気で言ったわけでは無さそう。


「全く、カヌレのどこに、そこまで引かれたのか」

「強いて言うならエチエチな躰かな」

「答えないでいいから……」

「まぁ極上の躰というのは理解わかりますが……」


アマンちゃんは肩をすくめ、



「わたくし達『淫魔』からすれば、ごくありふれた体型ですのに」



「ん?」

「バッ……!」


今、とても聞き馴染みのある単語が?


「淫魔?」

「ええ。ご存知でしょう」

「ア、アマンっ、ちょっとっ……!」


カヌレはアマンちゃんをグイッと引っ張り、クルリと二人してこちらに背中を向け、コソコソ打ち合わせを始めた。


ボソボソ「え……まだ……なぜ……」

ボソボソ「タイミン……時期……今は……」


会話は聞こえない(聞こうと思えば聞ける)けど、要所要所の単語で大体中身を察せるんだよなぁ。


「はぁ、全く」


と呆れ顔のアマンちゃんはこちらに戻って来て、


「と、まぁわたくし達は淫魔なワケです」

「話し聞いてたか!?」

「言い訳した所で既に手遅れですし、彼氏さんのことです、色々と察してるでしょう?」

「うっ……」

「それに、伝えておいた方が良いでしょう、淫魔と共にいた場合の危険も。最近は淫魔の世もなにかと物騒ですからね。あの藤井テレビの社長が急におかしくなったのも、どこぞの悪い淫魔に唆された痕跡があったらしいですし」

「藤井テレビ……最早懐かしい単語だ。危険、という事に関しては、この子に限っては心配無用とアマンも分かる筈。というか、藤井社長とテレビ局を襲撃したのもこの子だよ……」

「ああ。そう言われると、謎だった部分が全てスッキリしますわね」


「一ついいかな、二人とも」


手を上げる僕に注目する二人。


「既に一人、知り合いにサキュバスがいるんだけど」


「「…………」」


「だから、僕ほどサキュバス受け入れ態勢出来てる理解ある彼君もいないぜ?」

「良かったですわね、カヌレ」

「……うるさい」

「ふむ。色々と話したい事は多いけど、流石に立ち話で済ませるのもね。カヌレ、家で改めて、でいいかい?」


小さく、どこか諦めたように肯くカヌレ。

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