146 会長とエロT
カヌレと動物園デート中の僕。
そんな中、分身系モルモット型UMAことラクタに出会い、男(?)同士のぶつかり合い。
熱いやり取りを繰り広げたが、最後に僕がジャーマンスープレックスをぶち込み、戦いは終わった。
コチョコチョ……ラクタちゃんのお腹をくすぐると、ビクッと震える。
そろそろ起きそうだな。
「伸び代はまだまだあると思うぜ、この子。だからこそ、ラクタちゃんを作ったってゆーその組織、凄いとこなんじゃない? サ◯ヤ人以上の人造人間作ったドクターゲ◯並じゃん」
「例えが古いな…………でも、それは恐らく、誤った認識かもしれない。あのレベルの組織が、ラクタほどの生物を生み出せるとは思えないからね。拾ったか、譲り受けたか、奪ったか……兎に角、出自は別だろう」
「更に裏の存在がいると仄めかすなんて、僕の中の少年の部分が疼くな? 他にも、脱走して回収出来てない子達が居るんだろ? ぜひ同行させて貰おうっ」
「君が関わると一時間で終わる仕事が一日掛かりになりそうだなぁ……あと、前も言ったけど、その裏の存在ってのも大した存在じゃないと思うよ、君基準ならさ」
「他の子もインド神話由来かなぁ? カーリーとかヴィシュヌ、サラスバディなんかも居て……?」
「聞いてないし……」
「……キュ? (パチリ)」
「おっ」
ラクタちゃんが目を覚ましたようだ。
こうなった状況を思い出せないのか、ボーッと空を見つめている。
それからすぐ ハッ となり、バタバタと短い手足動かしている。
忘れられがちだが、今のこの子は軽自動車サイズなので、めり込んだ背中……コンクリの地面から『メギメギッ』と可愛くない破壊音が聞こえた。
今の身体の大きさに慣れないのか、簡単には戻れない様子。
このままだとモガくたびにコンクリ下の土に埋まっていきそう(それを見たくもあるが)なので、
「よいしょ、よいしょ」
「キュ〜……」
メギッ ゴギッ ゴゲッ
ラクタちゃんの片側の手足を掴み、引っ張る。
エグい音が地面から聞こえるが、ラクタちゃん自身は丈夫なので切り傷は一つも出来てないだろう。
ゴロン と、大地に足をつけるラクタちゃん。
「キュ〜……」
「いつまで情けない声漏らしてんだよ、可愛こぶっても優しくしないぞっ」
「それ、ラクタを撫でながら言っても説得力無いな……」
「で、ラクタちゃん、自分の闘い方ってやつを理解出来たかい? コレから君が向かう所は天国であり地獄だけど、僕は手助け出来ないぜ?」
「キュ〜…………キュ?」
「なんだいその顔は。合格したんだよ君は、僕のテストにね」
「審査といいつつ遊んでるようにしか見えなかったけどね……」
「キュッ……! キュッ……!」
「喜ぶのはあの庭で一日でも生き延びてからにしろよ? 会いに行ったら喰われてて会えなかった、とかやめてくれよ?」
「あり得るなぁ……あっ、ウカノくん、【コレ】」
「ん?」
差し出されたのは、ビニール袋。
中には……Tシャツ?
「こりゃあ、ここの名物シロクマ(カインとポール)がプリントされたクソダサ(褒め言葉)Tシャツじゃないか」
「前もって買っておいたんだよ。君がここに来ると電話で聞いてからすぐにね」
「おいおい、まるで新品の服でも構わず水溜りに突っ込んで汚す元気ハツラツな子供扱いじゃないか」
「自分をよく分析出来てるじゃない。ほら、いつまでもそんな格好じゃ居られないだろ?」
言われて、自分の格好を見ると、大分ボロボロな状態で、中々にファンキーモンキーだった、誰が猿やねん。
「別に気にしないけどなぁ。パンクな僕もカッコイーだろ?」
「まぁたまに系統違いな格好を見るのは良いけど……」
「ほら、丁度おっぱいのとこにも穴いてるから、こうやってズラせば乳首が見えるよ? (チラッ)」
「み、見せないでいいからっ」
「そんなわけで僕は平気よ? シャツは折角だから貰うけど」
「君がって言うより、『周りの目』がね……」
「うん?」
周り?
言われて見てみると……一般客の注目を浴びていた。
「んー、いつから?」
「君のラクタ面接の途中辺りからかなぁ……」
「まぁ考えたら一般客も普通に居たしねぇ。動画とか撮られてたら恥ずかしいなぁ」
「その辺は夢先で『処理』するから気にしないでいいよ」
「怖いなぁ」
言いつつ、僕はボロボロのシャツを脱ぐ。
夏なのでコレ一枚なファッションだったから、当然上は裸に。
サッと僕の前に立つカヌレ。
「そんな近くで見たいのかい?」
「か、隠してるんだよっ」
「いつの間に男の裸がセンシティブになったんだぁ?」
「君がセンシティブなんだよ……ほら、早く着てっ」
「なら着ーせーてー」
「家じゃ無いんだから……仕方ないな」
着せて貰った後、脱いだ服は彼女に渡す。
「やっぱダッサイ(ダサかわ)Tシャツだな……いや、ダッサイ方がギャップで僕の可愛さが引き立つか……?」
「いや、普通に似合ってるよ」
「ダサTすら着こなす僕……最強か?」
「はいはい。ほら、終わったらさっさと離れるよ」
「うぃー。ラクタちゃん、運んでー」
「キュ?」
ヨジヨジとラクタちゃんによじ登り、背中にうつ伏せにしがみつく僕。
「進めー」
と指示すると、トコトコ、歩き出した。
途中、カシャカシャとプリチーな僕らをスマホで撮る一般客らがいたけど、これも『処理』されるんだろうなぁ。




