表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

145/369

131 お嬢様とイチャイチャ制限

姉妹の家に行くと、わらびちゃんがゲーム配信をしていたので乱入。

二人でイチャイチャ共同プレイ。

ゲーム配信を終えたあと、次は彼女のお絵描き配信に。

あまり乗り気じゃ無いけど、おだてりゃ描くだろう。



「ほらほら、ちょちょいと描いてよ、プロなんだから簡単でしょ?」

「それ絵描きが一番ムカつくセリフだからね?」

「内容は、僕らが向かい合って手組んでイチャイチャしてるやつでっ」

「コイツ……変な切り抜き動画作られなきゃいいけど」

「これだけ『お布施』が飛び交う生放送が注目されんわけないだろ。明日にはTwi◯terとかpi◯ivに僕らのイラストが溢れてるんだぁ(うっとり)」

「のんびり活動してたんだから目立たせないで……」


いそいそとゲーム機器を片付け、ペンタブなどのお絵描きの準備を始めるわらびちゃん。


それを眺めていると トントン メイドさんが「失礼します」とオヤツを持って来てくれたので、僕が受け取る。

気付けば丁度、オヤツ時、か。


「んー? 『今の声誰(配信のコメント)』だってー? この屋敷のメイドさんだよー。そーそー、モノホンのねー」

「……ちょっと。さらりとヒトのプライベート情報漏らさないでよ。ネットリテラシーって知ってる?」

「君もそんな反応したら裏付けちゃうでしょや。ま、メイドさんなんて一家に一人でしょや?」

「どこの世界線の人……?」

「んー? 『くずもち先生は今どんな格好か』ってー? んーっと、ダボダボ仕様の萌え袖っぽいシャツとーショートパンツとー赤ふちのメガネなー、いかにもな部屋着ー?」

「だから言うなって……」

「おや。考えたら、このくずもちセンセの今のVtuberアバターと同じカッコだな? 部屋着サキュバス仕様」

「……まぁ、自分のダラけた格好がモデルだからね。さて」


お絵描きの準備が済んだらしい。

僕は片手で頭を支えながら脚を伸ばして寝転がり、彼女の仕事を眺める。


スッスッスッ……


当たり前だが、慣れた手付きでスルスルと描き進めるわらびちゃん。

迷いのない手付き。

いくら絵師と言っても、『描き慣れない対象』なら資料見つつ少しずつ描き進めるような印象だけど、そこはプロって事かな。

真剣な目が眼鏡越しに覗ける。

そんな顔もまた良い。


「んー、今更だけど君、目良かったよね? その眼鏡はファッション?」

「ああ……度は入ってないけど、目の疲れを癒す特殊なレンズなんだよ」

「日々疲れてるんだね……現代っ子特有のスマホ疲れってやつだ。それとも僕の輝きに目が眩んだかい?」

「その髪色が光に反射して目がチカチカしてたのは事実かもね……」


『てか、距離感近いな?』『顔見知りって空気だし?』『あっあっあっ』


はたと気付いたように、コメントの空気は僕らの関係性について。


「みんな察しがついてるだろうけど、僕らはリアルでも知り合いだよ。知り合いというか……ふふ」

「だから漏らすなって……あと意味深な事言わない」


『只ならぬ仲か!』『BSS(僕が先に好きだったのに……)』『あっあっあっ(脳が爆発する絵文字)』


「かっかっかっ、純朴少年ら(おっさん)の脳を破壊するのは気持ちいいぞいっ」

「この子は常に敵ばっか作って……いつか背後から刺され……そうになっても返り討ちに出来るから余計厄介だよ」

「モグモグ……断末魔コメントを眺めながら寝転がって食べるオヤツ(メイドさんの持って来た高級っぽい串団子と玄米茶)はうめぇなぁ」

「みんなー、この子のアンチ動画沢山作ってねー」

「はい、君もあーん」

「むぐっ!?」


彼女の背中に抱き付き、みたらし団子を彼女の口に押し込む。

唇の周りにつく照り照りとした甘辛しょうゆタレ。

うーん、エロす。


「(もぐもぐ)……(カキカキ)」

「おー? 口に突っ込まれたのにノーリアクションで絵描き再開かー? プロだねー。ほら、ドロドロしたのがお口を汚してるよ? ぺろぺろして、口の周り舌でぺろぺろして」

「うっさいっ、離れろっ」

「ぐはっ」


ぺいっと引き剥がされた。

彼女もイチャつきたいだろうに、視聴者の手前そんな姿は見せられない、と。


『このぞんざいな扱い……なんだ、精霊の一人相撲かっ。先生に色恋沙汰なんてなかったんやっ』『でも俺もCV水瀬い◯りっぽい先生の声でぞんざいに扱われてぇ……いや、CV井◯由香っぽい男の娘にウザ絡みされるのもそれはそれで……』『で、何を口に突っ込まれたん?』


ぐぬぬ……モブどもが好き勝手言いやがって。

しかし否定の言葉を堪える僕。

本当の関係を隠すプレイ……それはそれでアリだ。

今は勘違いさせとけばいい、真実を知った時の絶望コメントが楽しみだぜっ。


「命拾いしたなぁ、えー? (ぷにぷに)」

「どういう思考の帰結したらヒトのほっぺつつく流れになるの……もうっ、少しは大人しく出来ないのっ(指を払う)」

「ふむ。では絵の方に着目しよう。線画は既に終わってるね? 雑なラフって感じじゃなくてこのままでも出せそうなレベルの。よく分からんけど早い方なんじゃない?」

「ふ、普通だから、これくらい」


『先生ェはよく妖精のイラスト描いてるからなー』


なぬっ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ