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129 お嬢様とコラボ


部屋にいなかった わらびちゃんを探す僕。

今いるであろう場所を考察する。


家の中……やる事はなんだ?

トイレ? お風呂? 食事?

ううむ、トイレ以外は時間的に中途半端だし、何か手掛かりは…………【タブレット】。


ふと、目に入った机の上のタブレット。

こんなとこに置いてどこにいったのやら。

仕事にも使うだろうに。


…………仕事、か。


彼女の副業、休日のこの時間、部屋では出来ない事。

それらを加味すれば、恐らく屋敷には『あの部屋』が……。


僕は部屋を出て、目的地を目指す。


一階か、二階か……メイドさんに訊ければ早いのだが、生憎近くには居ない。

ええい、こんな時こそ鼻頼りだっ。

フンスフンス

ええい、こっちの道を通った気がするぞっ。



フンスフンス…………ここかな?


一つの扉の前に止まる僕。

道中、鼻をすんすんさせながら屋敷内をうろつく僕をメイドさんらは怪訝な目で見ていたが、これで違うってんなら大恥だ、いやもう手遅れかもしれんが。

メイドさんらに部屋の場所を訊かなかったのはもう意地だ。


ピトリ 扉に耳を当てる。

ふむふむ…………中の様子は聞こえないな。

当たり前か、『防音室』なんだから。

鍵は……掛けてないな。

そおっと、中を覗く。


「んー、今期アニメは殆ど見れてないねー。最近忙しいっていうか、連載畳むわけだから色々とねー。えー? 男ー? 私はバーチャルな存在だからそんな人いませーん……わっ、ビックリした。ったく、音とかでビックリさせるホラーは邪道だよねー」



……ふむ。

これは……『VRホラゲー配信』じゃな?


配信者をやってたのは知っていたけど、そういうキャラなのか。

会話の内容からして、漫画家としての配信者みたい。

普段はお絵描き配信でもしてるのかな? 興味は尽きない。


わらびちゃんはまだこちらに気付かない。


VRヘッドセットゴーグルをつけて視覚を塞いでるから、当然ちゃー当然だけど。


今のうちにコッソリ部屋に侵入、中を見渡す。


ギターやピアノなどの各種楽器、音響機材、映画でも見るような巨大スクリーン……


ちょっとした規模の立派なスタジオ、だが……まぁ、これも趣味部屋なんだろうな。

多趣味な人生エンジョイ勢め。

無趣味っぽい姉とは正反対だ。


「操作性クソだわー。昔のホラゲーは敢えてラジコン操作でプレイしにくくして恐怖を煽るってのやってたじゃん? 当時としては斬新で良いんだけど、それはそれとしてゲームの操作性クソだわー。面白さに直結してないのもクソ。もっと他の優良VRゲー参考にしろよってなー」


辛口キャラなわらびちゃん。

僕はそんな彼女の背後に回りつつ、スマホで 作者名 配信 と検索。

すると、今配信してる生放送のページが出てきた。


……おお、凄い登録者数だ。


出した動画も平均五十万再生越えと、普通に大手レベル。

普段ゲーム実況の他に、演奏やお絵描き配信などしているようで、自らがデザインしたサキュバス系Vtuberアバターをヌルヌル動かしているみたい。


で、今やってるのは……『新作VRホラゲー、怖がらずサクサク攻略プレイ』、か。

まぁ確かに、わらびちゃんはホラゲー程度ではビビらなそう。


視聴者も、彼女の可愛らしい声から漏れる辛口コメントとサクサクプレイが好きで見てるんだろうし。


だからこそ……視聴者も聞きたい筈だ。

彼女の悲鳴を。


「あー、これボスかな? ステージギミックを駆使して倒す系の定番なヒャア!?」


ビクンと跳ねるわらびちゃん。

僕が後ろからハグしたからだ。

操作は乱れ、ボスに倒されてしまい、『you dead』と赤い文字が画面に浮かんだ。


狙い通り、コメント欄は騒然。


『くずもち(PN)先生のレアな悲鳴来たっ』『センシティブ……!』『先生もやはりメス!』


『エッチな事してるんだ!』と僕もコメントを打ったがすぐに流れた。


「ちょ、ちょっと待っててねみんなっ」と、マイクをオフにしVRヘッドセットゴーグルを外すわらびちゃん。

クルリとこちらを振り返り、


「……な、なんでいるんですかっ」

「匂いで居場所を突き止めて?」

「み、見つけた手段は訊いてませんっ」

「君、学校は?」

「……う、ウチも休みで……」

「ふぅん。ねーねー僕も生放送に混ぜてよー邪魔しないからさー」

「ぅぅ……この状況が既に……」

「僕だって無名の配信者じゃないぜ? 君とどっこいどっこいだし自分のVtuberアバもあるんだ。こっちの余ってるPCとゴーグル借りるね(カチカチ)」

「ちょ、ひ、人のPCで何をして……」


テキパキと数分で準備完了。

ゲームも僕のアカウントで購入。


そうして……


「はーい皆さーん。この子にエッチな声を出させたのは僕ですよー」

「ちょっ!」


画面上では、わらびちゃんのアバターの隣に僕のVtuberアバターが。

まぁ流石に僕のアバターデータはここにないので、静止画だけれど。

僕のアバターは、見た目は殆ど僕と同じ(アニメ調にしたらこうなるだろうという感じ)。

デザインも、ママンのVtuberアバターと似てるかな。


「初めての方もいると思うんで自己紹介をっ。普段は『植物園グリーンボックス』の広報やら公式チャンネルで色々やってる【ノウカ】ですっ。くずもち先生とはお友達なんですよー、ねっ?」

「……まぁ、そういう事で」

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