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99 会長(?)と闇堕聖女(ダークシスター)

モブガールズにはそれぞれイケメン彼氏(主人公)がいたと判明。

彼女達は彼女達で『別作品のヒロイン』というわけだ。

それはそれとして、目の前でイチャつかれるとイラっと来る。

僕がナンパ野郎どもを追い払う流れだったのに、邪魔もされたし。


「クソが……これじゃあ僕がアイツらのいいダシにされてるみてぇじゃねぇか……はーキレた、クロちゃん、ネコちゃんらに殲滅対象の変更伝えて来て。『イチャつく男女』に変更ってね」


「やめなさい(ベシッ)」


「むー。今まで特に絡んで来なかったのに何するんですかカヌレさんー……あっ、成る程ー、カップルは僕らも対象になるから困る、って事ですねー? わたくし達は気にしないでも良いですよー」

「私達以外を気にしてるんだよ。ほら、拗ねてないで行くよ(グイッ)」

「あー……(ズルズル)」


「なー、なんかムカつかね?」「ヤッちまう? (笑)」


「おっとー、カヌレさーん、少し止まって貰えますー?」

「……なんで?」

「遠くの方から不穏な会話が聞こえましてねー。ううん、この状況にピッタリな子は……そうだー(パチンっ)」


しゅるしゅる プーン


指パッチンの後にすぐに現れたのは……【蛇】と【蜂】。

両者とも、毒々しい紫色をしていてカッコいい。


「……その子達は?」

「【青春蛇リビドースネーク】と【賢者蜂クールビー】だよ。ママンが見つけた新種の子達なんだ」

「名前からしてロクでも無さそうなのが分かるよ……」

「そうでもありませんよー。さ、貴方達、ターゲットは分かってますねー? お願いしまーす」

「しゅるる!」「プーン!」


……数十秒後。

ギヤアアア!!!

……断末魔。


アレ? 断末魔って死ぬ時の叫びだっけ? まぁいいや、似たようなもんだし。

今のは周りにも聞こえてたみたいで、モブガールズがびくっとなってた。


「しゅるるー」「ププーン」

「ふたりともおつかー。はい、わたくし手作りのビーフジャーキーですよー。あっ、てめぇクロッ、横取りしようとすんなっ、おめーは働いてねぇだろっ」

「いつもどこに食べ物隠し持ってるんだ……というか、何させたのその子達に? 流血沙汰、ではないよね?」

「んー? まぁ、血が出たとしても注射の時レベルでしょうねー。この子達は噛んだり刺したりしただけなので外傷『は』少ないですー」

「なら……問題は『毒』、か?」

「ですねー。でも苦しみ悶え死に至る、そんな類いのではないので安心して下さーい。寧ろスッキリしますよー? 全ての『欲から解放』されるんですからー」

「宗教じみた事を……欲から解放……? ……まさかっ」

「察しましたかー? そー。『無欲になる毒』なんですよーこの子達が持ってるのはー」

「そんなゲームのデバフみたいな都合の良いモノを……」


欲と言っても、睡眠欲や食欲など命に関わるものは残る。

消えるのは『性欲』。

今後一切、ムラリとする事は無くなる。

これで、学園祭期間中は大人しくしてるだろう。

因みに、もし他のエリアで同じように迷惑なナンパをしネコちゃんに抑えられるヤツが出た場合、そいつにも同じ毒を注入する予定。


え? その後? 別に解毒はしないけど?


「全くー、称賛される事なく陰ながら活動する……まるでダークヒーローですねー」

「そう呼ばれた方が嬉しいんだろ……?」

「カッコイーですよねーダークヒーロー。今後わたくしの事は闇堕聖女ダークシスターとお呼び下さーい」

「いつまでその格好をしてるつもりかな……?」

「充分この格好は堪能したのでそろそろ着替えようかとー」

「短い活動期間のヒーローだったね……」

「思ったのですがー、わたくし、『動物を操れるだけで本人は大した事ない』と周りに思われてませんかねー」

「従わせられるだけで凄いと思うけど……べ、別に言わせておけばいいんだよっ。『僕の本当の凄さを周りに証明する』とか言い出さないでよ……? 君の凄さはこの後の『神楽』で充分証明出来るんだから」

「何を焦ってるんですー?」


……おっと、周りが騒がしくなり始めたな。

自業自得な兄ちゃんらがギャーギャー騒いで今はビクビクッと痙攣してるせいだ。


「何事!?」「メーデー!」


と、ナンパされて迷惑を被っていたのに、介抱してあげるモブガールズは優しいなぁ。


「アレ放っといていいの……?」


と心配する彼女だが、


「その内スンッと復活するから」


と不安を払拭してあげて。

僕らはその場を後にした。

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