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東京PMC’s  作者: 青空鰹
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阿佐間理事長と紫音の怒り

行方をくらませていた阿佐間理事長が、紫音達の前に現れた! 阿佐間理事長は何を語るのか?

突然の訪問者に驚く僕達を余所に、阿佐間理事長はズガズガと店内に入って来て僕の目の前までやって来た。


「アナタ!」


「えっ!? な、何でしょうか?」


「何でしょうか? じゃないわよ! アナタのせいで私の生徒達が傷付いた上に、重症な子が出たじゃない! 責任を取りなさいっ!!」


「ハァ?」


この人が言っている意味がわからない。


そう思った直後、胸の奥から怒りが沸々と湧いて来たが、 ここで怒ったりしたら相手のペースに引き込まれてしまう。 と思い、落ち着いた様子を見せながら話し始める。


「お言葉ですが阿佐間理事長。僕は彼らの応急処置をしてあげました。なので僕に何も落ち度は無いと思います」


「うるさいわねっ! アナタ達PMCが側にいたにも関わらず、あんな事になったのだから、責任がアナタ達にあるに決まっているでしょう!」


・・・・・・ああ、なるほど。そういう事ね。


「つまりアナタは私達に非があると言いたいのですね」


「そうよ! だから今回の件はアナタが責任を追いなさい!」


「お言葉ですが、私には何も非がありませんので、責任追及されても困ります」


僕がそう言うと、阿佐間さんは感に触ったのか顔を真っ赤にさせる。


「それに、僕達PMCの活動に勝手に付いて来た挙げ句、アナタの勝手な判断で僕達から離れて行った結果が、あんな事態を招いたんですよね?

そちらにいる糸風さんが、 アナタの命令で。 と話していましたよ」


僕がそう言うと、カウンターに座っている舞ちゃんと下谷さんに顔を向ける。


「アナタ達、どうしてここに?」


「それは私達が聞きたい事ですっ! 今まで何処へ行っていたんですか、理事長っ!?」


「そうです! 龍平くんがあんな事になったのに、ご両親どころかお見舞いにも来ないで・・・・・・何様のつもりなんですかぁ!」


その言葉に対して知らん顔をし、俺の方に顔を向けて来た。


「そんな事よりも、アナタ達PMCが側に居なかったせいで・・・・・・」


「シィくん達は悪くありません! 悪いのは独断で密輸組織を追わせたアナタですっ!!」


舞ちゃんはそう言うと、俺と阿佐間理事長の間に入った。


「あの時、私や香奈ちゃんと同じ判断をしていれば、みんな怪我をしなくて済んだのに・・・・・・特に龍平くんだってあんな酷い姿にならなかった。

私や下谷先生は阿佐間理事長先生にこう言える! 全部アナタのせいだって!!」


舞ちゃんに断言された事に怒りを感じているのか、顔を真っ赤にさせて手を震わせている。


「生徒の分際で、私に暴言を吐くつもりなの?」


「暴言を吐いているのはアナタの方ですよ、阿佐間理事長」


「下谷先生アナタまで・・・・・・」


そう言う阿佐間理事長に対して、下谷さんは物凄い剣幕でずいっと一歩前に出て話し始める。


「理事長。私と他の教員達が怪我をした生徒の親御様達に謝って回っている間に、アナタは一体何をしていたのですか?」


「それは、私がやるべき事をやっていたのよ」


「嘘を言わないで下さい! アナタのスマホや自宅に連絡を入れても音沙汰無しの状態じゃなかったですか? それに自宅へ向かった先生も、まるで夜逃げをしたように家が暗いと言ってましたよ」


「たまたま家に居なかっただけよ」


この後に及んで白々しい。その場にいる全員がそう思う。


「とにかく、今回の件でアナタに責任を取って貰うのは確実ですから。覚えていて下さい」


「だから、私ではなくこの子が・・・・・・」


「そんな言い訳は記者会見では通用しないので、あしからず」


「記者会見? 私はそんな予定を立てた覚えはないわよ」


「理事長が何もしない上に、何処かに行ってしまわれたので自分達の判断で記者会見をする事にしました。

だってそうですよね。どうしてこの様な事態になってしまったのか、説明をする責任が我々にあるのですから」


下谷さんの言葉を受けた阿佐間理事長は、真っ赤な顔から一変して顔を青ざめさせる。


「予定は3日後の昼の1時。それまでに何を話すのか考えて下さいね」


下谷さんはそう言うと、自分が座っていたカウンター席に戻る。


「ねっ、ねぇ下谷先生。会見の事を考えてくれないかしら? そうすればアナタが糸風さんを、この店に連れて来た事を黙ってあげるから」


「お生憎様。私は学校と糸風のご両親に許可を得ていますから」


「う、嘘よね?」


「事実です。高校の方に確認を取ってみればいいじゃないですか。あっ! でも、確認をする前に怒られるのが目に見えていますけどね」


確かに。 こんな大変な時に理事長であるアナタは、一体今まで何処で何をしていたんですかぁっ!? って言われるのは当たり前だよね。


「アナタ達、覚えていなさいっ!!」


阿佐間理事長はそう言うと、逃げるようにしてお店を出き、見ていた下谷さんはスマホを取り出して、こっち顔を向ける。


「高校の方に連絡を取らないといけないので、ちょっと外に出ます」


「どうぞぉ〜」


真理亜さんの許可を貰った下谷さんは、そのまま外へと出て行った。


「しかしムカつく人っスね! 自分が命令してあんな事になったのに、紫音くんのせいしようとするなんて! 人として恥ずかしくないんスか。あの人は?」


「そうねぇ。人としての威厳よりもぉ、自分の今の立場を守ろうとしているのねぇ」


「私はあんな人の指示を聞いて動いていたんですね」


三者三様と言うのか、それぞれが思っている事を口にしている。そんな中でお店の扉が開く音がした。


ん? 下谷さんが帰って来たのかな?


「いらっしゃ、あらまぁ〜!」


「やっぱり、まだここにいたのか」


「天野さん! それに188さん。どうしてここに来たんですか?」


「俺はお前を探しに来て、こっちはこの店に飲みに来たみたいだ。しかしなぁ〜・・・・・・」


天野さんは僕達を見つめると、頭の後ろをポリポリと掻いた。


「この雰囲気は何かあったのか?」


やる気の無さそうな顔して感が鋭い!


「まぁ、女子高生が店内にいる時点で、おかしいと思わない方がおかしいよなぁ」


あ、そう言う事ですか。


「で、一体ここで何があったんだ?」


「実はですねぇ〜・・・・・・」


さっきの出来事を天野さん達に話したら、最初は驚いていたが後の方は呆れ返ったような顔をさせた。


「あの理事長はマジもんの馬鹿なのか?」


「馬鹿だからそんな事を言えるんだよ、天野。しかし、どうして紫音のせいにしようとしたんだ? その場に他の連中も居ただろうに」


「恐らく紫音が1番気が弱そうだから。って理由だろうな」


「えっ? 僕、気が弱そうに見えるんですか?」


「「「「「見える」」」」」


そんなハッキリ言わなくてもいいじゃないですかぁ!


「ところで天野ちゃぁんは、どうしてここに来たのかしらぁ?」


「おっとそうだった。お前・・・・・・じゃなくて、親父さん宛てにこんな書類が届いているぞ」


「書類?」


表に輸入車代理店と書かれた封筒を受け取ると、中の書類を取り出して確認する。


「えっ!? お客様の車のカスタムが完了しましたぁ? 先払いをしたお金の差額分は返します? これは一体どういう事ですか?」


「俺に聞かれたってしらねぇよ。それよりも、俺の知りたいのは車種の方だ。お前の親父は何を買ったんだ? カローラか? それとも Jeep の車か?」


僕は書類に目を通して確認をする。


「えっとぉ〜・・・・・・マスタング GT500 MT と書かれています」


「オイオイオイオイッ!? お前の親父さんはとんでもねぇもんを買ったなぁ!」


「しかもカスタムしたとはな・・・・・・どうする? 取りに行くか?」


「そうしたいのは山々なんですけど、場所が・・・・・・」


僕がそうつぶやいていると、天野さんは書類をひょいと奪い取り、住所を確認する。


「ああ〜、隣町かぁ。そこまで俺が送って行ってやる」


「いいんですか?」


「ああ。ここに来た次いでだし、何よりもそのマスタングに興味あるからな」


マスタングに興味があるからですか。


「俺も興味があるから、付いて行っていいかなぁ?」


「1人ぐらい増えたところで変わらないからな。乗っていいぞ」


「サンキュー」


天野さんと188さんはそう言うと、お店を出て行ってしまった。


「あ、真理亜さん。これ置いておきますね」


カウンターに1000円札を2枚置くと、天野さん達を追い掛ける。


「あー、ちょっと待って紫音ちゃぁん!」


「ん? どうしたんですか? もしかしてお釣りの方は、今受け取った方がいいんですか?」


「お釣りは今度来たときに渡してあげるわよ。それよりも、彼女を連れて行った方がいいんじゃないかしら?」


彼女? 真理亜さんが向いている方向に顔を向けると、舞ちゃんが俯いた。


「もしかして、付いて行きたいの?」


「う、うん」


「舞ちゃんの好きにすればいいと思う。きっと天野さんは連れて行ってくれると思うし」


「うん。それじゃあ、お言葉に甘えるね」


舞ちゃんは僕の後を追うようにして、お店を出て行くのであった。

こうして、阿佐間理事長は帰るのであった。

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