『ざまぁ』が少しだけわかったかもしれない
『他人の不幸は蜜の味』とかいう。
意味がわからないわけではないけれど、あまりそういうのが私は好きではない。
前の前の会社で、とても偉そうなジャイアン部長がいて、『自分の言うことはすべて正しいと思ってるみたいなこのひとが失敗したら面白いだろうな』と思ったことはあるが、実際に失敗したら可哀想だと思ってしまった。
バッドエンドが嫌いなひとでも、嫌われ役がバッドエンドになっても主人公がハッピーエンドならいいみたいなひとがいるようで、そういうのがよくわからない。
他人の不幸を足蹴にして誰かがハッピーになるより、みんなハッピーになったほうがいいんじゃないんだろうか。
バッドエンドになるならみんな不幸にしたいなと私は考える。いいひとはバッドエンドを逃れるなんて、そんな差別は嫌だ。
でも、この間、ある場面を見て、ちょっとわかるような気がした。
流れの早い一般道を大型トラックで走っていた。
前の行列につっかえそうになったので、ゆっくり車線変更して追い越そうとすると──
最後尾をついて走っていた4トントラックがいきなりウィンカーとハンドル同時操作で、私の前スレスレに出てきた。
そして行列を追い越すのかと思いきや、なかなかスピードを上げない。
このままではいつまで経っても追い越しできないので、仕方なく左側に戻り、行列に並ぶことにした。
その後しばらくして、ようやく4トンが行列を追い越しそうになったので、私も追い越しを再開した。
行列を追い越すとすぐに4トンに追いついた。
相変わらず行列とさほど変わらないペースだったので、それも追い越そうとした。
すると私が右に並んだ途端、スピードを上げた。
どうやら大型トラックに追い越されるのが嫌なようだ。
でもこちらも前に蓋をされるのは嫌だ。スピードを上げて追い越そうとすると、4トンがさらにスピードを上げた。
喧嘩するのもバカらしいので、こちらがスピードを下げた。
4トンはそのままスピードを上げ続けたので、どんどん前に離れていった。
まぁ、離れていってくれるなら問題ない。
しばらく行くと、その4トンがパトカーに止められていた。
『ざまぁ』と口にはしなかったが、思わず笑ってしまった。




