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ぼっち・ダンジョン  作者: 内藤ゲオルグ


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211/235

ウルトラハードな隠しボス!

 青白く光る巨人が、全身からバチバチ電気を放っている。その状態で動くものだから、威圧感がハンパない。

 ツバキの結界の効果で、動きや電気が弱められていなかったら、めっちゃ苦戦すること間違いなし!


「うおおおおおーっ、早く消えろー!」


 亀の時もそうだったけど、辺り一面に広がる電気はもうどうしようもない。避けたり防いだりできないから、防御力に任せて痛いのは我慢する。

 これをやられた時は、私もマドカもツバキも、みんな我慢! ホントに嫌な攻撃!


 結界と強い装備がなかったら、この攻撃はマジでやばい。ずるいわ。


 引きちぎられた『黒縄』のスキルをまた発動してから、気合を込めた『キラキラハンマー』を叩き込みまくる。

 マドカも回避は無理だから、散弾銃をぶっ放しまくる。


 いくつものスキルを合わせたマドカの散弾銃は超強い。私と一緒に戦って倒せないモンスターなんて、ダンジョンのよっぽど深い階層まで行かないといないはず。そのはずなんだよ!


「かったいなー、なんだよこいつ!」


 もう『キラキラハンマー』の大安売りだ。こんなにやっても倒せないとか、ちょっとショック。


 あと痛い! 私はめちゃ強いから、敵の攻撃なんて滅多に食らわない。電気の広範囲無差別攻撃は、ホントに腹立たしいわ。

 私の謎のつよつよスキル『武魂共鳴』で装備が強くなってなかったら、この電気攻撃はかなりやばかったよね。いや、いまもちょっとやばいけど、我慢はできるからね。


「どりゃーーー! 早く、早く、早く倒れろーーー!」


 もう消耗は気にしない。スキルを駆使した猛攻撃で、とっとと倒すのみだ。

 さっきからの変身のペースを考えれば、そろそろやれるはず。こっちもやられてるから長く感じるね、早く早く!

 ぐへー、電気がビリビリとマジで痛い!


 何度目かわからん気合の一撃を叩きつけた時、巨人から大きな力を感じた。

 これはなんかやろうとしているっぽい。それはやらせたくないわと思ったら、ひと際でっかい雷がマドカのほうに落ちた。


「うおっ」


 それはさすがにやばいだろと思ったら、マドカはちゃんと避けていた。なんで? あんなもん私でも避けられないって。

 しかもだよ。立て続けに、ドゴンドゴン落ちる雷を、マドカは次々と避けてしまう。すごくね?

 なんだよもう、ちょっとテンション上がってきたわ!


「おんどりゃー! 私の気合も受けてみろ、ダブルハンマーをくらえい!」


 上がりまくったテンションで、スキルを重ねて発動した。

 私が振るハンマーと一緒に現れるキラキラ光ったたくさんの魔法のハンマーが、同時にメラメラもしている。

 おお、私もやればできるじゃん!


 キラキラメラメラした、過去一と思えるくらいの打撃を叩きつけたら、放たれまくっていた電気がパッと途絶えた。

 やった! 電気タイムはこれで終わったっぽい。


「あー、まだあるんか」


 巨人くん、また変身だよ。


 今度は冷たい空気がじわじわ広がっているから、氷の亀の力だろうね。でも、そいつは強かった亀たちの中でも楽勝だったやつだ。

 私の真っ赤に焼けた魔法の鎖にがっちり縛られた巨人は、猛烈な蒸気を噴き上げながら勝手に苦しんで勝手に氷の巨人タイムを終えた。やっぱ熱いのが弱点っぽいわ。


 そうすると、もしかして次もかな?


 またもや巨人くんの変身。

 なんとなく予想したとおり、お次は緑色っぽい体の色に変化しつつあったけど、これもやっぱり焼けた魔法の鎖に縛られていてはどうにもできない。


 緑の亀のモンスターは甲羅の中に首と手足を引っ込めて、高速回転しながら宙を飛ぶ厄介者だったけどね。私の『黒縄』で縛ったら一発だった。それと同じだわ。

 やっぱ地獄の悪鬼のスキルは強いんだよ。


「アオイ、ツバキ、最後はアレが来るわよ!」


 わかっているよ、マドカさんや。

 最後に戦った亀と同じような感じだよね。あれだ、透けている意味わからん亀。


 透明に近い亀は幻の分身をいっぱい生み出して、集団で襲いかかってきた。幻に実体はなかったけど、近づくと力が吸い取られる感じであれも嫌なモンスターだった。


 しかもそれをサポートする超めんどくさい能力も持っていた。絶対、やってくるね。

 ただ、いまはすでに私の『黒縄』で先にこっちが縛っている。このまま逃がさないよ。


 苦しみもがく巨人がまた縄を引きちぎったけど、もうショックはない。そうやられるとわかっていたから、すぐにまた『黒縄』で縛り直した。結構消耗するんだよなー。仕方ないけど。


 それでもって、巨人はやっぱり予想した攻撃に移った。今度は私たち全員に向かって、透明な縄を伸ばして縛り上げてきた。これにはダメージはないけど、分身と同じように力を吸い取る超嫌な能力がある。だけどね。


「私には効かないよ! おんどりゃー、ダブルハンマーで終わりじゃい!」


 これまであんまり役に立ったことがない山賊のクラススキル『拘束具破壊』が発動して、縛られた次の瞬間には無効化している。

 また焼けた魔法の鎖を引きちぎった直後の巨人には、新たに編み出した必殺ハンマーを叩き込んで、これで終わりだ。

 終わったよね? さすがにね。


 我ながら強烈な手応えがあったぞと思いながらも、さらなる変身がないか身構えてしまう。

 警戒していると、割とあっさり巨人が光の粒子に変わり始めた。


「おー、やっと終わった。ふいー」

「やったわね!」

「葵姉はん、まどかお姉、ふたりともすごかった」


 これはさすがに喜び合っちゃうよ。久々っていうか、過去最高クラスの勢いで強かったわ。

 めちゃ強いイレギュラーモンスターとだって私はソロの時から何回も戦ったけど、巨人はソロだったらちょっとやばかった気がするわ。


「今回は危なかったわね。あたし、やられたかと思った瞬間が何度かあったわ……」

「マドカったら、めっちゃ避けまくってたじゃん。すごくね?」

「交流会で立ち回りのコツを学んだことと、あとはスキル『第六感』のお陰ね。でも今日ほどリリカの守りを恋しく思ったことはないわ」

「うちも。まゆ姉はんの『耐性喰い』があれば、呪符も護符ももっと効いたかもしれへん」

「だね。沖ちゃんと銀ちゃんの攻撃とサポートもあれば、絶対もっと楽に片づけられたわ」


 3人でもなんとかなったけど、みんながそろっていたらと思ってしまう。

 とにかく、すげー疲れた。でっかい巨人くんも、やっと完全に消え去ってくれたね。


「あ、ドロップアイテムあるよ!」


 超輝くものが転がってる。なんだよあれ、めっちゃ綺麗なんだけど!


「ちょっと待って、アオイ!」

「待てない、待てないよっと」


 急いで走り寄って、さっそくゲットー!


「うおー、結構でかいよ、これ! 輝きが違うわー、すっげー! ねえねえ、ふたりも近くで見てみなよ」


 私の手のひらいっぱいに乗るくらいの大きな宝石。虹色に輝いてるわ。なんだこれ? すごすぎない?

 とんでもないお宝を手に入れてしまった! と、思っていたらだよ。


「わわ、うおおおおお、ちょっ、マジで! うええ?」


 虹色に輝く宝石が、私の手からギュインと吸収されて消えてしまった。勝手に吸い込まれちゃったんだけど!

 そんでもって、体の中が超熱くなってなんかやばい……あれ、大丈夫か。


「やっぱりこうなった。だから待ってって言ったのに……アオイ、大丈夫?」

「あー、大丈夫。やっちまったなって思ってさ」

「葵姉はん……うちも虹色の宝石、近くで見たかった」

「ごめんごめん、でもわざとじゃないんだよ。勝手に消えちゃったんだよ」


 やろうと思ってやってないからね、ちょっとやっちまった感あるわ。

 まあ、またゲットすればいいよね。

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― 新着の感想 ―
待てができる子だったら もうちょっとは落ち着いた 人生だったでしょw
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