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悪役令嬢です。ヒロインがチート過ぎて嫌がらせができません!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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8話:ドキドキが止まらない

 ジャレッドとは、婚約者として週に一回。

 ティータイムを共に過ごすことが義務付けられていた。

 公爵邸のティールームで。

 本来、一時間は一緒に過ごすようにと言われているが、いつも三十分で終わった。そしてそのティータイムの最中、私はジャレッドから文句を言われることになる。


「二階の窓からバケツの水を捨てただろう? グランドから見ていたぞ。しかもその下をアナが歩いていた。幸い、アナにかかることはなかった。でもなんてヒドイことをするんだ、君は」


 事実なので弁明できない。

 しかも私の意志とは無関係に、シナリオの強制力で体が動いているのだ。

 それなのにこんな風にジャレッドからねちねち言われるのは……。


 理不尽だと思う。

 当事者のアナから「あぶないじゃない!」と怒られるならまだしも、なぜジャレッドに……。


 そう思うがこれが乙女ゲームの世界なのだ。

 ティータイムの三十分は苦行と思い、我慢することにした。


 そんなジャレッドをやり過ごしているうちに秋のイベント、体育祭の準備が本格的になった。魔力=体力と考えるこの世界では、運動は男女共に行うことが推奨されている。貴族社会ではあるが、体育の授業もあるし、体育祭も存在していた。


 そして本日。以前、セシリオが言っていた二人三脚の相手を決めることになった。


「二人三脚はルールで男女ペア、となっています。練習はするので、最初から息の合ったコンビである必要はありません。ですが身長が近い方が歩幅も合いやすく、バランスがとりやすくなります。それを踏まえ、ペアを作るので、皆さん、前に来てください」


 アナとジャレッドは体育祭実行委員をしていた。

 おかげで二人が一緒にいる時間はより増えている。


 そして今、二人三脚のペアを作るため、ホームルームで主導しているのはアナだった。


 皆、アナの指示で黒板の前にズラリと集合した。


「では整列してください」


 アナの指示とジャレッドの誘導で男女別で列を作る。

 一クラス二十名しかいないので、すぐに列は整う。


「ではあなたとあなた。あなたは……こっちで」


 てきぱきとアナはペアを作っていた。

 身長を基準にしているが、それ以外のバランスも見ている気がする。


 例えば運動好きの令息なら運動に抵抗感がなさそうな令嬢でペアにしていた。

 さらに利き手を確認し、左利きと右利きでペアを組ませている。

 多分、その方が動きやすいのかもしれない。


「次はエール王太子殿下とホルス第二皇子殿下。うーん、二人とも身長があるので……」


 そこでアナが私を見て、にっこり笑う。


「キャンデル伯爵令嬢なら、スラリと身長があるので、バランスがとりやすいと思います。エール王太子殿下とペアを」


 これには他の令嬢から「いいなぁ」「羨ましいですわ」と声が上がる。


「キャンデル伯爵令嬢、よろしくね」


 セシリオが私に微笑む。


「ホルス第二皇子殿下は私とお願いします」

「アナ! 君は私とペアではないのか!」

「イートン令息。あなたの身長にあうのは、こちらのココ令嬢です」

「そんな……」


 ジャレッドはアナとペアを組む気満々だったようだ。

 だがヒロインの攻略対象三人の中で、ジャレッドよりも、セシリオとヴェルナーの方が身長が高かった。ゆえにアナの采配に間違いはないが、ジャレッドは悔しそうだ。


 というかジャレッドとアナは、当たり前のように一緒にいる時間も長く、てっきりラブラブであり、ペアを組むなら絶対二人で!くらいに意気投合しているのかと思った。


 ところが今の様子だと、そういうわけでもなさそうだ。


「それでは今日の放課後から、ペアとなった相手と練習をよろしくお願いします!」


 アナがそう言ったところで、鐘の音が聞こえ、ホームルームは終了だった。


 ◇


 放課後になり、二人三脚の練習となる。

 運動の時のみ着用が認められている、白シャツにワイン色のジャケット、そして黒のズボンに着替えた。女性はズボンを通常着用しない。よって体育の授業や体育祭の時のみ、このズボン姿が許されていた。


 ちなみにこの服装、前世で言うなら、乗馬服みたいな感じだ。


 なお、令息も似たような服装だ。白シャツに黒のジャケットとズボン。


「では練習をしようか、キャンデル伯爵令嬢」

「はい、エール王太子殿下!」

「と言っても、すぐに練習ではなく、ルールを決めよう」


 セシリオによると、「よーい、ドン」の合図のスタートでもたつかないためには、どちらの足を最初に出すのか、決めた方がいいとのこと。さらに今回はトラックを半周することになるため、外側にセシリオが来た方がいいとか、掛け声を決めるとか、いろいろコツを掴んでいた。


「僕の方が、少し身長があるけど、リーダーはキャンデル伯爵令嬢がいい。僕が君に合わせた方が、絶対に上手くいく」


「でもそうするとスピードが遅くなりそうですが」


「重要なのはスピードより、タイミングだ。速度が出ていても、タイミングがずれたら、一気にダメになる。だからそこは気にしなくていいよ」


 リーダーである私が掛け声を出すことも決まり、早速練習となる。


 が!


 どうしても体が密着する。

 するとセシリオがつけている柑橘系のいい香りを感じ、ドキドキが止まらない。


「キャンデル伯爵令嬢、掛け声をかけて!」


「は、はいっ。では、いち、に」


 その後は結構頑張った。セシリオは「下は見ない方がいい」「腕もちゃんと振って」とアドバイスをしてくれる。おかげで初日でも、かなり息が合った状態で走れるようになった。


 さらに上達したいと思った私は、屋敷の使用人にも話を聞いたところ、足を結ぶときは「八の字結び」がいいと教えてもらえた。


 翌日の放課後の練習で早速そのことをセシリオに伝えると――。


「そうか。わざわざヒアリングしてくれたのか。ありがとう」

「では八の字結びを試してみますか?」

「ぜひ、そうしよう!」


 結び方を変えただけで、動きやすくなった気がする。

 息もタイミングもあうようになり、これは一等を狙えるかもしれなかった。

お読みいただき、ありがとうございます!

【お知らせ】第五章スタート

>> 章ごとに読み切り <<

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