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悪役令嬢です。ヒロインがチート過ぎて嫌がらせができません!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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45話:すべては彼女のために

アナ視点です。

「アナ。聞いて欲しい。これは君にとってとてもショックなことだと思う。私も話すことさえ、心苦しい……」


 週末開けての月曜日。

 ジャレッドは昼休みのカフェテリアでこう切り出した。


 一体何を話そうとしているのかと思ったら……。


 茜……悪役令嬢であるエマとの婚約が決まったというのだ。


 それを聞いた私はショックよりも「しまった!」だった。

 茜が“ラブマジ”で推していたのは、王太子セシリオ。

 事故直前も彼の水着バージョンが欲しいと言っていた。

 セシリオを攻略対象に私が選んでいれば、茜は彼の婚約者になれたのに!


 あ、でも。


 そうなるとセシリオが私と仲良くなる姿を見ないといけない。

 それは最悪だ。

 そうだ、やはりジャレッドを選んで間違いなかったはず。


「アナ、そんな顔をしないで。やはりショックだったのだね」


 いや、断じて違う。

 でも違うと言うわけにはいかない。

 ジャレッドを攻略する必要があるからだ。

 攻略することで、婚約者がいるのに別の女に横恋慕した男というレッテルをジャレッドに貼ることができる。最終的に「あなたは最低な男です」と断罪するつもりでいた。


「ショックというか、驚きました。突然のことですから」


「そうなんだよ。完全に家門同士の利益優先の政略結婚のための婚約なんだ。正直、私はキャンデルのような女は好きではない。あんな男好きそうな女」「イートン令息!」


 エマをけなす=茜を否定されているように感じ、今すぐグーパンチしたい気持ちになっていた。だがそこはぐっとこらえる。


「キャンデル()()()()は、大変お綺麗な方だと思いますわ。例え政略結婚のための婚約であろうと、あんな美しい令嬢と婚約出来たことは(ほまれ)ではないですか」


 そう言って思いっきり笑顔でジャレッドを見る。

 すると……。


「アナ……君はなんて出来た令嬢なのだろう。本当はその心中、嵐が吹き荒れているはず。それなのに憎きあの女を立てることができるなんて」


 これは好感度がぐんぐん上昇していると思う。

 でも、茜……というかエマに対して辛辣過ぎる気がする。


 その時点でジャレッドに何か危うさを感じたのだが……。


「あれは前世で言うストーカーなのでは?」


「あなたもそう思います?」


「思うな。だってあの男、屋敷の敷地に忍び込んだんだぞ!? それで何をしていたと思う? 置いてあったワイン樽を転がし、そこに乗り、浴室を覗こうとしたんだぞ!」


 そう、そうなのだ。

 秀俊のいう通り、ジャレッドは茜……エマと婚約してから、その行動が常軌を逸しているように思えるのだ。浴室を覗こうとするのもそうだが、学校から帰る場所をつけられたり、大量の手紙が届いたり……。


 学校にいても常に私と一緒にいたがる。さすがに婚約者であるエマがいるのだから、と思うのものの。ジャレッドのストーカー気質なところを考えると、エマに、茜のそばに寄せ付けたくない。それなら私の後を追ってもらった方がマシだ。


 そこからはジャレッドに対して嫌悪感しかないが、それを顔に出さず、我慢することにした。だが彼がバレていないと思い、行っているストーカー的な動きはすべて記録にとることにしたのだ。


 同時に。


 重要なことを思い出す。


 茜は悪役令嬢エマに転生してしまった。悪役令嬢と言えば婚約破棄&断罪が、どの攻略対象のルートを通っても登場した。つまり社交界デビューとなる舞踏会で、茜はあのストーカー令息ジャレッドから婚約破棄され、しかも社交界から追放されてしまうのだ。


 この世界で社交界から追放された貴族は、死んだも同然となる。貴族は社交界の中で生きていた。情報を交換し、人脈を広げ、結婚相手を見つける――とにかくいろいろなことが、社交界の中で行われているのだ。そこから干すなんて……。


 まるで真綿で首を絞めるような、粘着質な制裁だと思う。だが今のストーカー令息ジャレッドが下す断罪としては、尤もなもの。


 こうなると茜が幸せになるため、母親である私ができることは……。


 婚約破棄は阻止しない方がいい。むしろ破談にならないと、茜が不幸になる。どう考えても結婚後も私につきまとうだろうし、なんなら私を愛人として囲うとか言い出しそうだ。そんな男と結婚して、茜が幸せになれるわけがない!


 よって婚約破棄の流れになるのはウエルカムだ。


 問題は断罪されないこと。


 ゲームの記憶を辿れば、悪役令嬢がいつヒロインに嫌がらせをするかは分かっている。となれば、悪役令嬢の嫌がらせを回避するまでだ。


 幸いなことに私はヒロインだった。よってリベルタスにいろいろ訓練をつけてもらうと、すぐに上達した。それに幼い頃、リベルタスと一緒にいる口実に、馬術やら弓矢やら剣術をあげていたので、それらは一通りできるようになっていたのだ。


 さらに水や紅茶をかけられることに備え、それを避けるための瞬発力、動体視力、機動力を鍛えた。宙返りや側転も、回避手段としてできた方がいいだろうと毎日特訓。魔法についても上達するよう努めた。


 こうしてどんな嫌がらせでも回避し、茜が断罪されないよう取り組んだ。


 その一方で。


 茜が推していた王太子セシリオ。彼との距離が縮まるよう、いろいろと画策した。


 ストーカー令息ジャレッドと破談したら、茜はセシリオと上手くいけばいい。そう、思っていたのだ。何より茜の推しであるし、セシリオはジャレッドと違い、誠実で真面目で一途。茜の夫として問題なし!そう思ったのだ。

お読みいただき、ありがとうございます。

次話でいつものエマ視点に戻ります。

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