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悪役令嬢です。ヒロインがチート過ぎて嫌がらせができません!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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41話:恋愛結婚をしたはずだった。

アナ視点です。

 恋愛結婚をしたはずだった。


 出会いは女友達と飲んでいた居酒屋。

 個室がなかったが、すだれでテーブルが区切られていた。

 二人席に友達と向き合い座っていたが、仕切りがすだれ。

 隣に座る男性二人組の会話は自然と聞こえてきてしまう。


 そこで同郷であることが分かった。

 地元の銘菓の話やラーメン店の話をしている。

 それを聞いたら思わず、「私も同じ出身地です!」と酔った勢いで話しかけていた。


 その後は別の居酒屋に移動し、四人で飲んだ。

 終電前に解散となり、連絡先の交換をしていた。

 その時に知り合ったのが秀俊だった。


 秀俊はIT業界でデザイナーの仕事をしていた。私は食品メーカーで事務員として働いている。土日の休みを使い、最初は四人で会っていた。でもいつしか秀俊とは二人きりで会うようになり、季節は冬になっている。


 冬はイベントが多い。


 クリスマス、年越し、初詣、バレンタイン……。


 それらのイベントを自然と秀俊と過ごすようになり、ホワイトデーの時。


 秀俊から「俺たち、付き合おう」と改めて言われ、恋人同士になった。

 それから順調に交際を育み、それから一年後。

 お互いの両親にも会い、結婚話が出た。

 そこからはとんとん拍子で話が進み、出会いから三年をまたずにゴールイン。


 結婚から一年後に娘に恵まれた。


 茜は私たちにとってまさに天使。

 育児と家事と仕事をこなすのは大変だったが、それでも茜のために頑張った。


 秀俊もそうだったと思う。


 ただ……。


 家族としては成立していた。

 では夫婦としては?


 帰宅時間が遅い日もあり、ゆっくり休めないということで、夫婦の寝室は別々になっていた。そこから夫婦の営みが減り、キスさえすることがなくなった。


 夫婦喧嘩があったわけではない。

 ただ、お互い、家族なのにどこか他人。

 無関心。


 茜のことは秀俊と私、いろいろ心配する。

 でも私が予算削減でこれまでの業務から外されたことを話しても秀俊は「そうなんだ」と言うだけ。新しい部署の仕事に慣れず、苦戦していることを相談しても「それで」という反応。


 そういった秀俊の無関心が重なり、「あっ、この人とは終わったかも」と感じ、離婚について考えるようになった。それは茜が中学三年生の時。でも受験があるからと気持ちを飲み込んだ。そこで仕事も忙しくなり、離婚のことを考えられなくなる。


 そうしているうちに時は流れ、茜は高校を卒業し、大学生になった。


 私の忙しかった仕事も落ち着いた。


 そして茜が大学二年生の頃から離婚について、秀俊と話し合うようになった。ただ、マンションは夫婦の共同名義にしていたから、ローンはどうするとか、茜の親権のこともあり、すんなり離婚には至らない。


 お互い弁護士を立て、家の中では普通に家族を演じ、協議が続いた。


 一年以上も、離婚の合意に至るまでかかるとは思っていなかった。

 でもようやくすべての話し合いがついた。

 後は茜に全てを打ち明け、離婚届を提出して――。


 その話をするためだった。

 九月にとる予定の夏季休暇を前倒し、家族旅行に行くことにしたのは。

 最後の家族で過ごす夏休みにするつもりだった。

 そこで茜に全てを話すことになっていた。


 だが――。


「お、見てみろ、あれ、白い鹿じゃないか? 珍しいぞ」


 秀俊が運転する車で、都心から近い温泉地へ向かうところだった。

 そこで秀俊が白い鹿がいると言い出した。

 フロントガラスから前方を見ると、本当に白い鹿がいる。

 立派な角もある牡鹿だ。


「まあ、本当だわ、珍しい。茜も見てみなさいよ」


 その時だった。


 車は山道を走行していた。

 余所見運転による対向車との衝突事故。

 対向車は大型トラック。

 我が家は軽自動車。

 その結果――。


 親子三人で命を落とすことになった。


 三人で天国に召された。


 そう思ったが違っていたのだ。

 目覚めた私は赤ん坊で、しかも自分の髪がピンクブロンドで瞳がローズクォーツのよう。


 これには驚いた。

 外国人に転生をしているとすぐに気づいた。


 でも……。


 アナ・ココ・ディアス。


 それが自分の名前であると分かった時、「えっ」と思った。

 茜は高校生の二年生の頃から、乙女ゲーム『ラブ・マジック~魔法学園で恋をしよう!~』(通称“ラブマジ”)にハマっていた。


 ゲームとのコラボカフェ、都心のポップアップ・ストア、ファンイベントなどに行きたがり、そのいくつかは私が同行することになった。


 乙女ゲームなんて、子持ちの私がハマるようなものではない。


 そう思っていたものの。


 茜がしつこく勧めるのと、コラボカフェやらポップアップ・ストアへ行けば、自然とそれぞれのキャラクターの顔と名前を覚えていく。ファンイベントは結構な値段がするのだ。無知のまま行っては損をする。


 ということでスマホのアプリだったその乙女ゲームをダウンロードした結果。


 一時は茜と同じぐらいにハマった。


 それは……現実で秀俊との男女関係が破綻していたからだろう。


 “ラブマジ”の世界はなんというか西洋で騎士がいるような貴族社会。レディファーストで女性を敬う精神に溢れていた。好感度が上がると、攻略対象となるスパダリ達は、惜しみない愛の言葉をくれる。


 現実で心が乾いた砂漠状態だったので、この二次元のキャラクター達の言葉がよく沁みた……。


 ということで理解した。


 事故に遭う直前、茜は“ラブマジ”をプレイしていたのだ。

 どうやらその世界に私は……転生したのだと。

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