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悪役令嬢です。ヒロインがチート過ぎて嫌がらせができません!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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40話:素直な気持ち

「キャンデル伯爵令嬢。僕の気持ちは迷惑ではない?」


 セシリオに問われた私は「迷惑なわけがないです!」と即答しそうになり、思いとどまる。


 既にシナリオの進行とは違う状況になっていた。


 ただ、断罪こそされていないが、婚約破棄はされている。

 断罪は……悪役令嬢の代わりに攻略対象であるジャレッドが受けてくれそうだ。

 そしてヒロインであるアナは、攻略対象ではないが、リベルタスとハッピーエンドを迎える予定。


 もしシナリオの強制力が働いていたら、ジャレッドが私を断罪していたはずだ。


 でもそれがなかったということは……。


 バグ、状態なのではないか?


 悪役令嬢は、確かに嫌がらせをしていたはず。

 ゲームの世界としては「よし、よし悪役令嬢はちゃんとやることやっているな」だったと思う。でもヒロインはダメージを受けていない。そして最終的に悪役令嬢の断罪の場で、断罪すべき罪がないことが判明する。


 そこでゲームのシステムとしては、フリーズ状態なのではないか。


 ゆえに以降、衝撃の展開が起きるが、強制力が働くこともない。


 致命的過ぎるバグに、為す術もなし。


 もしこの推測が正解ならば。

 私がセシリオに好意的な反応を返しても……問題ないはず!


 そうよ。ここは素直な気持ちを伝えよう!


「迷惑などあるわけがないです。婚約者という足枷もなくなりました。今は殿下の言葉の一つ一つが、嬉しくてたまらないです!」


 そこで私はレティキュールから、あのロイヤルムーンストーンのイヤリングを取り出した。


「もし自由になれたら、このイヤリングをつけたいと思っていました。イヤリングの来歴を踏まえて」


 するとセシリオの顔がぱぁぁぁぁぁっと明るくなる。

 そして私からイヤリングを受け取ると、騎士のように片膝を床につき、その場で跪いた。


 これには周囲にいた令嬢令息が何事かと注目する。


 セシリオは集まる視線にひるむことなく、言葉を紡ぐ。


「エマ・リリー・キャンデル伯爵令嬢。古のエルフが愛する人にこのイヤリングを贈ったように。僕も愛する人に贈りたいと思う。エマ、君のことを愛している。心から。婚約前提で、僕の気持ちを受け止めて欲しい」


 夢のようなプロポーズだった。

 シャンデリアの輝きを受け、輝くブロンド。

 碧い瞳もキラキラと煌めいている。


 ジャレッドと婚約したが、彼からこんな素敵なプロポーズの言葉はなかった。


 それを前世では推しだったセシリオからしてもらえるなんて……!


 涙が溢れ、視界がぼやける。


「セシリオ・レグルス・エール王太子殿下。あなたの気持ち、受け入れます。私も心から殿下のことを愛しています」


 これはもうビッグサプライズだ。

 周囲にいた令嬢令息から拍手喝采が起きた。

 セシリオが差し出したイヤリングを受け取ると、彼はゆっくり立ち上がる。

 そして私の耳に愛を誓ったイヤリングをつけてくれたのだ。


「とてもよく似合っているよ、エマ」

「ありがとうございます、殿下」


 そこで初めてセシリオがふわっと私を抱き寄せた。

 柑橘系の爽やかな香りに胸が高鳴る。


 皆が拍手する中、セシリオはゆっくり私から体を離した。


「みんな、ありがとう。僕とエマの婚約の証人は、ここにいるみんなだ!」


 さらに拍手の音が大きくなる。


「さあ、行こう。舞踏会が行われるホールへ!」


 セシリオが私をエスコートする。

 ヴェルナーが「遂にやりましたね、殿下」とセシリオに微笑みかける。

 その様子を見るに、ヴェルナーはセシリオの気持ちを知っていたのだろう。


 皆の拍手に見送られ、セシリオと私はゆっくりと歩き出した。


 ◇


 社交界デビューとなる舞踏会は一転二転三転し、収まることになった。


 社交界デビュー自体は、国王陛下に挨拶し、無事大人の仲間入りができた。さらにセシリオと最初のダンスもできたのだ! だが彼の婚約者になることは……そこからまた大波乱!


 急に王太子の婚約が決まったのだから、それは大騒ぎだ。


 まずは国王陛下夫妻に先んじて動いたことをお詫びしつつ、きちんと許可をもらった。国王陛下夫妻は、まだ婚約者がいないセシリオのことを気にしていた。よって自らプロポーズし、相手が伯爵家の令嬢であったことから「ならば問題なし」とすぐに許可を出してくれたのだ。


 許可をくれた上で、父親が侯爵位を授かることも決定。王太子の婚約者に相応しい身分にしてくれることになった。そこからは婚約をおおやけに向け、発表することになる。新聞社の取材から、各国からのお祝いの手紙に応じることになった。王族との顔合わせ、国王陛下夫妻と我が家との夕食会。親族への報告と挨拶。さらに王家の霊廟への報告、婚約式の日取りの決定、ドレスや婚約指輪の注文など、今がバカンスシーズンでよかったという状態だ。


 それはもう怒涛の日々。


 同時進行で進んでいたのは、キャンデル侯爵家とイートン公爵家の話し合い。


 シナリオの強制力がまだ働いていたからか、ジャレッドは婚約破棄の正当な理由を考えていなかった。つまり勢いままで、本当に真実の愛だと信じ、突っ走ったようだ。しかも婚約破棄することで、違約金が発生することも理解していない。


 さらにイートン公爵は我が家の領地の森林……木材を手に入れたいと考えていた。だがそれも白紙に戻る。それどころか違約金に加え、お詫び金も払う必要があった。お詫び金については、アナとその婚約者リベルタスに対しても支払うことになる。


 そう。


 ジャレッドのストーカー行為(つきまとい)が裁判で認められ、イートン公爵家は裁判費用とお詫び金を工面する必要があったのだ。結果として、イートン公爵は造船業から撤退。それが原因で所有する商会の資金繰りが悪くなり、いくつかの商会と豪華な別荘を売り払うことになった。


 さらに貴族としての品格を問う声が高まり、もろもろの支払いを終えたと思ったところで爵位が剥奪された。元イートン公爵夫妻は、平民として裸一貫でやり直し。ジャレッドは両親から勘当され、どうやら王都のはずれの寂れた村の墓地で、墓守の職に就いたようだ。


 ヒロインの攻略対象とは思えない成れの果てであり、これで全て終わりかと思ったら……。


 実はまだとんでもない事実が隠されていた。


 ~第一部・完 To be continued……~

お読みいただき、ありがとうございます。

エマとセシリオ、見事ゴールインできました!

第二部ではとある事実が明らかになっていきます。

第一部を書き終えていたので、スタート時の増量更新後も

毎日がつがつ更新していたら、第二部書き終わらず……!

来週には校正を終え、スタートできるよう頑張ります!

作者頑張れで、いいね!や☆評価いただけるとやる気みなぎります。

よろしくお願いいたします!

ちなみに本作含め6本連載しており

特に以下作品は先日スタートしたばかりなので、ぜひご覧くださいませ。

『森でおじいさんを拾った魔女です~ここからどうやって溺愛展開に!? 』

https://book1.adouzi.eu.org/n4187jj/

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