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悪役令嬢です。ヒロインがチート過ぎて嫌がらせができません!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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33話:まるで黒歴史を指摘された心境

 フラワーショーはヒロインではなく、悪役令嬢が迷子になる事態となり、合流したジャレッドからは散々文句を言われた。


「おかげで午前中はろくに展示を見ることができなかった。明日のレポートを書けなかったら、どうしてくれるんだ! 危機管理能力が甘いんじゃないか!」


 もしもアナが迷子になっていたら、ジャレッドはここまで文句を言うのかしら?


 ふとそう思うが、そんな怒りは他のメンバーにより払拭される。


「キャンデル伯爵令嬢が迷子になったのは、彼女だけのせいではないはず。同じチームなのだから、自分以外のメンバーがちゃんと近くにいるか。その確認は僕達自身もすべきだったと思う。それにレポートの件は心配しなくていい。この昼食の後は、フラワーキャンドル作りの体験を申し込んでおいた。護衛騎士に頼んでね。これでレポートは書けるはずだ」


 セシリオはまるでジャレッドの文句を踏まえていたかのようだ。

 それにワークショップに申し込みをしてくれていたなんて!

 飛び込みでは参加できない。よって体験できている生徒は少ないはず。

 ゆえにレポートはしっかり書けそうだった。


「イートン令息。キャンデル伯爵令嬢は、君の婚約者なのでしょう? 無事に発見されたことより、怒りと文句をぶつけるとは。紳士とは程遠い言動だと思います」


 ヴェルナーがその端正な顔を不快そうにするので、ジャレッドの顔色は分かりやすく青ざめる。さらに……。


「キャンデル伯爵令嬢は、私が迷子になったのではと勘違いし、必死に探してくれるうちに迷子になったのです。それなのにそんな言い方をするなんて。幻滅します」


 まさかのヒロインであるアナのこの言葉に、ジャレッドは完全に撃沈。

 以後、この件を口にすることはなかった。


 最終的にフラワーキャンドル作りも体験し、その後、いろいろな展示も見ることができた。さすがにセシリオと手をつなぐことはない。でも左右をセシリオとヴェルナーに挟まれ、常に気にかけてもらえたので、迷子になることはなかった。


 夕方までしっかり見学し、お土産も手に入れ、完成したフラワーキャンドルの引き取りもできた。入口まで戻り、点呼をしている教師に報告し、解散となった。


 帰りの馬車の中で、私が思うことは一つ。


 七月からバカンスシーズンが始まる。

 そして七月第一週目の日曜日の舞踏会。

 それが社交界デビューとなる舞踏会だった。

 毎年その日がそう定められている。


 そして私は社交界デビューする令嬢令息が待機する広間で、ジャレッドから婚約破棄されるのだ。そしてアナへの嫌がらせの数々を指摘され、断罪となる。


「君は社交界デビューするに相応しい人間ではない。ここには一体どういうつもりでいるんだ? 私は君をエスコートする気なんてさらさらない。君のようなヒドイ人間は、公爵家の人間には相応しくないからね」


 おかげで私はその場から屋敷へ戻ることになり、結局社交界デビューはできずに終わる。以後、舞踏会、晩餐会、サロンなどに顔を出すことはない。外出をせず、完全な引きこもりとなり、生きる屍状態になる。


 しかし。


 現時点でも嫌がらせはすべて不発に終わっていた。

 不発……というか、私はシナリオ通りの嫌がらせを実行している。

 だがアナはダメージを一切受けていない。

 そうなるとジャレッドはどうやって私を断罪するのかしら?

 「嫌がらせをしようとした」ということで、断罪?

 でもそれしかないだろう。


 とにかく社交界デビューとなる舞踏会で、婚約破棄と断罪は、シナリオの流れ通りで実行されるはずだ。


 学校行事は今日のフラワーショーで終わり、六月は後期テストの勉強に追われる。そしてテストを受け、お終いだ。その間に、社交界デビューとなる舞踏会で着るドレスを試着したり、テスト勉強の合間にダンスの練習をしたりすることになるだろう。


 きっとあっという間だ。


 そんな風に思っていたら、ちょっとした出来事が起きた。

 でもそれはシナリオの流れとは関係のないことだ。


「キャンデル伯爵令嬢。『本と薔薇の日』で贈っていただいた本。その感想をまだ伝えていませんでしたよね」


 セシリオからそう言われた時は、まるで黒歴史を指摘された心境だった。


「できればその件は忘れてもらってよかったのですが……」と言いたいが、言えるわけがない!


「そ、そう言えばそうでしたね」


「今日はテスト勉強、屋敷に戻ってする予定?」


「図書館でするつもりでした」


 それを聞いたセシリオはその澄んだ碧眼を細め、嬉しそうな表情になる。


「では図書館で席取りをしたら、三十分だけ、カフェテリアに付き合ってもらえるかな?」


 皆がテスト勉強にあけくれる期間。

 通常はランチタイムしか開いていないカフェテリアが、放課後も営業していた。

 皆、勉強をしていると脳が疲れる。

 そんな令嬢令息が糖分補給をできるよう、アイスクリーム、焼き菓子、紅茶といったスイーツを提供してくれるのだ。


「三十分くらいなら、二人でいても問題ないよね?」


 私に婚約者がいることを気にした発言だ。


「はい。それぐらいなら問題ないですよ。むしろお気遣いいただき、申し訳ないです」


「君に変な噂が立ったら申し訳ないからね。では放課後、よろしく」

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