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悪役令嬢です。ヒロインがチート過ぎて嫌がらせができません!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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22/49

22話:皆の期待が高まる。

 前世では、一月から三月にかけ、バレンタイン、期末テスト、入試、卒業式があったりした。


 真冬と呼ばれる季節だけど、それなりイベントが、学校でも世の中でもあった。


 しかし!


 この世界にはバレンタインがなかった。


 それは乙女ゲームならではの理由。

 バレンタインがあったら推し(=攻略対象)に本命チョコを絶対に贈る。

 そうなったら推しは、ホワイトデーで返事をしないといけなくなるのだ。

 好感度ゲージがMAXに近いなら「いいよ、付き合う」だろうし、まだまだなら「まずは友達から始めようか」といったところか。


 でも好感度ゲージの進行具合なんて、プレイヤーそれぞれ。

 バレンタインイベントで告白OKになるため、事前に必死に好感度ゲージを上げるなんてどうなのか、新規プレイヤーは蚊帳の外イベントじゃん!ということで、バレンタイン企画がゲーム内ではなかったのだ。


 代わりなのだろうか。

 バレンタイン限定激甘バージョン衣装&ポーズのガチャが登場し、皆、お財布の紐が緩みまくりだった。


 ということでこの世界にバレンタインはなく。

 九月始業の前期・後期制だから、この時期に入試もなければテストもなく、卒業式もない。


 そこで行われるのが、貴族という立場を踏まえた社会奉仕。

 すなわちチャリティーイベントだ。

 売上金は全て寄付に回す。


 学園内のホールで行われるオークションで、参加できるのは保護者の貴族は勿論、近隣住民=貴族&裕福な市民。出品者も落札者になれる。何より王侯貴族が通う学園なのだ。出品される物も高価なものから希少なものまで、実に幅広い。よって毎年大いに盛り上がると言う。


 特に今年は一年生に、この国の王太子と隣国の第二皇子がいるのだ。


 何が出展されるのか、皆の期待が高まる。


 勿論、誰が何を出品したかは、基本的に分からない。だが物によっては、その価値、来歴で出品者が分かることも多かった。ゆえに今年はセシリオとヴェルナーが出品したものが、高額落札されると予想されていた。


 ちなみに私が出展するのは、アンティークオルゴール!


 蓋を開けると、右側は宝石箱になっており、指輪やブローチを収納できる。左側はダンスを踊るお姫様と王子様の陶器の人形が置かれ、オルゴールの曲に合わせ、回転する。オルゴールのネジの回転の動きと連動する、からくり仕様になっていた。


 子供の頃にお小遣いをためて購入したものだが、蓋の外側には宝石も散りばめられており、自分のお小遣いだけでは足りず、両親がかなり出してくれたと思う。気に入っていたが、オークションでは新品より、アンティークが喜ばれるので、今回これを出すことに決めた。


 私が出展するものはこんな感じだが、それはいい。

 問題は……。


『今日はいよいよチャリティーオークションの日です。会場となるホールにはドレスアップして行きましょう! ドレスコードの一つ、仮面<アイマスク>もお忘れなく。このイベントでは、彼はあなたのために、ロイヤルブルームーンストーンのイヤリングを落札しようとします。ですがここで悪役令嬢のエマが邪魔をするのです。今のうちにデイリークエストでルナコインを貯め、彼を支援してあげましょう。そして何としてもイヤリングを落札しましょう! このイヤリングをプレゼントされ、告白の時に装備すると、告白成功率がうんと高まります! ⇒オークション会場へ向かう』


 悪役令嬢のエマは、落札を目論むジャレッドを邪魔する。ヒロインであるアナへの嫌がらせとして、ロイヤルブルームーンストーンのイヤリングを贈ろうとするジャレッドを、阻止しようとするのだ。つまり競り合う。


 これはルナコインという、ゲーム内で手に入るコインをどれだけ持っているかで、勝敗が決まる。確かに落札できれば、ゲーム内での告白の成功率は上がっていた。


 とはいえ。


 もはやジャレッドのアナへの好感度は、MAXに近い気がする。ゆえに無理にこのイヤリングはなくてもいいのに……とは思う。でもシナリオの流れに沿い、ジャレッドは絶対に落札しようとするだろう。そして私はそれを阻止しようと、頑張ってしまうに違いない。私の意志とは関係なく、シナリオの強制力で。


 結局、競り勝ったとしても散財するだけだ。

 ジャレッドとアナの恋路への影響はないと思う。


 ということで気乗りはしない。

 だが学校行事であるため、行かない訳にも行かず、私は屋敷を出ることになる。


 ドレスアップをする必要はない。ただドレスコードがあるため、一応きちんとしたドレスを選んだ。スカートはオフホワイト、身頃とオーバースカートはラベンダーブルー。そして身頃からウエスト周りにかけ、雪の結晶が銀糸で刺繍されていた。そこにビジューが散りばめられている。


 毛皮が飾られた厚手のウールのロングケープを羽織り、髪はハーフアップ。


 目元には白地に銀細工があしらわれた仮面<アイマスク>をつける。


 午前中の授業は休みで、チャリティーオークション実行委員だけが先に学園へ向かい、準備が進められていた。正門で降り、ホールに向け歩き出すと声を掛けられる。


「素敵なレディ、こんにちは! エスコートしてもいいですか?」


 振り返るとそこにいたのは、銀細工で飾られた仮面<アイマスク>をつけ、アンティークグリーンのフロックコートを着たヴェルナーだ! 


 シルバーの宝飾品で飾られたフロックコートは、さすが皇子!という感じで大変素敵。そしてそのヴェルナーからエスコートを申し出てもらえるなんて!


「君の婚約者はほら、別のレディをエスコートしています。ですから問題ないですよね?」


 ヴェルナーの視線を追い、前方を見ると、ベージュのフロックコート姿のジャレッドがいる。そして彼がエスコートするのは、アザレ色のグラデーションの大変美しいドレスを着たアナだ。


「問題ないです。エスコート、お願いします」


 私がそう答えた時。


「今日はスペシャルで、僕も一緒にエスコートさせてもらおうかな」


 スカイブルーのフロックコートに、純白のマントをつけたセシリオが現れた。

 目元には、白地に黄金が飾られた仮面<アイマスク>をつけており、それはもはや芸術作品! 神々しいばかりのその姿に、さすが推し!と心の中で拍手喝采。


 まさかヴェルナーとセシリオにエスコートしてもらえるなんて!


 両手に花で、チャリティーオークションの会場となるホールへ向かった。

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