テーマ『夏野菜の扉(リレー小説の3回目)』
リレー小説の3回目(最終回)というお題でした。
1回目と2回目は、別の方が書いていて、その続きからになっています。
-あらすじ-
突然、ウサギのお面を被った男に、リレーのバトンの如く、キュウリを渡されて、走れ!と命じられた主人公は、その後も、明るい草原で、馬のお面の男にナスを、夜空の広がる世界で、梟のお面の女にトマトを渡されます。
私は、走った。
「ここ、どこ?」
「夜の終わりの受付です」
受付嬢が言う。
「夜が終われば帰れます」
「本当!」
「登録したパスワードが必要です」
「えっ?」
「彼らが知っています」
いつからかいた、三人が、口々に言う。
「うさぎ、まっしぐら」
胡瓜、食べちゃダメ。
「なすが馬」
牛だね。
「わたし、登録、ふくろう、としたわ」
受付嬢が言う。
「本物は一つです、もう鍵は受け取っていますよ」
鍵、胡瓜…なす…トマト…トマト…
そう…か…
こんな夢を見た。
うわーっ、二か月間の時差ボケで、夢見が悪い。
「朝よ、さあ」
起こしてくれた奥さんに、デジャヴュ。
「ねえ、僕の夢に出てこなかった?」
「さあ、ないな、記憶」
まあ、そうだよね。
あきれたそぶりの彼女。
「やはり早く おきないな、朝」
あれ、今なんか…
ふと、朝食のテーブルを彩るサラダに、確信を深める。
「本当は、キミ、夢の扉、開けたよね?」
笑顔が悪戯っぽくなって。
「いつも、からかうから、かも、つい」
な、なんとか、落ちをつけました!
作中に出てきた回文の一覧です。
①わたし、とうろく、ふくろう、としたわ
②あさよ、さあ
③さあ、ないなきおく、やはり、はやくおきないな、あさ(”さあ、無いな記憶” と ”やはり、早くおきないな、朝” とに分割しています)
④いつも、からかうから、かも、つい
全部わかりましたか?
内容に沿うように、回文を作るのは、ほんと、大変だったんです。
とりあえず、もう二度と回文は作りたくありません!




