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【重要】課長が目覚めたら異世界SF艦隊の提督になってた件です  作者: Edu
【3期目】ニヴルヘイム銀河の侵攻作戦
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第172話 【ジョイントベンチャー】新国家設立

いつもお読みいただきありがとうございます。


「国を……?」

 涼井はアドリアの表情をよく観察した。

 彼女はふてぶてしい笑顔を浮かべていてそれ以上の細かいニュアンスはよくわからなかった。


「そうよぉ」

 アドリアは手をあげてぱちりと指をならす。

 涼井の近くの警護がぴくりと反応したが、バーテンダーがやってきただだった。


「新国家設立……名前はまぁ何でもいいわ。開拓宙域の一部、それから共和国の辺境のハデスとヘラの両宙域、ポセイドン宙域、帝国側は……そうなリオハ宙域くらいまでかしらね」


 涼井がこの世界に転生してきた時、はじめて艦隊戦を戦った辺境。

 そして帝国の工作員が入り込んだ軍需企業のフォックス・クレメンス社があるポセイドン宙域。さらに交通の要衝リオハ宙域。当然、帝国との回廊にあたるアルテミス宙域も含むのだろう。


「……交通の要衝を抑えて軍備も含めて自給自足もできる体制を作るということかな」

 アドリアの目がギラりと光った気がした。


「そうよぉ、恒星系も7個か8個、ロストフ連邦の公式な領土と比べてもそう遜色ないわ。そしてその国家の陣容は……」


クレオパトロス連合公国。

国家元首は"前"アルファ帝国皇帝リリザ。

内務大臣アドリア・ヴァッレ・ダオスタ。

軍務大臣スズハル"前"共和国元帥

外務大臣"元"共和国大統領エドワルド……


「リリザ?」

「……元帥閣下の驚く顔が見られたのは重畳だわぁ」

 アドリアはノンアルコールビールの焼酎割のような味のカクテルをぐいっと飲んだ。


「そしてもう一人。科学技術大臣"前"ニヴルヘイム銀河軍人グリッテル"中将"……」

 

 涼井は飲みかけたカクテルを吹き出しそうになるのを抑えた。

 そしてすっと表情を消す。


「今度は驚かないのねぇ?」

「いや驚いてはいるよ……しかし唐突な話だね」


「もう少し深く聞きたいかしらね?」

「それは意図と背景は聞きたいかな」

 

 アドリアは意味ありげな「にやーっ」とでもいうような微笑を浮かべた。


 涼井としてはこの唐突な構想に驚いてはいたが、何か意味のありそうな話にも見えた。少なくともすべてを彼女が話すことはないのだろうが、後日考察するための取っ掛かりくらいはつかんでおきたかったのだ。


「これは妄想ととっていただいても構わないわよぉ?」

「うかがいましょう」

「アルファ帝国では近々政変が吹き荒れることになるわね……その時、その中心となるのはヴァッテ・ダオスタ公……」


 涼井はだまってカクテルを飲む。喉をすべり抜けていく炭酸が心地よかったが、何かじっとりと嫌な空気を感じていた。


「ヴァッレ・ダオスタ公はすでに脱獄しているけどねぇ、それを外から支援しているのはシャリュトリューズ伯爵……リリザの公国を乗っ取ったリリザの叔父よ」


 アドリアは言葉をつづけた。


「そのヴァッレ・ダオスタとシャリュトリューズは急速に帝国を掌握したリリザの反対勢力と裏ですでに手を組んでいるわ。そしてその最初の動きがリリザの腹心の暗殺……カルヴァドス伯……いまはミッテルライン公ね、そのあたりが危ないんじゃないかしらぁ?」

「……」

「そして彼らはロストフ連邦の領土内に逃げ込んだニヴルヘイム銀河の巨艦群を率いるグリッテルにすでにアプローチを試みている……彼らの武力も取り込みリリザを追放した後は正式にアルファ帝国皇帝の位をヴァッレ・ダオスタ公爵が引き継ぐ……」


「なるほど非常に面白いストーリー(・・・・・)だと思う」

「気に入っていただけたかしら?」


「問題はなぜそれに対して父親であるヴァッレ・ダオスタ公の意図と反するような構想を持っているかということだと思うが」

 涼井は素直に疑問をぶつけた。


「問題は……」

 アドリアの瞳からすぅっと色彩が消えた。

 表情を隠しているというより虚無のような状態だ。


「共和国に捨てておいたあーし達に今更コンタクトをとってフォックス・クレメンス社の工作に参加させていたこと。そして今回の件でも大統領選に参加できるだけの金銭的援助はあったけど、ヴァッレ・ダオスタが皇帝になることにメリットはないのよ」

「ほかに嫡流が?」

「……そういうことね、危ない橋はあーしたち公爵位の継承権も底辺のような身内未満に渡らせる、そうしておいて美味しいところは持っていく……その話が気に入らないのよ」


 涼井の頭の中でようやく流れが整理されてきた。

「なるほど、どうやっても今後帝国で確実に政変がおこる。いまの体制のままではニヴルヘイム銀河にも帝国の政変にも対応ができない……」

「そして当然、あの男は共和国の中にも混乱を呼び起こそうとするわねぇ」

「そうなる前に共和国と帝国にまたがる要衝を抑えてしまい双方に対応する準備をするということか」


「……さすがスズハル元帥、理解が早いわ……不自然なほどにね? ……まぁいいわ、返事はもらえるのかしら?」


 涼井は営業スマイルを浮かべた。

「お話としては承りました。相談しなければならない相手もいるので……来週同じ時刻にここでは?」

「ふ……食えないわね、思っていたよりも面白い男ね、あ・な・た」

 アドリアは白い歯を見せて笑い、すっと立ち上がった。

「会計はもたせていただくわぁ……また来週……返事を待っているわよぉ」


 彼女は去っていった。

 バーに一人残された涼井はアドリアからの話について考え込んだのだった。


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