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俺は勇者じゃなくて、釣り人なんだが  作者: 夢野楽人
第二章 騎士と姫

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俺はお守りで戦いは女達にまかせるしかない

「ドリスお姉ちゃん!」


 ドワーフの子供らが俺達に気づいて声を上げる。

 助けが来たから無理もないが、ゴブリン達にも発見されてしまう。


「まずい、子供達が見つかった!」


「まかせて! ナイアスの守り!」


 フローラが盾精霊を召喚して子供を守る。

 棍棒を振り下ろしたゴブリンが、バリアに跳ね返された。間一髪だった。


 俺達が子供達の元へ駆けつけると、子供達は抱きついてきて泣き出した。


「ドリス……お姉ちゃん……うええええん!」


「もう大丈夫じゃ。海彦、子供らを頼む」


「ああ」


 俺は子供達のお守りをすることになり、戦闘はしない。いつもハブられるー!

 すでに女達はゴブリンと戦い始めていた。


「どりゃ――――!」


 リンダは剣を振るい、血の雨をふらせていた。鍛冶師だけに剣の扱いに慣れている。

 オグマさんほどではないが、強い女剣士だ。


 エルフ二人は矢を連射して、ゴブリンを次々倒していた。

 こちらは一本たりとも外さない、弓手アーチャーである。


 敵の数が減ってくると、ハイドラは弓を捨てて鞭を手に取る。

 殺傷力はないはずだが、普通の鞭ではなく銅線で出来ている特注品。


 ハイドラが振るった鞭がゴブリンの体に巻き付くと、


「イシュクルの雷光!」


「ンギャアアアアアアア!」


 高電流が鞭を通して伝わり、ゴブリンは悲鳴を上げて黒焦げになる。

 肉が焼けて、ブスブスと煙が上がっていた。電気鞭による感電死である。


 思えば最初の神怪魚ダゴンはハイドラが仕留めているので、電気の効果は抜群だ!

 暴走族からSMの女王様になっていた。


「おーほっほほほほ! 気持ちいいでしょ? 昇天させてあげるわん!」


「ハイドラ、調子に乗るなー!」


 フローラは周りに目を配り、みんなを魔法で守りながら戦っていた。

 戦局全体を見回しているので、リーダー向きと言える。


 ドリスは俺の近くで、後に回り込んでくるゴブリンを排除していた。


「くらうのじゃー!」


 槍斧ハルバードが一閃するたびに、ゴブリンが倒されていく。

 その動きは華麗で無駄も隙もない。ドリスは技の達人だった。


 女達の活躍によって、ゴブリンは駆逐されていく。あと数匹……


「やばい! ボールをかりるぞ!」


「うん!」


 俺はボールを上げて、一人スパイクを打つ!


 ボールは茂みから現れたゴブリンに命中した。


 当たり所が悪かったのか、そのまま昏倒してしまう。バレーの技も使えるな。


 ドリスを後から襲おうとしているゴブリンはもう一匹いた。くそ、間に合え!

 ビーチフラッグの要領でダッシュし、タックルをかました。


「海彦ありがとなのじゃ! えい!」


 ドリスは倒れたゴブリンの頭を、石突きで潰す。


 

 これで終わりかと思っていたら、仲間達はジリジリ後退して固まってしまう。

 いつのまにかゴブリン達に包囲され、犬たちは吠えて威嚇している。


「おかしい? ゴブリンの数が増えてる!」


「あんだけ倒したのにー!」


 こいつらどっから湧いてきた? 見張り台で見た時には、そんなに数はいなかった。

 原因を考えてる暇はなく、俺達はピンチに追い込まれていた。


 もはや逃げ場はなく、ゴブリンどもは一斉に襲ってくる。


「ナイアスの守り!」


 フローラが精霊バリアを張って何とか防ぐ。それも長くは持ちそうもない。

 苦しい顔をしてるので、魔力切れが近いのだろう。


 他の仲間達も息が荒く疲れていた。俺は覚悟を決める。


「俺が囮になる。お前らは子供達をつれて逃げろ!」


「駄目よ、海彦!」


 止められるのは分かっていたので、俺は勝手に走り出す。


「来いよ化物、こっちにこい!」


 がむしゃらに剣を振り回して、ゴブリンの注意を引く。


 当てるつもりはなかったが、まぐれで数匹を斬ることが出来た。


 チャールズさんが作った剣が凄いのだ。軽いし切れ味も鋭い。


 これに怒ったゴブリン達は眉を吊り上げ、俺に向かってきた。


 狙い通りだ、みんな上手く逃げてくれよ。あとはやれるだけやってみるさ……

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