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「凄い!!  凄いですじゃ!!」


 そんな風に私の――いやG-01の手のひらの上ではしゃいでるじいさん。この老人の名前は……まあなんか長かったからジャル爺と予防。あだ名的には間違ってないと思う。ジャル爺は老人の癖に子供みたいにはしゃいでいた。ついさっき故郷を潰されて自分も死を覚悟してたとは思えない爺さんである。図太いというかなんというかね。まあ空を飛ぶなんて世界によっては体験し得ない事だろうしね。そもそも私達は普通に飛んでるが、この世界はどんどん上昇して終いには到達してしまうと終わりという世界である。実を言うと結構頭とか背中が熱い。

 飛ぶという行為は、自分から太陽に近付く行為でそれはこの世界ではあり得ない発想なのかもしれない。こんな事をやるのは自殺志願者とかしかいないのかも。


「こうやって見ると、世界も捨てた物ではないですな」


 そんな事をしみじみと呟いてる。この人は私の事をどう認識してるかわからないから、別段話もしない。なんかポニ子が「ポーニー」とか良いながら、方を叩いてるけど、私はノータッチだ。なんかこのジャル爺の中では、私は勇者に付き従う巨大な何か……という位置になってるようだし、まあそれでいいよね。訂正する必要もないし。


「おお、もう見えてきましたぞ!!」


 そういうジャル爺の言葉はまあ遅いよね。私達的にはとっくに見えてたし。なんか異世界人的なチートな能力はもってないんだろうか? いや、異世界人が皆チート持ちとかあり得ないんだけどね。見えてきた街は……まあ最初の砂に埋まってたジャバルジャルがどの程度の規模かわからないからなんとも言えないが、とりあえず高い建物はない、白い小さな建物の集合体って街だった。一応砂以外もあるんだねこの世界って感じで、地肌が見えてる部分は堅い硬質な岩? みたいで、一応緑もある。大きなオアシスがここを支えてるのだろか? あんな化け物が砂から出てくるっというに、街の周囲には壁とかはない。まあ見た感じ、木も貴重そうだしね。一応、なんか砕かれた岩みたいなのか、山積みになってるのがところどころあるが……まさかアレを崩して雪崩みたいな感じで使ってるとかないよね? どんだけ原始的ななのよ。


 あんなんじゃ、ここも近いうちにジャバルジャルみたいなに成るんでは? 


「おい、このまま空から行ったら不味くないか?」

「それは確かに……どう思いますか?」


 勇者は魔王の言葉を受けてジャル爺に意見を求める。この場でこの世界に一番詳しいのは彼だからね。ジャル爺に意見を求めるのは間違いじゃないだろう。


「そうですな……お三方の尊厳を示すために空から広場にいきましょう! なに、お三方なら、誰もが天の使いとしてひれ伏しますじゃ!! がははははは!!」


 このジジイ大丈夫か? とか私は思った。まあけど選ぶのは勇者達だ。今回は私は大きすぎるから、あんまり前に出ないのだ。とりあえず一応ジャル爺の意見は採用された。そもそもが私が居る時点で隠れるのが不可能だからね。私達はこの『アズバインバカラ』に直接乗り込むことになった。

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