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『地獄……ではないですが、それに近い場所ではありますね』


 そういう聖剣アルバラード。なんだやっぱり地獄じゃないか。そんな事を思ってると、目の前の変な存在がこっちにくる。


「くるな!!」


 俺はそう言って腕をふるった。ビチャン――とその体の一部がはじける。けどそれだけだ。奴は堪えてない。なんなんだこいつ。するとそいつはどんどんと大きくなっていく。


「なっ……! アルバラード!!」

『すみません。今、私はそこに行くことは出来ないのです』

「どうしてだ? お前はそこに居るじゃないか!!」


 そんな事を言ってる間にも、どんどんとこの変な存在が大きくなって迫ってくる。聖剣があれば、こんな奴を一刀のもとに斬り伏せるなんて簡単な事だ。けど……アルバラードは来てくれない。強く繋がってるからこそ、こいつはここに現れてるんじゃないのか?

 ならその繋がりを経由してこれたりしないのだろうか? 


『すみません。ですがここで私がでることは出来ません。何故なら、私も同時に死んでるからです」

「俺は……負けたのか……」

『そうですね。私達は負けました』


 思い出してきた。確か俺は深淵で気持ち悪い化け物と戦ったんだ。そして……そこで記憶は途切れてる。でも答えは簡単だ。なにせ今の自分の状態が答えだろう。自分は死んでしまってる。それで勝敗を察する事は出来る。


「そうか……」


 その瞬間、俺は変な生物にのみこれまた。内側はなんかベタベタする。でも抵抗する気は起きなかった。なにせ自分は死んでるんだ。既に死んでる奴が抵抗して何の意味があるだろう。結局、俺は……何も成し遂げられなかった……そういう事だろう。


 元いた世界に戻る……そんな目的も早々に潰えてしまった。



『何を思ってるのですか。それは確かに不気味ですが、それは死の案内人ではありません。それ自体が世界なんです。探してください、私と同じ力を……サンクチュアリを』

「アルバラード……」


 終わってない? 世界……探す? どういう事なんだ? わからないことが多すぎる。けど、確かに俺はまだ、自分という存在を保ってる。まだ消えて無いのなら、終わってはない……のかもしれない。世界……この変な見た目の奴が? 


(気持ち悪い……)


 なんだか具合が悪くなってきた気がする。手足の先もしびれる様な……毒では?


『別の世界と馴染む為です。我慢しなさい』

「馴れるため?」


 一体何をされてるんだ? わからない。


『集中しなさい。アナタなら出来ます』

「くっ……」


 訳わからないが、やらないといけないらしい。聖剣アルバラードと同じような力……サンクチュアリを……集中して力を放ってると、何やら変な感触が……いや全身変な感触に包まれてるが、変なあったかさを感じた。見てみると、最初のサイズの変な存在か腕に絡まってた。なんと無く気持ち悪いから、腕を振るう。水の中の様にゆっくりとしかうごかないから、意味なんてないかもしれない……とか思ってると俺の腕が肩からボロリととれた。


「はっ?」


 流石に一瞬頭が真っ白なった。

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