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「今から二人の魂をヴァイスに入れる!!」

『それには条件が揃ってません。危険です』

「大丈夫ってポニ子が言ってる!!」

『ポニ子って誰ですか?』


 AIが冷静にそんな事を言ってくる。そっか、そう言えば『ポニ子』って私の脳内設定だった。AIにはわかんないか。けどここでいちいち説明してる時間はない。鯨があれを放つと……放つと、ここら辺全てなくなりそうだけど? いいのそれ? 冷静に考えたら脅し……では? と思えてくる。でも別の世界の奴らを自分たちの常識で計るとかしてはイケないのだ。

 だって全然違うんだもん。だからやはり撃ってくる可能性はある。確実じゃない事に希望を持つなんてダメだよね。ここはポニ子の提案をのんで置くのがいいと思う。AIは止めるけど、私は私が支配したポニ子を信頼してる。


「とりあえず二人の魂はヴァイスに入れるから!」


 既にもう一つも見つけてる。本当ならもぎ取ったりしたいところだけど、ポニ子曰く、ちぎらないで欲しいらしいから、そのままでいくよ。まずは目の前のヴァイスに私は目玉を押しつける。ヴァイスとアビスの力はシンクロしてる。それを使って私は勇者の魂をヴァイスへと送り込む。


 するとそれを見届けてからポニ子が号令を出した。


「ポニポニポニーーーーー!!」


 そしたら私が支配してたそのほかのポニ達が変な動きしながら、勇者が入ったヴァイスへと取り付いていく。何やってるか知らないけど、このまま見守ってることも出来ない。だって何か叫びながら、鯨はとうとうそれを放ってきたんだ。


 めっちゃゆっくりと向かってきてる。なんか極彩色の強烈な塊だ。見た目でやばい。流石にヴァイスの中に二人の魂を入れたからってあんなのがぶつかったら持ちそうにないよ。私もG-01が耐えられるか……でもやるしかない。私は魔王の魂も別のヴァイスにいれて鯨の放った攻撃と向き合う。


 まともに受け止めてもあれはダメだろう。それだけの力――を感じる。


「ぽに」

「ポニ子……」


 ポニ子が何やら周囲の木々や葉を指さしてる。何? 私的にはそれらが障害物になれば良いな……的な考えがあったんだけど……


「ぽーに! ぽーに!」


 何やら押すようなジェスチャーしてる。むむむ? 邪魔だからどかせって事? どかせって言っても、私には武器がナイフしかないんだよね。流石にこの巨大な木々や葉を斬るのは間に合わないよ。ごめんねポニ子、私にはその手段がない。


『周囲の木々を退かしたいのですか?』

「まあそうだけど、流石に腰にあるナイフじゃ無理じゃん」

『そうですね。ですがブースターを改良すればいけるかもしれません』


 なんとそんなことをAIが言ってきた。

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