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「つっ!?」


 私は緑の奴と重ねた手を思わず離した。なんかとても変な感じがしたからだ。まるで何かが私の中にはいってきてた様な……


「ぽにーー」


 不気味な見た目でそういう目の前の奴。葉っぱに空いた瞳の奥は虚空で何の感情もよみとれない。けど何やら不思議そうに声を出しつつ、首をかしげてる。


「ぽにぽ?」

(なにしたの?)


 って言ってみた。けど目の前の存在はなにも言うことなく、傾けた顔のままジッとしてる。


(だから怖いから!)


 傾いてるせいで余計に怖いよ。けどどうやら、どうしても私と手を合わせたいらしい。まあ私美少女だしね。触りたい、触れたい、と思うのは自然な事だと思う。まあ奴にそんな感情があるのか疑わしいが。


「すーはー」


 私は深呼吸をして決意を固める。そしてもう一度その存在と手と手を重ねる。不思議なもので、別に重ねた感覚なんて物はない。やっぱり実態を伴ってないのかも。私の手に奴の手が埋まってくる。そしてそこからやっぱりなにか流れ込んでくる感覚。さっきはこの感覚にビックリして手を離したが、今度も覚悟をしてたから引いたりしないよ。私はこの感覚がなんなのか探るよ。


 なにせ私は自分の力を寄せる事が出来た女である。ならこの感覚にだって寄り添えるのではないだろうか? 違和感は体が初めての事にビックリしてるからだよね。


「うにゃ!?」


 思わず変な声が出た。なぜなら、奴と重なってる手が緑色になっていってた。重なってる奴と同じ色にしようと……そういう支配の仕方? まさに俺の色に染めてやる的な? とんだ亭主関白野郎である。けどここで引くわけにもいかない。でも自分の体の色が緑になるなんて我慢ならない。

 だってせっかくのピチピチの肌なんだよ? まあピチピチ具合は変わらないかもしれないが、色が緑はちょっと……なのでこれ以上新色される前に食い止める。


「むむむ……」


 入ってくる力を感じて、それに併せていく、そのせいで更に早く、私の体が緑色にそまっていく。すると瞼の裏に何かが浮かんでくる。それはとても大きくて……雄大な……何か。思考がそれに浸食されそうになる。多分こいつは私を同化させようとしてるんじゃないだろうか? 

 もしかしてこの世界に来た奴らをこの間抜けそうな見た目の奴らを使って接触させて、同じような存在に落としてるのかも。今のはその黒幕の姿なのかもしれない。このままだと私ももしかしたらこんな見た目に……恐ろしい!!


(させないよ!!)


 私は力を併せて、逆に自分の力で押し返して目の前の奴に送り返しやる。すると一瞬ビクンと跳ねた。けど逃がさない。がっちりと掴む。まあ物理的には掴めないけど、力と力が絡み合ってるから向こうは引けないようだ。私の体から緑の成分が徐々に抜けていく。そして逆に、私は目の前の奴を浸食しだす。

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