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 私は二つの目を合わせ鏡の様に向かい合わせる。とりあえずその内側に自分が……具体的にはG-01だけど……が入る。


「感じる……感じるよ」


 今の私はアビスの力を操る術を理解してるといっていい。しかもこの目と目が合わさっただけの力には方向性なんかない。ただ純粋な力である。私はこれの何倍も難しい力に合わせてきたのだ。最初の時はただなんか暖かいな~位しかわからなかった。けど今の私は違う。

 バージョンで言うと大型アップデートを挟んだ前と後くらいの違いである。


「そう、今までの私とは違うのだよ! 私とは!!」


 私はそう言って高笑いをする。軽い軽い。実際目よりも私のほうがでかいし、八割方目の視界を覆ってる訳だけど、力の循環はちゃんとしてる。だからどんどんと力が高まってるのがわかる。このままではそのうちこの力に耐えきれなくなって、アビスの目玉は崩壊する。

 けどそれをさせないために私が間に入ってるのだ。上手く私が緩衝材となることで、目には一定の力だけを渡していく。そしてどんどんと私へと力が溜まっていく。


「これってG-01が爆発するってことないよね?」


 それだけが心配である。だって目玉は吹き飛んでた。それがG-01で起きないといえるだろうか? でもAIがこう言ってくれる。


『その心配はありません。G-01のエネルギー貯蔵量はルドワの環の法則を組み込んでます』

「……なるほど!」


 ルドワの環が何かはしらないが、おそらくめちゃくちゃ蓄えられるということなんだろう。そういうことにしとく。まあけど、ある程度調整したら問題ないと判断できる訳だし、止めないとね。止める事までできたら、これもう、私はアビスの力を掌握したと同等ではないだろうか? 自分の才能が恐ろしい。


「さて、もういいかな?」


 私は何だか、お腹いっぱいになった気がする。もしかしてエネルギーが私の食事? 出したままのお腹をさする。別段膨れてるわけじゃない。寧ろ肌触り良すぎる位にスベスベだ。きっと異性とかなら舐めたくなる程のお腹だと思う。

 まあみせる事ってないんだろうけど。だってなんか私の全てってここで完結しそうなんだよね? 生理現象とかどうなるかわかんないけど、G-01は私がここだけで生きていける様に出来てる気がする。それにAIが外には出れない的な事を言ってたしね。

 エネルギーが私の食事でもおかしくない。まあそもそも食べものってエネルギーが形を成してるだけだけど。


「むむ……」


 私はお腹もいっぱいに成ったし、力に干渉してプツンと二つの目玉の循環を途切れさせる。すると二つの目玉は大人しくなった。よしよし、完璧だね。 


「では本命行きますか!」

『そうですね』

「今度は止めないんだ?」

『止める必要性を感じません』


 どうやらAIからのお墨付きももらったみたい。ようやく二人の復活の時だ。

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