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なんか抜けてたみたいなので投降しました!

「何事ですか?」


 そういってその場に現れたのは一人の神父だ。まあネタバラシをすると俺である。一応神父の服装はわかってるし、一人だけに幻覚を見せる……くらいは簡単だ。

 普通ならこんな砂で視界か悪い中、一人で神父がここにこれるか? って疑問が浮かばないといけないと思う。だってありえないし。でも所詮はアヴァーチェも王族とかいってても、まだまだ子供である。協会の人が来てくれたと思って安心した顔をした。

 まあきっとここには神父なんて腐る程いるだろう――という理由で適当なイメージで神父の顔を作ってるが、アヴァーチェには受け入れられたらしい。よかった。


「神父様! すみませ何が起きたかはちょっと……それよりもプライムが! プライムが協会があ――」


 そこで言葉が途切れた。プライムが協会を批判してた――なんて言ったら、自分の弟が何かの処罰を受けるかもしれない。そんな考えが頭をよぎったのかもしれない。ここまでかなりイライラさせられたと思うが、それでも自分の弟をかばおうとするのか……


(協会に染められてるだけで、いい奴ではあるんだな……)


 まあよく考えたらそれは最初からわかってたことだ。なにせ周りの子供たちにも慕われてたし。一目もおかれてたが、それでもなお慕われてるって凄い。

 一目置かれると、下手したら遠巻きとかにされるじゃん。それに実際アヴァーチェだってプライムほどではないにしろ歳よりも賢いと思う。そうなると年相応の子供たちなんて「馬鹿だなー」とか思ってもおかしくないじゃん。

 でもそうではなくて、きちんとアヴァーチェは他の子供たちの面倒とか見てた。だからこそ一目おかれてるに、皆に慕われてたんだろう。なかなかに王というか上に立つ者の才能って奴があるのだろう。


 協会を絶対に正しいと教えられて、刷り込まれたその考え方だ。だからそれを壊そう。まあだますようなことになるが……大丈夫。協会だってだましてる。


「なんですかな? それにあの子は……」

「あの子は私の弟なんです」

「なるほどなるほど……」


 顎をさすり、片目をプライムに向けると、プライムは察してくれたようだ。状況的に考えて、きっと俺が何かをしてると、考えたんだろう。ちゃんとわかってくれると思ってたよ。


「神父様、質問があります!」

「失礼だぞプライム!」


 ぶしつけに、質問をしだしたプライムにアヴァーチェはたしなめるが……でもここでちゃんと言ってくれないとこまるからな。


「いいですよ。聞きましょう」


 この状況では避難の方が先では? と普通は思うが、アヴァーチェはそれよりもプライムの質問の事の方が気になるようだ。


「こほん。それでは神父様。質問させていただきます。どうして私たちはここに、協会にいるのでしょうか?」


 ふむ……まあ適当に答えておくか。

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