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 俺の光がふわふわと協会の建物へと近づいていく。一応協会の建物の傍で慎重になってみる。そして一回素早く、建物の境界を出たり入ったりしてみた。

 そもそもがなんか協会の境界を超えるのに違和感があるが、何かが反応してる様子はない。


(いけそうだな)


 俺はそう判断して光の玉をもう一度協会の内側へと送る。どうやらちゃんとカモフラージュはできてるようだ。やつらも流石に自分達の総本山に昨日の今日で来るとは思ってないのでは? 一応色々と俺の力の分身で動いたが、大丈夫そうなので自分もカモフラージュして協会へととりつく。とりあえず一番高い出っ張ってる部分におりたった。この世界、屋根にはとげがいっぱいついたようなシンボルが飾れてる。多分太陽を模してるんだと思う。

 罰当たり的にも俺はそこに降り立った。まあ俺はこの世界の宗教を信じてないしいいだろう。


(反応はないな)


 巡回してるいつもの変な格好してる協会の信者共に変わった動きは見られない。そう思ってると、何やらその変な格好してる奴らが集まってる場所があった。中庭的な部分に奴らは集まってるらしい。


(ついでだしな)


 俺はたくさんの光の玉を放つ。これでこの協会の建物を把握しようというわけだ。一応王様達の子供たちがいるらしい場所は聞いてるが、そこに絶対にいるとは限らない。だから色々とこの建物の中を把握するのは大切だろう。それにこれならよほど特殊な場所じゃなかったら潜入できるし。


 近くに飛ばせば音声だって拾える高性能な光たちだ。


(なになに)

「王宮が怪しい動きをしてるようだ」

「ならやはり我等で王宮を落とすと?」

「一応まだ利用価値はある。王族を挿げ替えるだけなのかもしれない」

「なるほど、だからこの新たな力の実験に怪しい動きをしてる奴らを使おうとそういうわけか」

「世界を救おうとしてる我らの邪魔をするというのであれば、それをやむなしだ」


 めっちゃ物騒な事を言ってる。まあペニーニャイアンを手引きした奴らがいる時点で、王宮内部に裏切者がいるのは確定的だからな。でも予想以上に、協会の動きが速い。こっちも予想以上に早く動いてる気がしてたが……いやだからか。

 逐次情報が筒抜けなら、俺たちが明日には王都を立つ計画もばれてるのかも。それならその前に……って事か。さすがに王宮を火の海にするわけはないだろうから、暗殺的に事を運ぶ気なんだろうが、このままではまずいな。

 なにせ城の戦力よりも協会の戦力の方が高いからな。先に動かれたら、王様達はおわりだ。魔法で眠らせて……


(さっき起きたばかりなんだよな)


 まあ魔法で眠らせるのに眠気とかそこまで関係ない気もするが、でもこの世界の住人は世界に強制的に眠らされてるからな。下手に効かない魔法を発動すると気づかれる可能性もあるな。しょうがないか。


 俺は周囲を確認して、一瞬で協会の奴らが集まってる場所へと降り立った。俺がいきなり現れたことで、一瞬会話がピタッと止まる。でも次の瞬間にはすべての奴らが地面に倒れ伏した。十人くらいはいたが、むしろその程度でよかった。更に倍くらいいたら、流石に一瞬では難しかったかもしれない。


(こいつらが王様達を殺せるのは替え玉前提の子供たちを確保してるからだよな)


 なら、その子供たちを救出できれば協会も下手に王様達を殺そうとはできなくなるはず。さっさとやることをやろう。俺は協会の内部へと足を進める。

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