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 とりあえずは俺は自分の力を分けて不安定なピローネを安定させることにした。ピローネの体が光、その瞳に理性が戻っていく気がする。


 実際、何をやったらピローネの意識を保っていけるのか、そこら辺は実際よくわかってない。ただやっぱりだが、ピローネのこの体はとても燃費が悪いみたいだ。

 ペニー二ャイアンはピローネを無理矢理変えたというのはその通りだとは思う。力を最大出力で常に出すんだと思うんだ。

 だから制限が意図的にないというか……多分この体を維持するためだけに大量のエネルギーを使ってる。多分ピローネのこの体は意識よりも体を優先してるんだろう。

 だからエネルギーが少なくなってきたら、理性をなくして周囲から無理矢理そのエネルギーを得ようとするようになってる。

 まあつまりは、無差別に周囲を襲うようになってしまってるってわけだ。


 はっきり言って、このままの状態だと、ピローネはそのうち辛いことになるだろう。いや、こんな姿してるってだけで、実際は辛いことになるんだが、幼いピローネはまだそれがわかってないからな。

 でも、自分の体が自分の意思でどうにも出来ない状態ではそのうち悲劇は絶対に起きる。確かに、ピローネのことを思うとさっさと殺した方がいいのかもとか思う。今こうしてピローネを殺さないのは自分の中の打算もある。

 なにせピローネは協会の犯罪の生き証人という証そのものだからだ。


「こいつが誰かわかるか?」

「ペーニャ?」


 俺が力を分けたからか、俺の質問にもちゃんと答えることができるくらいにはなった。けど、かなりの力をもってかれたな。まあだが、問題はない。なにせ今の俺はこの世界の力を変換する術を手に入れた。補充はできるだろう。


「勇者様、なぜに」


 王様がそんなことを言ってくる。俺がピローネの顔を掴んでそのまま握り潰すとか思ってたんだろう。みんなそれを期待してたと思う。

 けどそんな簡単にこっちのカードを手放す気はない。


「ピローネはまだ使えるからです。ピローネはまさに協会の悪事の象徴ですからね」

「なるほど……ですが……」

「大丈夫ですよ。自分がいますから」


 これからは常にピローネの側にいた方がいいかもしれない。それか何か対策を講じるか。てかピローネは純粋なんだしこっち側に引き入れたい。実際別にペニー二ャイアンとピローネの間に契約的なものはなく、ピローネを縛るものってないんだよな。

 けど、どうやらピローネは一番ペニー二ャイアンの言うことを聞く。その意識を変えれば……でもいきなり他人の意思をすり替えるのは大変だ。なら−−俺は自分に魔法をかけた。


 するとその体がペニー二ャイアンの姿へとなっていく。


「ピローネ、ここにいる人たちを襲ってはいけませんよ? わかりましたか?」

「ペーニャが二人? うん、わかった!」


 よしよしこれでいいだろう。ピローネは純粋だからこそ、こういうのでどうにかできると思った。まあ理性が無くなった状態じゃ、意味ないだろうが……とりあえずこれで理性がある間はここにいる人たちを襲うことはないだろう。

 さて、そろそろ王様達をどうやってこの王宮、いや中央という牢獄から出すか考えないとな。

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