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「大丈夫なのか信じて?」

「一応周囲は探ってますが、敵対的な奴らは今の所いないですよ」

「へっ、流石勇者の旦那だな。わーったよ。俺たちはそもそもあんたについてきたんだ。あんたが決めたらそれでいい」

「それじゃあ皆さんもいいですか?」


 賞金稼ぎの皆さんは納得してくれた。ならあとはフェア含む、メイドの皆さんだけだ。


「私たちに聞く必要はありません。決定権なんて私たちにはないのですから」


 そういって頭を下げるメイドの一人。フェアも慌てて頭下げてた。まあメイドだし、使用人には主の決定が全てってのは間違ってない気がする。でも俺は一人一人の意思を尊重したいんだ。


「それもわかるけど、それでも何かあるならちゃんと言ってほしい。誰が、大切なことに気づくかなんかわからない。自分という視点、賞金稼ぎの彼らの視点、ローワイヤさんの視点、そして君たちの視点。

 同じように見えても、きっといろいろと違うから。だから遠慮なんてしなくていい。君達だって大切なんだ」

「「「はう……」」」


 なんか真面目なことを言ったら、メイドの二人がフラッと崩れ落ちる。もちろんフェアもね。どどどどうした?


「そ、そういう所ですよ勇者様」


 フェアにそんな風に言われてしまった。そういう所といわれてもな……本心を言ったまでだ。やっぱり自分だけでは視点はどうしても狭まってしまう。だからこそ、いろんな立場の人たちの視点と意見で総合的に俯瞰することって大切なんだ。

 そういう……まあただそれだけだったんだが……


「わかります。勇者様にはそういうつもりは全くないんだって……でもですね……そんな勇者様だから素敵なんです」


 なんかいきなりこっぱずかしいことを言われた。とりあえず「ありがとう」とは返しておいた。とりあえず皆、あの二人についていくのは反論ないらしい。結界を解いてみんなで彼女たちの元へ。

 もちろんペニーニャイアンとピローネも忘れてはならない。


「旦那にばっかり、負担を強いるわけにはいかないからよ。こいつらは俺たちが……ってうお重!?」


 賞金稼ぎの一人がそんな風におどろいた。ペニーニャイアンは普通に担ぐことができたが、ピローネを担ごうとしたら「重」っという言葉が出てた。

 女性にそんなことを言うとは……まあ女性以前にピローネは子供だが……でも確かにピローネはあの小さな体に不釣り合いな重さをしてる。

 たぶんいろいろと変異してるからだろう。


「それはペニーニャイアン様と……」

「こっちはピローネだ。ローワイヤさんの後釜の神託の巫女候補だったらしいが、いろいろとあってね。えっと……連れて行っても?」

「勇者様の良しなに。貴方様がいらっしゃれば問題ないかと」

「こちらです」


 なんか文句言われるかとおもったが、全然そんなことはなかった。とりあえずピローネは俺が担いでいく事にした。俺たちは先行する二人のお姉さんの背を追いかける。

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