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「老子……貴方は……」


 何かローワイヤさんが思ってそうな顔をしながら、そうつぶやいた。まあ僕たちの中でこの老子バンドゥンとつながりがあると言ったら、ローワイヤさんしかいないからね。何か昔の思い出なんかがあるのかもしれない。僕は倒れて動かなくなった老子バンドゥンへと近づいた。そしてその顔くらいは拝もうかと思って、そのローブをとってみる。


 すっぽりとかぶるタイプだから、顔だけ出す……には全部脱がさないとだめなのか? とか思ったけど、よく見たら、チャックみたいなのがあった。ちょうど模様で隠されてるけどね。首回りをグルっとしてるのがある。それを弄ってみると、フードだけが取れる。まあこうできないと不便だしね。一応このローブも利便性ってやつを考えられてるらしい。


「これは……」


 俺はローブをはぎ取って驚いた。なにせそこにあったのは、まるでミイラかのような、干からびた死体だったからだ。はっきり言って、これがさっきまで動いてたのか? っ思う。それくらい骨と皮しかない。かなりの年月を生きてたらしいし、ここまでなっててもおかしくはない……のかな? 


(周囲に敵は……いないな)

(マイロード、気づいてると思うが……)

(知ってるよ。でも敵意はない)

(流石はマイロード、そこまでわかるとは、感服します)


 ノアの奴がうるさい。とりあえずこいつにも聞いてみたが、ノアは老子バンドゥンのこれが本体かどうかはわからないらしい。中身をしらないのか、ただ単に覚えてないのかわかんないが、とりあえずこれが本当に老子バンドゥンなのかを知るには……


「ローワイヤさんいいですか?」

「はい勇者様」


 俺はローワイヤさん呼んだ。周囲にはもう敵はいないから彼女を手招きする。結界から出てきた彼女にローブをとった老子バンドゥンを見てもらう。


「えっと、けっこう衝撃かも知れないですけど……」


 そんな前置きを置いて見せてみたが、別にローワイヤさんは反応しなかった。からっからのしわしわの人間が動いてたってかなりの衝撃のはずだが……やっぱりこれが老子バンドゥンで間違いない?


「どうですか? これが老子バンドゥンで間違いないでしょうか?」

「からっからですね」

「……ですね」


 最初の感想それなんだ……って思った。


「それで……これは――」

「うーんこんなんだったような気もするけど……こうじゃなかった気もします。だって私が知ってるのはこんなからっからじゃなかったですし」


 なるほど、からっからになってるせいでわかりづらいってのはあるかもしれない。ローブのせいでわからなかったが、実際最初からこうだったのだろうか? 普通に中身が入ってる感じだったような気がするが……でもそれならなぜにこんな風に? って疑問もできる。


「何か、老子バンドゥンを証明するものとか……」


 何かないかなとローブの中を探ってみる。するとネックレスを見つけた。結構特徴的な形をしたそれは一点もののような気がする。


「これは……」

「それは見たことあります。確かに老子バンドゥンがしてたと思います」

 

 そういってくれるローワイヤさん。ならやっぱりこれは本物……と思っていいのか? こういう生きあがく奴ッてしぶとい感じがするからな。これで死んでくれてたらいいんだが……


「お疲れ様です皆さん」

「誰ですか!?」


 ローワイヤさんは素早く俺の背中にくっついてくる。どさくさに紛れてない? まあいいけど。でも敵意はないから心配する必要はないと思う。


 現れたのは煽情的な体をした二人の女性。褐色の肌を大胆に露出してるそっくりな女性が現れた。

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