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 動き出した賞金稼ぎの人たち。老子が手を動かしたそれが合図だったかのように彼らは動きだした。きっとどうにかしてそれを決めてたんだと思う。

 私が気づくようなことに、荒っぽいといっても彼らは戦闘のプロだ。見逃すわけはない。生と死のはざまのような仕事を日夜やってたんだから、きっと本能かもしくは長年の勘が話を待つのもここまでと判断したんだろう。


「ぬぐっ……」


 素早く誰かが投げたハンマーが老子バンドゥンの肩へとあたった。本当はたぶん手元を狙ったんだとおもう。けど、当たったのは肩……それに何人かが投げたみたいだけど、それらは人知れずに外れてるし……


(あたってよかった)


 うん、当たっただけで、本当によかった。


「「「老子!!」」」

「今だ! 勇者の旦那を結界の中に運べえええええ!!」

「「「うおおおお!!」」」


 老子バンドゥンはシンボルを落とした。その瞬間に賞金稼ぎの人たちは結界の外へと走った。


「老子をお守りしろ!!」


 協会の一人がそんな声をあげている。けどそれに対して老子は的確にこういった。


「私ではなく結界の外に出てきた野蛮人を殺すのです!!」


 その声によって、協会の人たちの出す光がなんか攻撃的な色にかわった。老子バンドゥンの声に賞金稼ぎの人たちは一瞬おびえたが、さらに声を張りあげて前にすすむ。


「全員武器を構えろ!!」


 あくまでも勇者様を結界の中に入れるだけ……だったけど、こうなったら武器を構えないわけにはいかなくなった。


「愚かな! そんな粗末な物体で魔法を防げるわけがないでしょうが!!」


 すでに賞金稼ぎの人たちは勇者様にたどり着いてる。一番体格のいい人が勇者さまを肩に抱き、残りの賞金稼ぎの人たちが周囲に展開。でもそれをあざ笑うように、協会側は十分に離れたところから燃え上がる炎を放ってきた。確かにあんなの斧や剣でどうにかできるものじゃないし、盾で防いだとしても、盾事燃えてしまう。


「うおおおお、武器を投げろ!!」


 一人がそんなことを言って賞金稼ぎの人たちは武器をなげて、自分たちにぶつかる前に魔法を誘爆させた。周囲に熱気が広がる。けど、おかげで、直撃はなかった。


「今だ!!」


 魔法の脅威を肌身に感じて、賞金稼ぎの人たちはすぐに反転した。距離的には二メートルくらいしかない。数歩でかえって来れる。結界の中にはいればこっちのもの。安心できる。

 でもその数歩を許さないというように、炎の中からさらに炎の玉が迫ってきてた。どうやら何人かはためてたみたいだ。そしてタイミングをずらして撃って来た。

 私は前に行って結界の外に手を伸ばす。こっちから引き寄せれば、全員は無理でも勇者様を含めた何人かは間に合う。


「へっ、まったく貧乏くじかよ」


 そんなことをつぶやいた一人が結界の手前で立ち止まる。そして大きく手と足を広げてこういった。


「俺がこの身で盾になってやるぜ!!」


 次の瞬間、結界の周りに炎が広がった。

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