表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
340/1598

249

「くっ! なんだこれは!!」

「ローワイヤ様、怯える必要はないのですよ。どうかそこから出てきてくれはしないでしょうか?」

「誰が出ていくのよ! ふざけないで!! 下がりなさい! 後悔することになるわよ!!」


 俺が救助活動を行ってる間に、どうやらみんなが襲撃されてたらしい。いや、まあわかってたが。なにせ聖剣は俺と一体化するほどにシンクロしてる。だから聖剣がどういう状態か、そのくらい離れててもわかるのだ。


 エマージェンシーは常に頭に鳴ってた。でもまあ大丈夫そうだから、この子を助けてたわけだが、かなりの数が囲んでるな。どうやら囲んでるのはやっぱり協会の奴らみたいだ。

 特徴的な変な格好してるからな。すっぽりかぶったローブには全面に変な幾何学模様が描かれてて、顔の所には大きな目玉の絵。

 そしてそれが力に反応してか、怪しく光ってる。聖剣の前に立つ奴は、ひときわ強くその目が光ってるが、何か位とかで変わるのか? それとも聖剣に何かしようと? 

 でも聖剣の結界を突破できなかったから、奴らはローワイヤさんへの説得を試みてるんじゃないだろうか?


「老子、連れてきました!!」

「ふむ……残念ですな。これを使うことになるとは。これも全ては貴女のせいなのですよローワイヤ様」


 何やらローワイヤさんに責任転嫁してるが、完全にローワイヤさんのせいではないだろうと俺は思う。何言ってるのあの老子とか呼ばれた奴は。そうやって責任を押し付けて、自分から出てくるようにしたいんだろうが、お前達の教育のたまもので、その位でローワイヤさんは責任感じるような人ではない。


「ふん、知らないわね。できるものならやってみなさいよ!」


 ほらね。実際、囲んでる協会の奴らは追い詰めてる……と思ってるんだろうが、ローワイヤさんたちは全然そんなことは思ってないと思う。だからあんなに強気でいられてる。俺が戻ってきて助けてくれると思ってる。


 それにきっと聖剣の守りを突破されなかった事も大きいだろう。だからこそ、協会側もあんな化け物を出してきた。それは大きな羽があって、甲高い音を出して飛んでる。ずんぐりむっくりした体は黒光りしててその背中とかには鋭利なとげがある。


 つぶらな瞳は真っ赤に染まり、頭からは一本の反った角。そしてその大きさは十メートルはあろうかというでかさだった。てかよく浮いてられるな。魔法の力とか使ってるのか? あんなずんぐりむっくりな体で背中の翼だけで飛べてるのがすごい。


「あなたは小さいころからそうでしたな。だからここでもう一度叱ってあげましょう」


 そう老子と呼ばれた奴が言うと、カブトムシ型の砂獣の角が赤く光りだす。そして、その巨体からは信じられないくらいに速くまっすぐに突進していく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ