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 青い光が淡く、優しく輝く。でもこれはまだだ。まだ俺の思う魔法へと至ってない。これはまだ、このつぶれてるこの子をなんとか生かしてるだけだ。回復……まではまだできない。なにせ瓦礫がまだあるんだ。

 この状態で体を治したら、再びつぶれたるだけ。自分の体がつぶれる感覚を二回も味合わせるなんて……それはある種の拷問だろう。


 俺の世界ではそういう拷問が確かにあった。人道的ではない奴だ。なまじ回復魔法があるから、死ぬ寸前まで痛めつけて、そして回復させて、もう一度……いや何度だって繰り返す。そうやって対象の心を壊す……そういうやり方。


 この世界ではどうなのかわからないが……表側では魔法が意図的に普及されてないからそこまで残酷な方法はないかもだが……中央ではそう言うこともまかり通ってる気はする。ペニーニャイアンとか見てるとな……


 青い光が、次第に金色の輝きになっていく。けどやっぱり完全に金色になることはない。でも、力の色が変わったころから変化は現れてる。


 それは瓦礫達が光沢を帯びてきたことでわかる。さらに続けると、ドロッと液体へと次第になっていく。それは灰色の液体だ。


(完璧じゃないな)


 俺はやりながらそんなことを思う。だって本当ならこの液体は黄金色に輝き、それは不純なものが一切ない、特別な液体へとなる……はずだった。

 でも俺が未熟だからだろう。不完全な代物になってる。けど、このままやっていけば、この子を助けることは出来る。俺は積みあがってる瓦礫を溶かし、つぶれた体の子を助け出す。


 さらに回復魔法を本格的にかけて、その体を再生させた。


「もう大丈夫だ」

「た……すかった……の?」


 実感がないのだろう。それも仕方ない。なにせ半身つぶれた状態だったんだ。完璧に治ってるとは言っても、その変化をいきなり受け入れるのは心も体も時間をようする。とりあえず液体になった瓦礫をさらに魔法で変化させて布を作ってみた。


 この子の服はボロボロで特に下半身がつぶれてたせいでその……丸出しだからな。それは恥ずかしいだろうと思った。創成魔法で変換させたこの液体は理論上は、なんにでも使える万能の液体だ。

 もちろんそれは完璧な黄金の色に輝けば……だけど。けどただの布に変換するくらいはこれでも十分できる。


 俺はその子を布でくるんで抱き上げて外に出た。いちいち来た道を戻るなんてことはしない。かなりの範囲を創成魔法で変化させたからな。バランスが悪くなってる。とりあえず助けれる人たちは助けただろうことを確認して、俺は空へと出た。

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