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「なんだ?」


 そう思うのも無理はないと思う。だって穴に目玉がぐりッと収まってるからだ。聖剣が吹き飛ばした壁に開いた穴。そこにぴったりと収まってる目。


 つまりはその目はとても大きい。人の体くらいある目がそこにあった。


「ヴいヴいヴいヴいヴいヴいヴいーヴいヴいーヴいヴいヴー」


 意味不明な声が響く。それを聞いて、後ろの皆がおびえだす。


「なんだこの声?」

「いったいどこから?」

「なんだか……ふわふわしてきます」


 最後の言葉……嫌な予感がした。敵かどうかわからないが、中央で俺たちに味方がいるほうが珍しい。ならば敵だと思って行動する方がいい。そもそもあんな味方しらないし。どことなく、あの目玉、ピローネと同じ感じがする。でもピローネよりも相当強いプレッシャーを醸し出してもいるんだ。油断はしない。


 俺は聖剣を今度は下側に構えた。半身を前に出して、態勢を前傾へ。けどその時、バチッとその目玉と目が合った。その瞬間、何やら体に違和感が。というか、向こうの力が流れ込んでくるのがみえた。


(させるか!!)


 俺はその力の流れを聖剣にたまってた力を開放することで、強引に切り裂く。


(よし!)


 そう思ったとき、穴から目はなくなり、次に鋭利な爪をもった、毛深い腕が穴を拡張させながら入ってきた。


「うああああなんだ!?「

「「きゃあああああああ!?」」


 さすがにでっかい腕が入ってきたら皆気づくか。目玉は気づいてなかったようだけど、腕はもう、めっちゃ目立ってるからな。目の前まできた腕がその手のひらを晒す。するとそこにもでっかい目玉が一つあった。そして再び力を流し込もうとしてくる。


 多分だけど、この力が体に流れてくると、体の自由が利かなくなったり、最悪精神操作とかもされるんじゃないだろうか? そのくらい強力な力だ。下手に避けるとか流すとかしない方がいいだろう。わざわざ弱点を晒してくれてるんだ。


 俺は聖剣の切っ先を謎の腕に向けて、床をけった。それは単純な攻撃であるただの突きだ。でも俺のスピードなら、それこそこいつが瞬きするよりも早く結果は出てる。


「なに!?」


 聖剣は確かに謎の腕を貫いた。けど、そこに目はなかった。どうやら避けたらしい。腕の別の所に目玉が出てる。どうやら体を自由に移動できるらしい。


 でも……そうじゃない……


(まさか避けるとは)


 そこだ。少なくとも今の俺の動きが奴には見えてたってことだ。これは間違いなく、ピローネよりも強い……俺は気を引き締めて突き刺してた聖剣を引き抜く。

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