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 ピローネが投げる武器は尽きることがない。なぜなら、ペニーニャイアンが黒い鏡を使っていくらでも補充するからだ。しかもピローネが投げると、ピローネの特性というか……あいつが振りまく呪いというか、それが何の変哲もない武器にも付与されるみたいだ。多分奴が触れたものはすべて命が奪われるような呪いがつくんだろう。

 なんという死神……だから皆に欠片一つ当てることは出来ない。聖剣の力で大雑把に振れば、こっちに欠片一つ飛んでくれることはないし、聖剣の力の影響で負の力は浄化されるが……それでも油断はできないことは精神的に来るものがある。


 一応賞金稼ぎ達は女性陣を内側にやって、その周りを囲むという男気を見せてくれてる。まさに肉の壁になる気だろう。俺が一つミスすれば致命傷を受けるかもしれないから怖いだろう。だが、怖気づいてる感じはない。

 俺のことを信じてくれてるんだろう。


「そうだ」


 俺はここで思いついた。いくらでも補充できる武器を投げられるから厄介なんだ。それにピローネが持つということもその厄介さに拍車をかける原因だ。


 俺は聖剣の剣戟を複数一気に飛ばした。ピローネが飛ばしてくる奴にも対応しつつ、四方八方に飛ばす。俺はピローネよりも早く動ける。皆を守るためにこの場から動いてないが、地力では俺の方か高い。だから待つことをやめたらこっちの動きにピローネは対応できない。

 

 皆を守ることを注力するあまり、受け身になりすぎてたな。投げられることが厄介なら、投げる前に潰してしまえばいいだけだ。なにせペニーニャイアンはそこらに武器を出すだけだ。それを無造作にピローネが取って、投げてくるって手順。

 それならこっちにも干渉する余地は十分にある。本当ならピローネの手に直接武器を出すとかの連携の方が絶対に効率がいい。でもそれはできない。なぜなら、ペニーニャイアンはこの戦闘についてこれないからだ。ピローネが自身で武器を出し入れできるなら別だが、それをしてるのはあくまでもペニーニャイアンだ。

 だからペニーニャイアンは出すことしかしてない。そこらに出して、あとはピローネ任せ。だからそれを俺が叩き壊す。


「そんな浅知恵じゃ自分は超えられないぞ」


 俺は二人に威圧を込めてそういった。二人が息を飲むのが分かった。恐怖、それを感じたはずだ。でも本能で動いてるピローネはそれを認めたくないのか吠えた。


 女の子が出していい声じゃない叫び。でもそれで恐怖を押し込めて渾身の力を貯めてこっちに向かう為に重心を落とした。でもその時にはピローネの左肩に聖剣が突き刺さっていたんだ。

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