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(安心……)


 ピュアがなんとなくいったその言葉……そしてローワイヤさんの傷。それは内側から裂けたかの様な傷してる。ペニーニャイアンもピローネもそこにはきっと安心があるんじゃないか?


 そもそもがペニーニャイアンは自分が出した武器があの鋏だ。そしてピローネはペニーニャイアン側。俺たちはあの鋏が出てきた時点でどうあっても警戒してしまうだろう。

 そして傷ができることで恐怖や不安があおられていく。俺は二人の手を合わせて、さらにその手を包むように自分の手を重ねて包み込む。


「喧嘩はやめてくだい。大丈夫、治せますから。それから聞きたいんですけど、不安や恐怖はありますか?」


 戦場でそれがないってある意味問題だけどローワイヤさんとピュアは同時にいった。


「「全然」」


 やっぱり……ハモったことで、二人が再びにらみ合ってるが、不安や恐怖に感情が振れないのならいい。


「皆さん、安心して、心を落ち着けてください」


 俺はそう言って自身を中心に魔方陣を展開して、温かい光を出す。そして体の汚れやら血とかを洗浄する魔法を使う。あたたかな空気に、不安にさせる血を除去することで、まずはこの場の空気を換える。


「そんな事で、どうにかなると?」


 ペニーニャイアンが何か言ってるが、それは今は無視だ。俺の推測が正しいのなら、まずは傷を治すよりも心を落ち着けることの方が大事。不安や恐怖に支配されてたら、きっとあの鋏の攻撃にさらされる。

 多分だけど、あれはそういうものだ。だから俺はわざと力を見せつけるような使い方をしてる。強大な力がそばにあるとそれだけで心強いだろうし、落ち着くはずだ,それに見た目血がドバドバと出てて安心する奴はいない。最低限止血はするが、とりあえずそれで止めて綺麗にするにとどめて皆の心を落ち着かせるのに尽力する。


「大丈夫です。ほら、安心したら攻撃が来なくなったでしょう?」

「本当だ……怖いくないぞ」

「ああ、あったかく落ち着くぜ」


 どうやら鋏の攻撃はとまったらしい。いや、止まったというか、干渉できなくなった……に近いと思うが。でもここて恐怖心に反応するとは言えないな。事実を知ると意識してしまうだろうし。俺に守られてて安心……と思ってもらった方が都合がいい。


 とりあえず皆さんが完全に落ち着いたから、さらに回復魔法を全体にかけて、傷を完全に癒す。これで恐怖心や不安は完全になくなったはず。


 きっとあの鋏はあんなみためだけど、直接的な武器ではない。多分呪い系のアイテムに近い。恐怖心や不安に付け込んで、肉体を操作、干渉して、自傷させてるんだ。

 でも種が割れれば、恐れるものじゃない。


「もう、その鋏は効果ないですよ」


 俺はそうペニーニャイアンに告げてやる。

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