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「私は認めません……認めませよ……」


 ペニーニャイアンはそう言ってきつく俺を睨んできた。どうやら本気を見せてくれるみたいだ。まあおとなしくしてくれた方が楽なんだけど……でもいつまでも反旗を伺われるよりも、最初にぽっきりと折ってたほうがいいかもしれない。


「本当に、その落ち着いた顔……頭にきますよ」

「これでも結構高く買ってるよ。貴女は強かだしね」

「その余裕が気に入らないんですよ!!」


 そう言ってペニーニャイアンはその手から扇子をすてた。まさか、あれを捨てるとは……普通に魔法を発動するのに必要なのか、それか自身の魔法力を高めるための道具だと思ってた。なにせそういうのは俺の世界にもあったからだ。


 魔術師とか呼ばれる人たちは杖を持つのは普通だったしな。そういう発動現を持つことでイメージがしやすくなる……とかなんとかだった。

 それに特殊なアイテムは身に着けてるだけで加護をくれる。だからあの扇子もそういうのに当たるのだろうとおもってたんだが……この土壇場……それこそ自分のとっておきを披露するこの場面でペニーニャイアンはそれを手放した……ということは、あれは本当になんでもない、ただの扇子だったのか? 

 でもそう考えるしかないよな。なにせこのタイミングで手放したたんだ。本当にあれが力を高めたり、魔法の補助をしてくれてるアイテムだったのなら、この場面であれを手放すなんてことばしないはずだ。


 そう思ってると、ペニーニャイアンは再び自分の谷間に手を突っ込む。


(またあそこから……)


 どれだけ自分の胸の谷間をポケットにしてるんだよ。でもそう思ったのも、ペニーニャイアンが出してきた物を見るまでだった。だってそれは……


「いや、さすがにそれは収まらないだろ!!」

「何をいってるのかわかりませんね。私の胸なら収まりますよ。ローワイヤでは無理でしょうがね」

「むむ……」


 思わずでてきたそれを見て言ってしまったが、流れ弾にローワイヤさんが当たってしまった。申し訳ない。いや……でもあれは……確かにペニーニャイアンは巨乳だ。何カップだよって双丘を持ってる。でもそれでもあれは無理だ。


 何をペニーニャイアンが胸から出したのか……それは鋏のような武器だった。いや見た目武器だが……ペニーニャイアンがあれを使うとは思えないというか……黒光りする昆虫の鎌を組み合わせて作ったような鋏。それは普通にペニーニャイアンの背丈ほどある。どう考えてもあの胸にしまえるわけない。

 多分、自分自身に魔法をかけてるんだろう。胸の谷間の空間に干渉をする何か……だ。実際あんなの納められないし、納められても、そのままあんなのは引き出せない。


 魔法的なギミックがないと無理だ。


「さて、もう油断はしません。私にこれを取り出させた事はほめて上げます。よくできましたね。なのでそろそろ、皆さん死んでください」


 そう言ってペニーニャイアンはせっかく取り出した鋏を放り出す。この鋏になにかあるのは間違いない。俺は視界に集中して、その鋏を読み取ろうとする。

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